第7話 テンプレ展開!?ヒロイン登場・・・

海は現在、ギルドからもらった報酬を片手に街をぶらぶらと歩いていた。


「まずは、武器屋だな。」


海は武器屋を目指して歩きだした。


「はい、いらしゃい!どんな武器をお求めだい!」


武器屋の扉を開けるとた、武器屋のハゲた気さくなおっさんが元気に挨拶してきた。


「え~と、鞭って置いてないですかね?」

「置いてあるよ、珍しいねお客さん、そんな武器を買うなんて、普通なら斧とか剣が主流だよ。それともなんだ、別の目的に使うのかい?」

「違います。相手がいません…」


海は即答する。武器屋のおっさんは微妙な顔をした後、裏からシンプルな造形をした漆黒の鞭を出してきた。


「これが当店自慢の鞭だ、なんせ鞭なんて買う人間はいなかったからな、かなりいいものだったんだが、埃をかぶったまま倉庫に放置してあったんだよ」

「で?いくらなんだ?」

「そうだな、これは黒鋼でできた最高級の鞭なんだ、だから4万ピカナはくらいかな。」

「良し、分かった買う。」

「まいどあり!!」


海は、漆黒の鞭を手に入れ、武器屋を後にした。





「次は、防具屋だな」


そして海は、武器やの隣にあった防具夜の中に入った。


「いらしゃい!」


店内に入ると防具屋の天然パーマのおばちゃんが挨拶してきた、。


そこにはたくさんの防具が陳列してあり、防具を選ぶのがめんどくさそうだったので、一式おばちゃんに揃えてもらうことにした。


「おばちゃん、10万ピカナで軽装装備一式揃えてよ。」

「10万ピカナ!?あんたお金持ってるのね~分かったわ、最高のものを揃えてあげる。」


そしておばちゃんは、裏から漆黒に輝く小手、鎧、ズボン、ブーツを持ってきた。


「どうだい、いい防具だろ!この防具、高すぎていつも売れ残こっていたんだよ。

よかったら買っておくれ」

「分かった」

「まいどあり~」


海は、漆黒の防具一式を着込んだ、海の恰好はそれなりに冒険者ぽい物になった。

その装備に満足して、海は、防具屋を後にした。





その後...


海は、適当に街をぶらぶらしていたらいつの間にか、廃れたスラム街のような場所に迷い込んでしまった。


「迷った...」


海は、どこかに人はいないか確かめてみたが、どこにも人影はなっかた。

仕方ないので、大きな声で叫んでみた。


「誰かいませんか~!!!!」

「うるせえー静かにしろ!!!!」


突然、隣の家の扉が開き、近隣住民のおっさんからお叱りを受けた...。


海は、開き直りなぜこの辺は人が少ないのか聞いてみることにした。


「何で、ここには人があまりいないんですか?」

「お前そんなことも知らないのか...ここは、王都でも見捨てられた場所なんだよ...

だから誰も住み着かねぇし、住んでいる奴は相当変わりもんか、親や家族のいない孤児とか、わけあって身を隠している人間、すべてを亡くした人間ぐらいしかいねぇよ。」

「ということは、あなたは相当変わりものてっことでいいですね!」

「うるせぇ!!間違ちゃいないがな!」


海は、話を戻すことにした。


「そうなんですか...なんで王都はこの場所を見捨てたんですか?」

「財政難だ...王都の財政が破綻しかかった時、どこを切り捨てる?ということになってな、ここが選ばれた...」

「・・・」


海は王都の裏側を知り、少し寂しい気持ちになってしまった。


「じゃあ、あなたはなぜここにいるんですか?」

「質問の多い奴だな...俺はここで、こいつらの面倒を見ているんだよ...」


彼がそう言うと、奥から小さな少女たちが3人ほど出てきた。


「こいつらは訳ありでな、どいつもこいつも家も家族も亡くしたやつらばかりだ...」

「そうなんですか...大変ですね...何かあったら僕に言ってください、あっ僕の名前は鈴木海です。海って呼んでください。」

「わかった...気持ちだけでも受け取っておくよ...。俺の名前はガイルだ。」

「よろしくお願いします。あ、そうだよかったらこれ、もらってください。」


そうして、海はアイテムボックスから「ごりんごりん×30」を取り出した。


「本当か、ありがとう...」

「いえいえ、僕にはもういらないものなんで...」

「これ、よく見るとごりんごりんじゃねぇか!あらゆる病気が治る万能回復の実だぞ、こんな物もらっていいのか!?」

「この実にそんな効果が!?まっまっ...まぁいいですよ!?」


海は、若干あげるのが惜しくなる。


「知らなかったのかよ、まあいいこれで奥で寝ているキャピアの病が治る!

