第7話 テンプレ展開!?ヒロイン登場・・・
海は現在、ギルドからもらった報酬を片手に街をぶらぶらと歩いていた。
「まずは、武器屋だな。」
海は武器屋を目指して歩きだした。
「はい、いらしゃい!どんな武器をお求めだい!」
武器屋の扉を開けるとた、武器屋のハゲた気さくなおっさんが元気に挨拶してきた。
「え~と、鞭って置いてないですかね?」
「置いてあるよ、珍しいねお客さん、そんな武器を買うなんて、普通なら斧とか剣が主流だよ。それともなんだ、別の目的に使うのかい?」
「違います。相手がいません…」
海は即答する。武器屋のおっさんは微妙な顔をした後、裏からシンプルな造形をした漆黒の鞭を出してきた。
「これが当店自慢の鞭だ、なんせ鞭なんて買う人間はいなかったからな、かなりいいものだったんだが、埃をかぶったまま倉庫に放置してあったんだよ」
「で?いくらなんだ?」
「そうだな、これは黒鋼でできた最高級の鞭なんだ、だから4万ピカナはくらいかな。」
「良し、分かった買う。」
「まいどあり!!」
海は、漆黒の鞭を手に入れ、武器屋を後にした。
◆
「次は、防具屋だな」
そして海は、武器やの隣にあった防具夜の中に入った。
「いらしゃい!」
店内に入ると防具屋の天然パーマのおばちゃんが挨拶してきた、。
そこにはたくさんの防具が陳列してあり、防具を選ぶのがめんどくさそうだったので、一式おばちゃんに揃えてもらうことにした。
「おばちゃん、10万ピカナで軽装装備一式揃えてよ。」
「10万ピカナ!?あんたお金持ってるのね~分かったわ、最高のものを揃えてあげる。」
そしておばちゃんは、裏から漆黒に輝く小手、鎧、ズボン、ブーツを持ってきた。
「どうだい、いい防具だろ!この防具、高すぎていつも売れ残こっていたんだよ。
よかったら買っておくれ」
「分かった」
「まいどあり~」
海は、漆黒の防具一式を着込んだ、海の恰好はそれなりに冒険者ぽい物になった。
その装備に満足して、海は、防具屋を後にした。
◆
その後...
海は、適当に街をぶらぶらしていたらいつの間にか、廃れたスラム街のような場所に迷い込んでしまった。
「迷った...」
海は、どこかに人はいないか確かめてみたが、どこにも人影はなっかた。
仕方ないので、大きな声で叫んでみた。
「誰かいませんか~!!!!」
「うるせえー静かにしろ!!!!」
突然、隣の家の扉が開き、近隣住民のおっさんからお叱りを受けた...。
海は、開き直りなぜこの辺は人が少ないのか聞いてみることにした。
「何で、ここには人があまりいないんですか?」
「お前そんなことも知らないのか...ここは、王都でも見捨てられた場所なんだよ...
だから誰も住み着かねぇし、住んでいる奴は相当変わりもんか、親や家族のいない孤児とか、わけあって身を隠している人間、すべてを亡くした人間ぐらいしかいねぇよ。」
「ということは、あなたは相当変わりものてっことでいいですね!」
「うるせぇ!!間違ちゃいないがな!」
海は、話を戻すことにした。
「そうなんですか...なんで王都はこの場所を見捨てたんですか?」
「財政難だ...王都の財政が破綻しかかった時、どこを切り捨てる?ということになってな、ここが選ばれた...」
「・・・」
海は王都の裏側を知り、少し寂しい気持ちになってしまった。
「じゃあ、あなたはなぜここにいるんですか?」
「質問の多い奴だな...俺はここで、こいつらの面倒を見ているんだよ...」
彼がそう言うと、奥から小さな少女たちが3人ほど出てきた。
「こいつらは訳ありでな、どいつもこいつも家も家族も亡くしたやつらばかりだ...」
「そうなんですか...大変ですね...何かあったら僕に言ってください、あっ僕の名前は鈴木海です。海って呼んでください。」
「わかった...気持ちだけでも受け取っておくよ...。俺の名前はガイルだ。」
「よろしくお願いします。あ、そうだよかったらこれ、もらってください。」
そうして、海はアイテムボックスから「ごりんごりん×30」を取り出した。
「本当か、ありがとう...」
「いえいえ、僕にはもういらないものなんで...」
「これ、よく見るとごりんごりんじゃねぇか!あらゆる病気が治る万能回復の実だぞ、こんな物もらっていいのか!?」
「この実にそんな効果が!?まっまっ...まぁいいですよ!?」
海は、若干あげるのが惜しくなる。
「知らなかったのかよ、まあいいこれで奥で寝ているキャピアの病が治る!
