5話 叩かれまくる俺
昼頃になり、ピンポーンというチャイムが聞こえた。
香山がいた。
「おっす翔、昼飯作りにきてやったよ。」
「はぁ??なに言ってんだお前?」
「いや、だから昨日は無理だから今日は大丈夫って言ったでしょ。」
あー確かに昨日そんなこと言ってたな。
「と言われても今日姉貴居ないから別にいいんだけど。」
「えー翔のお姉さん居ないの!?今日はお姉さん見たいから来たのに〜。」
来た理由それかよ。
「今日はパチンコ行ってて帰ってくるの夜だよ。」
「じゃあそれまで待つから家に居させてね。」
ふざけんな。俺は扉を閉めて、自分の部屋に戻った。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
「うるせー!!」
俺は玄関の扉を開けた。
「お前速く帰れ。」
「今日は翔のために買い出しして来たのに・・・」
泣き出した。
「わ、わかった。わかったから泣かないでくれ。」
「やった。」 なにがやっただこのやろう。
さて、こいつを家に入れてしまったからにはどうにかしないとな。
俺はとりあえず軽く掃除を始めた。
あいつは・・・どこに行きやがった。
「香山、どこ行った?」
・・・・・・・・・・・・・・・返事無し。
あぁもうあいつはどこ行ったんだ?
俺はそこらじゅうの部屋を捜すが、見つからない。
というわけで、
「あっ姉貴なんでもう帰って来たの?」と言ってみたら、
「えっどこどこ。どこに居るの?」
引っ掛かってくれましたよ。
俺は香山を捕まえて、居間まで引っ張っていった。
「だって暇だったもーん。」
「暇だったもーん。じゃねぇよ、どこに隠れてたんだよ。」
「あそこの押し入れ。」
あそこの押し入れって・・・まさか。
「お前ちょっと後ろ向いて。」
「はーい、でどうかした?」
「そのまま外まで前進。」
「なんで?」
「いいから。」
俺の予想通り、服に埃がたくさんついてた。
「というわけで埃掃ってから入って来いよ。」
「はいはいわかりましたよ。」
「はいは1回。」
「あんたはお母さんか!」
つーわけで、腹が減ったので昼飯の準備を始めた。
昼飯を準備しようとしたら香山が戻ってきた。
「翔、昼飯あたしが作るって言ったでしょ。」
「あ、いや、でも。」
「ほらほらどいたどいた。」
無理矢理台所から追い出された俺は、居間でテレビを見ていた。
少しして香山が料理を運んできた。
「はいよ、沙織特製のスペシャルディナーよ。」
まだ昼ですよ?ランチの間違いでは?
「まぁいいや、いただきます。」
「おう、召し上がれ。言っとくけどおかわりないから。」
まだなにも言ってねぇよ。
そんなこんなで香山と一緒に昼飯を食べることになった。
「はぁーうまかったうまかったぁ。」
「ほんとに?」
「あぁ見た目は?ちょっとあれだけど、味はよかった。」
「あぁーよかった。二つ目の料理塩と砂糖間違えたから一時はどうなるかと」
ベタな間違えすんなよ。
「はあぁ〜、お腹いっぱいになったら眠くなっちゃった。翔ベット貸して?」
寝る気かこいつ。
「やだ。」
「ありがと、で翔の部屋どこ?」
いや今会話になってねぇだろ。
「あっ多分ここだな。」
部屋見つけるの速いなおい。
「おやすみー・・・」
寝やがった。つーか寝るの速っ。
まぁいいや、あと片付けして俺も寝よ。
時間は午後6時。そろそろ姉貴が帰ってくるはずだが・・・
来た。さて、じゃああいつを起こすか。
ってあれ??居ない?
あっ置き手紙が、
『翔へ 今日は十分楽しめたので翔のお姉さんを見るのはまた今度の楽しみにします。それじゃ明日から学校でね。 P.S 顔にフェイスペイントしといたからね』
・・・・俺はすぐに鏡を覗きこんだ。俺の顔は黒人並に黒かった・・・
この後、姉貴に顔を叩かれまくった・・・
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