本当にありがとう!」


海は、「ごりんごりん」にそんな効果があったとは知らなかったが、予想より彼の役に立てたので、良かったと思ったのだった。





海は、スラム街を歩き続けていた。


好奇心旺盛な海は、この街の闇に少し興味が湧いたのだ。


「きゃああああああああああああああ」


海が、スキップしながら歩いていると遠くから悲鳴が聞こえる。


海はお?これ、あれじゃね?異世界でよくあるヒロインを助ける奴じゃね?と思いながら、悲鳴のする方にかけだした。


海がそこにたどり着くと、そこには盗賊風の男たち10人が、少女を取り囲み、お楽しみをしようとしていた。


「大人しくろ」

「やめて、放して!」


あまりにもテンプレすぎて、しばらくハニートラップ的な何かではないかと思い、確かめるため、物陰に隠れて様子をうかがうことにした。


「きゃ!」

「ぐへへ、いい体してるじゃねーか!」


盗賊は少女の服を脱がせ体をむさぼり始めた。海は、もう少し先を見てみたい気持ちもあったが、流石に本物の拉致だと気づき、助けに入ることにした。


「やめるんだ!僕は嬉しいけど!!その子は嫌がっているだろ!!」


盗賊たちはこちらに気づき、一旦少女から手を放す。


「おっ、なんだヒーロー気取りか!?もし、よかったらお前も混ざらないか?」

「うっ!」


海は、魅力的な提案に揺らぎそうになったが、雑念を払い少女を助けることにした。


「ベ、ベツニマザリタクナイヨ...」


どうやら、雑念を隠しきれなっかたようだ。


「すげぇー混ざりたそうじゃねーか...まぁいい、お前らやっちまえ!」

「死ねやクソガキ!」

「ひゃっはああああああああああああ!!」


盗賊たちは、世紀末的な叫び声をあげながら、海に襲い掛かってきた。

今回の海は、自由落下する岩フリーフォールロックを使うつもりはなかった。さすがにそんなものを使えば、盗賊たちが死んでしまうので、海は、盗賊が死なないようにするためと、人間相手に自分がどれだけ強くなったか実験するため、素手で戦うことにした。


「死ねや!」


盗賊Aのナイフが、海の腹めがけて飛んでくる。それを海は、半歩ずれて躱し、Aの腹に膝蹴りを繰り出した。


「ぐぇほぉ!!!!」


盗賊Aは、ありえない速度で壁に叩きつけられた。それを見た盗賊たちは、唖然としていた。


「・・・・・・・・」

「やりすぎたかな?」


海は自分が100レベルなことを考慮せずに膝蹴りを繰り出したので、盗賊は無残な姿になったのだ...


「こ、こいつはヤベー!お前ら!!女を捨てて撤退だ!!こんなやつ命がいくつあっても足りねぇー!」

「逃がすと思う?」

「ひぃ!?」


海は飛行で、盗賊の進行方向に立ちふさがり、それぞれを蹴散らしていった。


「化け物ぉおおおおおおおおおお」


...





5分後...

海は盗賊たちを、ぼろ雑巾にしてロープで縛り置いておいた。

そして少女に近寄り話しかける。


「大丈夫?」

「あなたもう少し早く助けられなったの?ていうか、あなた物陰で少し見てたでしょう?何で、すぐ助けなかったのよ!?」


海は、キンキンとうるさい少女に本当のことを答えてやることにした。


「テンプレすぎて、ハニートラップかと思った。」

「てんぷれ??何それ?そんなわけのわからない理由で、すぐに助けなかったの?

最低!」

「イイじゃないか、助かったんだから...」

「よくないわよ!キモいおっさんの、唾液でベトベトよ、私を誰だと心得るの!!私はカレビ帝国王位継承者、シャルロッタ・アイリーンよ!」

「ふ~ん」

「何よその反応は!?」


海は日本で暮らしていたため、王家と言われてもピンとこなかった。

確かにシャルロッタの外見は、金髪、碧眼でゆる縦ロール、胸は少し残念でその分、小柄で、目鼻立ちが整っており、全体から気品が溢れ出ていた。


「で?、君はなぜ拉致されたの?」

「そんなことも分からないの?私が王位継承者だからそれをよく思わないものが、私を拉致して、盗賊に横流ししたのよ!!」

「そして、こんなところに?」

「そうよ。随分と遠くまで連れてころれたけど...ここが盗賊のアジトだったみたいね!!あなたが壊滅させちゃったけど...」

「そうか、じゃあ聞くけど搬送の間、盗賊に犯されなかったの?」

「あ、あなた私に何てこと聞いてるの!?犯されてないわよ!!」


シャルロッタが顔を真っ赤にさせながら言う。


「そう、大事なことだったからね。僕のモチベーション的にもよかったね!」

「よかったわよ!あいつら複数でやるのが趣味だったみたいだから、アジトで全員で...てっ、何言わせるのよ!」

「勝手に、しゃべり始めたんじゃん...」


海は、少しうるさいお嬢様にため息をつき、自分の名前を名乗った。


「え~と、そういえば自己紹介がまだだったな、僕の名前は鈴木海よろしくな!」

「そう、改めて自己紹介するわ、私の名前は、カレビ帝国王位継承、シャルロッタ・アイリーンよ、先ほどは助けてくだっさて、ありがとうございました。」


そう言うと、シャルロッタはスカートの裾を摘みお辞儀をした。

その姿に、海は少し見とれてしまったが、シャルロッタにばれない様に、何とかごまかし、今後の方針を聞いてみることにした。


「シャルちゃんはこの後どうするの?」

「あなた少し馴れ馴れしいわね!?私が王位継承者と知って、態度を変えないなんて...」

「で、どうするの?」

「正直、目隠しされて移動していたから、この場所がどこなのかも分かっていないのよ、だからカレビ帝国に帰ろうにも、どうやって帰ればいいのか分からないの、しかも従者もなしに無事たどり着けるか心配で...」


シャルロッタはそう言いながら海の方ををチラチラと見る。


「じゃ!がんばって!」

「ちょ、ちょっと待って!?ここは、私をカレビ帝国まで案内するところでしょ!?なによ、じゃあって!!ちょっと待ってお願いします!!連れて行ってくだい!!」


シャルロッタは海に涙目でしがみ付く。海はその柔らかい素晴らしい感触を堪能しながら、仕方ないな、と思い依頼を受けることにした。


「冗談だよ。その依頼受けますよ。くっそっめんどくさいけど...」

「そ、そうよ、最初からそう言えばいいのよ、バカ...」


そして海は、シャルロッタをカレビ帝国まで、連れていくことにしたのだった...









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