7話 失った土曜日
今日は土曜日。
沙織が約束(?)をした日からずうっと
「映画へ連れてけー。」
というので結局映画へ連れてけ行くことになった。
・・・あいつ俺を便利な財布とでも思ってんのか?
まぁ一応約束(?)は守らないと、サイテーな人と思われるから断れないんだけどな
はぁ〜つーかあいつ遅いな。俺は約束の時間の20分前から待機しているってのに。
ただ今7時52分。
沙織来る気配無し。
・・・ただ今8時、約束の時間。
沙織来る気配無し。
・・・・・ただ今8時15分。沙織からのメールあり。
『・・・ここどこ?』
知るか! 迷子になりやがったよ・・この歳で・・・
『何か目印になるものある?』
『拳銃を持ったおっさんとそれを威嚇しないように捕まえようとする警察官・・・』
・・・どこにいるんですか貴女は?
『帰っていいですか?』
『待ってよ金づる!?行かないで。』
こいつ普通に金づるって・・・
よし、帰るか。
俺は帰ろうとしたが持っていた鞄を引っ張られたので後ろを向いた。
「帰るなよ金づる君。」
沙織が目の前に居た。
拳銃持ったおっさんと警察官はどうした?
「さっきのメールの事だけど。」
「あっさっきのメールの内容は夢の話だから心配しないでね。」
夢の話か・・・じゃなくて
「なんで遅れたんだ?」
「母親が危篤でさっきまで病院に居たの・・・」
病院行けよ、親不孝者。
「それで20分ほど前にいきをひきとったの・・・」
尚更病院に行けよ、超親不孝者。
「って言ったら許してくれる?」
とりあえずでこにチョップをいれて様子を見た。
・
・・
・・・・・
「ひどい!翔ったら私を傷物にするつもりだったの?」
大きな声で喋るから周りの通行人がこちらを見ながら歩いて行く。
俺はとても恥ずかしい。
一方沙織は・・・まだ言ってた。
「翔、あなたがそういうつもりなら私達別れましょう。」
なんか勝手に別れ話にまで発展しちゃったー。
「お、おい。落ち着け俺達付き合ってないだろ?」
「・・・あっそうだったね。てへへー私の勘違い。」
てへへーじゃあねーよ。さっきからのお前のトークで、俺がとてもひどい人に思われるだろ。
あーもう疲れた。
家に帰って風呂入って寝たい・・・
「ほら翔行くよ。今日は寄りたい所がたくさんあるんだから。」
行きたくないです・・・・・・・
今日失ったもの
金と世間の評価と大切な土曜日(休み)・・・他多数のような気がするような・・・・
僕らの高校生活! こるとん @colton
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