第6話 冒険者ギルド
海は今、街の入り口に立っていた。
入り口の看板には、「ようこそ王都ピカナへ」と書かれている。
海はあまり気にしていなかったが、異世界に来たのに文字も言葉も全部問題なく分かることに気づいた。
とりあえず海は街を歩くことにした。
街は其処ら中活気づいており、まるで祭りのように、たくさんの出店が並んでいる。特に、飯屋が多いようだ。
しかし海は、重要なことに気づいてしまったのだ。
そう海は、まったく金を持っていなかったのだ。出店がいくら並んでいても、今の海には、まったく意味のないことである。
海は、資金集めのため、どこかに金を稼げるところはないかその辺のおっさんに聞いてみることにした。
海は、目の前からキャベツを大量にを持って、こちらに歩いてくるおっさんに、金稼ぐを稼げる場所を聞いてみることにする。
「おい、おっさん!」
「な、なんだ...」
突然声をかけられたおっさんは、持っていたキャベツをすべて落としてしまう。
海は、拾わず質問する。
「この辺に手っ取り早く金を稼げるところはないか?」
おっさんはキャベツををすべて拾い終えて、海に呆れたように言う。
「最近の若者は…手っ取り早く金を稼ぐ方法?そんなもんねぇよ、真面目に働け!」
「あ゛ぁ゛!?殺すぞ、クソ爺!!!!!」
「ひっ!?なんで怒られなきゃいけないんだよ...若いなら冒険者ギルドに行って、冒険者になるべきだ。そこでうまくいけば、高収入を得られるぞ。昔は、俺も冒険者だったんだけどな...膝に矢を受けてしまってな...」
「膝に矢を受けた人って、他にどれぐらいいるんだ?」
「どういうことだ?」
「いや、別に...」
海は、冒険者ギルドに行くことにした。
おっさんに聞いた話では、冒険者ギルドは町のちょうど真ん中にあるそうだ。
◆
歩くこと、十分...
海は冒険者ギルドと書いてある木の看板を見つけた。海は、少しワクワクしながら、早速冒険者ギルドの扉を開ける。
海は冒険者ギルドを見渡す。冒険者ギルドの内装はすべて木造で、椅子や机、小物などもすべて木でできていた。机といすは、乱雑に並べてあり、そこにむさ苦しい男たちが、酒を飲みながら座っている。そして、入って奥の方に受付のお姉さんらしき人がカウンターで立っていた。
海は奥に進み、受付のお姉さんに話しかけた。
「うい~す、手っ取り早く金を稼げる怪しい、冒険者ギルドってここでいいですか?」
「はい!いらっしゃい、冒険者ギルドへ」
受付の綺麗なお姉さんが歓迎してくれた。お姉さんは、スレンダー美人だ、イメージは秘書だ。スーツ似合いそう…
「冒険者ギルドには、何をしにお越しですか?」
「まず、正式な身分証発行できるって聞いたんだけど?」
「できますよ、では、門の前で発行した借りの証明書をお出しください。」
「はい」
海は、アイテムボックスから、仮の身分証明書を出した。
「では、少しお待ちくださいね」
そう言い、お姉さんは奥の方へ消えていった。
そして新たな白色のカードをを持ってくる。
「お待たせいたしました。こちらが海さんのカードになります。くれぐれもなくさないように注意してください」
「サンキュ、それでここにFランクって書いてあるけど何?僕の顔面戦闘力のこと?」
海は、冒険者カードを指さしながら決め顔で言った。
「ち、違います...」
そう言うと、ドン引きしながらお姉さんは説明してくる。
「海さんの冒険者ランクはFランクとなっております。Fランクは、主に採取クエストが主流になってきます。Fランククエストを10回受けると、Eランクに昇格できます。このように、各ランク10回ずつで、ランク昇格できます」
海は、すぐにお金がほしかったので別の方法を聞いてみた。
「手っ取り早く、昇格できる方法はないの?」
「そうですね、あまりお勧めできませんが...自分のランクより上のクエストを受けて、成功することですね。」
「自分のランク以上のクエストを、受けることができるんだな?」
「そうです。しかし海さんは、種族人間ですよね?しかもパーティ―ではなく、ソロEランククエストより上は、種族人間単独では、クリアは難しいと思います。けして受けれないことはないのですが...その辺りは自己責任ということになてきますね」
「じゃあ、適当にBランクくらいで」
海は、ためらいなく言い放つ。
「わかりました...てっ話を聞いてましたか!?単独では難しいんですよ??しかもあなた初心者でしょうが!?いきなり、Bランクってあなたは死ぬ気ですか?!」
「早ーくー」
「...分かりました、死んでもこちらでは責任は負いかねませんよ...」
どうやら、受付のお姉さんは海のことを田舎暮らしのいかれた野郎だと思ったのだろう。受付のお姉さんは、そう思いながら奥へと消えていく。
海が、Bランククエストを受けたのは、理由があった。Bランクのクエスト表にあの金色のゴリラが載っていたのだ。何度も倒したことがあるので、海は安心してBランククエストを受けることができた。
