第48話 官僚主義が前例主義になる構造的理由 #戦争 #平和 #心理学 #哲学 #とは #定期 

官僚主義が前例主義になる構造的理由

 

官僚が構造的に前例主義になる理由は、ある案件に対し判断を求められるときに、自分の判断で断を下したときに、その後その案件が上手くいかなかったときに、個人判断の責任が及ばない為の方便として、以前の方式によって判断する、つまり過去の方法、又は前任者以前の人々の自分以外の人の判断の継続だ、自分の判断によるものではない、という形を取ることで自己責任の回避の為に行っている方便である。

つまり官僚とはその富の源泉が民間の客からの売り上げではなく強制力にもとづく税金である為、官僚としての地位を継続すること自体が給料の永続性となるため、地位を保全する為にあらかじめ個人の責任追及となる判断を避けつつ問題を処理する為に前例を持ち出す。


前例主義の継続は、イノベーションにより淘汰される。ある問題に対する解決能力の乏しさは、苦しみの解決しない人々を生む。その人々は自らの苦しみを解決する為に、これまでの方法や前例では解決しない苦しみを解決する為により新しい方策を生み出す。その新しい方法がより効果的であるならば前例主義は消去される。つまり前例主義者は新しい効率性に常に敗北するが、その敗北を止めようと、権力者は暴力に頼る。


つまり、権力者は前例の方法論によって過去に権力者になったために、前例の踏襲を求めるが、新しいイノベーションは社会的に必ず起こる、つまり社会で苦しむ人がいる限りイノベーションは続く為に、新しい効率性が生まれ続ける。そして新しい方法論は前例主義を陳腐化するために、前例によって権力に立った存在の立場も危うくする。その為、権力者はイノベーションに対し後ろ向きの立場をとりがちであり、地位が富の源泉である人々ほど、新しい方法や解決策を講じない態度を取る。(新しい考え方や方法論を鼻で笑う態度を取るのは、潜在的に新手法が生み出す自己の立場の不安定さの隆起への恐怖の表れともいえる。)


このような構造が、官僚の頑迷な態度や、権力者に対する内乱やクーデターの起こる構造的理由となっている。

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