本当にありがとう!」
海は、「ごりんごりん」にそんな効果があったとは知らなかったが、予想より彼の役に立てたので、良かったと思ったのだった。
◆
海は、スラム街を歩き続けていた。
好奇心旺盛な海は、この街の闇に少し興味が湧いたのだ。
「きゃああああああああああああああ」
海が、スキップしながら歩いていると遠くから悲鳴が聞こえる。
海はお?これ、あれじゃね?異世界でよくあるヒロインを助ける奴じゃね?と思いながら、悲鳴のする方にかけだした。
海がそこにたどり着くと、そこには盗賊風の男たち10人が、少女を取り囲み、お楽しみをしようとしていた。
「大人しくろ」
「やめて、放して!」
あまりにもテンプレすぎて、しばらくハニートラップ的な何かではないかと思い、確かめるため、物陰に隠れて様子をうかがうことにした。
「きゃ!」
「ぐへへ、いい体してるじゃねーか!」
盗賊は少女の服を脱がせ体をむさぼり始めた。海は、もう少し先を見てみたい気持ちもあったが、流石に本物の拉致だと気づき、助けに入ることにした。
「やめるんだ!僕は嬉しいけど!!その子は嫌がっているだろ!!」
盗賊たちはこちらに気づき、一旦少女から手を放す。
「おっ、なんだヒーロー気取りか!?もし、よかったらお前も混ざらないか?」
「うっ!」
海は、魅力的な提案に揺らぎそうになったが、雑念を払い少女を助けることにした。
「ベ、ベツニマザリタクナイヨ...」
どうやら、雑念を隠しきれなっかたようだ。
「すげぇー混ざりたそうじゃねーか...まぁいい、お前らやっちまえ!」
「死ねやクソガキ!」
「ひゃっはああああああああああああ!!」
盗賊たちは、世紀末的な叫び声をあげながら、海に襲い掛かってきた。
今回の海は、
「死ねや!」
盗賊Aのナイフが、海の腹めがけて飛んでくる。それを海は、半歩ずれて躱し、Aの腹に膝蹴りを繰り出した。
「ぐぇほぉ!!!!」
盗賊Aは、ありえない速度で壁に叩きつけられた。それを見た盗賊たちは、唖然としていた。
「・・・・・・・・」
「やりすぎたかな?」
海は自分が100レベルなことを考慮せずに膝蹴りを繰り出したので、盗賊は無残な姿になったのだ...
「こ、こいつはヤベー!お前ら!!女を捨てて撤退だ!!こんなやつ命がいくつあっても足りねぇー!」
「逃がすと思う?」
「ひぃ!?」
海は飛行で、盗賊の進行方向に立ちふさがり、それぞれを蹴散らしていった。
「化け物ぉおおおおおおおおおお」
...
◆
5分後...
海は盗賊たちを、ぼろ雑巾にしてロープで縛り置いておいた。
そして少女に近寄り話しかける。
「大丈夫?」
「あなたもう少し早く助けられなったの?ていうか、あなた物陰で少し見てたでしょう?何で、すぐ助けなかったのよ!?」
海は、キンキンとうるさい少女に本当のことを答えてやることにした。
「テンプレすぎて、ハニートラップかと思った。」
「てんぷれ??何それ?そんなわけのわからない理由で、すぐに助けなかったの?
最低!」
「イイじゃないか、助かったんだから...」
「よくないわよ!キモいおっさんの、唾液でベトベトよ、私を誰だと心得るの!!私はカレビ帝国王位継承者、シャルロッタ・アイリーンよ!」
「ふ~ん」
「何よその反応は!?」
海は日本で暮らしていたため、王家と言われてもピンとこなかった。
確かにシャルロッタの外見は、金髪、碧眼でゆる縦ロール、胸は少し残念でその分、小柄で、目鼻立ちが整っており、全体から気品が溢れ出ていた。
「で?、君はなぜ拉致されたの?」
「そんなことも分からないの?私が王位継承者だからそれをよく思わないものが、私を拉致して、盗賊に横流ししたのよ!!」
「そして、こんなところに?」
「そうよ。随分と遠くまで連れてころれたけど...ここが盗賊のアジトだったみたいね!!あなたが壊滅させちゃったけど...」
「そうか、じゃあ聞くけど搬送の間、盗賊に犯されなかったの?」
「あ、あなた私に何てこと聞いてるの!?犯されてないわよ!!」
シャルロッタが顔を真っ赤にさせながら言う。
「そう、大事なことだったからね。僕のモチベーション的にもよかったね!」
「よかったわよ!あいつら複数でやるのが趣味だったみたいだから、アジトで全員で...てっ、何言わせるのよ!」
「勝手に、しゃべり始めたんじゃん...」
海は、少しうるさいお嬢様にため息をつき、自分の名前を名乗った。
「え~と、そういえば自己紹介がまだだったな、僕の名前は鈴木海よろしくな!」
「そう、改めて自己紹介するわ、私の名前は、カレビ帝国王位継承、シャルロッタ・アイリーンよ、先ほどは助けてくだっさて、ありがとうございました。」
そう言うと、シャルロッタはスカートの裾を摘みお辞儀をした。
その姿に、海は少し見とれてしまったが、シャルロッタにばれない様に、何とかごまかし、今後の方針を聞いてみることにした。
「シャルちゃんはこの後どうするの?」
「あなた少し馴れ馴れしいわね!?私が王位継承者と知って、態度を変えないなんて...」
「で、どうするの?」
「正直、目隠しされて移動していたから、この場所がどこなのかも分かっていないのよ、だからカレビ帝国に帰ろうにも、どうやって帰ればいいのか分からないの、しかも従者もなしに無事たどり着けるか心配で...」
シャルロッタはそう言いながら海の方ををチラチラと見る。
「じゃ!がんばって!」
「ちょ、ちょっと待って!?ここは、私をカレビ帝国まで案内するところでしょ!?なによ、じゃあって!!ちょっと待ってお願いします!!連れて行ってくだい!!」
シャルロッタは海に涙目でしがみ付く。海はその柔らかい素晴らしい感触を堪能しながら、仕方ないな、と思い依頼を受けることにした。
「冗談だよ。その依頼受けますよ。くっそっめんどくさいけど...」
「そ、そうよ、最初からそう言えばいいのよ、バカ...」
そして海は、シャルロッタをカレビ帝国まで、連れていくことにしたのだった...
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