因みにオオカミはC、羽の生えたゴリラはAとなっていた。
海は受付の人が持ってきた、Bランククエストを受け取った。
「では、こちらのBランククエストになりますが、ジャイアントリンダになります。ジャイアントリンダは、平原に生息しており、主に5匹で群れでの活動をしています。特徴は、顔はニワトリのような形をしており、体は熊のような形をしています。今回は、そのジャイアントリンダの群れを討伐するクエストです。ちなみに討伐すると、そのクエストカードに討伐数が表示されます」
「じゃ、行ってくるわ!!」
海は、受付のお姉さんに手を上げる。
「ちょっ、ちょっと待てください、本当に行かれるんですか?」
「もちろん!」
海は、クエスト表を持ってギルドを後にした。
◆
海が目的地の平原にたどり着くと、あっけなくジャイアントリンダを発見する。
ギルドのお姉さんが言っていた通り、ニワトリのような頭で熊のような体をしたモンスターが群れで歩いていた。
しかし、受付のお姉さんが言っていた状況とは少し違い、数は100を越えていた。
海は、無言でジャイアントリンダの群れの真上に行き、
「ふん!」
そして、いつものように海の攻撃は大きな音を立てて、モンスターを押しつぶした。
「よし、効いてる!」
その後も海は、連続で
◆
10分後...
すべての、ジャイアントリンダをすべて狩りつくした海は、クエスト表を見る。そこには、海が討伐したジャイアントリンダの数が書いてあった。
「ジャイアントリンダ×130」
海が、その数に驚いたのも束の間、レベルアップのシステム音が鳴り響く。
「レベルが上がりました。」
鈴木 海
レベル60→レベル100(これ以上レベルは上がりません)
種族「人間」
ステータス
MP 30→60
筋力 160→200
知力 260→300
防御力 120→160
器用さ 160→200
俊敏 310→350
魅力 100→100
スキル
「飛行」
魔法
「ウインド」「メガウインド」「サイクロン」「ライトニングノヴァ」
称号
「森の精霊王を倒したもの」「ゴリラの虐殺者」
「・・・」
海は、とうとう100レベになってしまったようだ。案外ぬるゲーだったので、何の達成感もわいてこない。
海はこの世界では、100レベが限界レベルらしいと気づく。
海は、MPの少なさに少し落胆したが、とりあえず海はギルドへの報告を、済ませることにした...
◆
海はまたギルドの扉を開けた。そして、すぐに受付のカウンターに向かう。
「おわた」
「おかえりなさい、海さん」
ギルドのお姉さんが笑顔で迎えてくれた。
「海さん、速かったですね、やっぱり怖気づいて帰ってきましたか!」
「しばくぞ年増!!これがクエストカードです」
「・・・・・・」
お姉さんは額をぴくぴくさせなら、クエストカードを見る。そしてその表情は、驚きの表情に変わった。
「何ですか!?この討伐の数!?ありえません、おかしいです。どうやったんですか!?」
「報酬くれ?」
「どうやったんだすか!?」
「報酬くれ??」
「・・・了解しました...では少しお待ちください...」
お姉さんは、また奥へと消えていった。そして大きな袋を持ってやってきた。
「こちらが、ジャイアントリンダ×130匹分の報酬になります...」
報酬が、テーブル上にドスンという音を立てて置かれた。そしてその袋からは、大量の硬貨が顔を出していた。
「ジャイアントリンダの報酬、1千300万ピカナになります...」
「これって、ちなみにどれくらいの報酬なの?」
海は、疑問に思ったので聞いてみることにした。
「そうですね、まずジャイアントリンダは最低でも手練れの冒険者5人以上いないと討伐できませんからね。海さんの場合一人で倒されたということで、すべて海さんの報酬になるわけですから、通常はパーティーのメンバーで報酬を分けるわけです。
1匹のジャイアントリンダの報酬が2万ピカナだとして、その群れ5匹を倒すわけですから。総合で10万ピカナくらいになります。そして一人あたりに分配される料金が、2万ピカナですね...」
「じゃあ、ついでに聞くけど、2万ピカナあったらどれくらい生活できるの?」
「普通の家庭が、1か月何の不自由もなしに生活できるレベルですね...」
受付のお姉さんは、遠い目をしてそう言った。
「そうですか!では、失礼します!」
「ちょっと待ってください!!!海さんはジャイアントリンダ130匹倒したことで、Aランク冒険者になり、王都から依頼をお願いしたいと...「失礼します!」
海は、その話はめんどくさそうだと思い話を打ち切り、報酬1千300万ピカナをアイテムボックスに収納して早々にその場を立ち去るのだった...
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