大化の改新

 中大兄皇子と中臣鎌足は蘇我入鹿を暗殺するため、三国の調の儀式に忍び込んで佐伯子麻呂と葛城稚犬養網田に剣を渡し、入鹿を斬るように言い含めたが、二人ともブルって斬り込めない。

 二人が入鹿の威を恐れて進み出られないと判断した中大兄皇子は自ら進んで入鹿に斬りかかった。

 すると、どこからともなく、グリーンピースの一団が現れ、

「イルカをいじめるな」

と口々に言い、横断幕で入鹿を包み隠してしまった。

 中大兄皇子と中臣鎌足は呆然とするしかなかった。

「助かったぞ」

 感謝する蘇我入鹿にグリーンピースの代表は、

「イルカは海に帰らないといけない」

と言って、入鹿を車に乗せて走り去った。


 数日後、蘇我入鹿の水死体が摂津の海で見つかった。入鹿の父、蘇我蝦夷はそれを嘆き悲しんで、館に火を放ち自殺した。この一連の騒動を乙巳の変いっしのへんというのだが、皆が皆「どっかが変」と言って首をひねった。

 これが大化の改新の始まりである。どっか変だなあ。

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