恋しちゃった……?
フリーダリ
第1話
ピーンポーーン
インターホンが鳴る。
莉央「んん~……」
ピーンポーーン……ピンポンピンポーン
莉央「んんんん~……」
ピンポンピンポンピンピンピンピンp(
莉央「やかましいわぁ!!」
朝からインターホンが鳴る音と莉央の五月蝿い声が響く。
莉央は階段を下り、玄関へと向かった。
莉央は高校2年生ながらも一人暮らしだ。
小さい頃に両親を交通事故で亡くしている。
莉央「どちら様でしょうか…………っ!?」
?「よっ、おひさ!」
顔をあげるとそこには中学の時、仲が良かった神崎星奈《かんざきせいな》が笑顔で立っていたのだ。
莉央「え……、せいな!?」
星奈「うぃ~!皆のアイドル星奈ちゃんでっせ☆」
星奈とは高校が変わってから全然会ってなかった。
今は「MeTube」というサイトで動画を投稿していて、そちらの方では結構有名らしい……
活動時の時の名前は“スタをウ”らしい
由来は知らん。
1度星奈の動画を見たことがあるが、
【人間の限界を超えてみせる!】や、
【カラオケのドリンクバー全部混ぜたらおいしいんじゃね?!】
など、馬鹿馬鹿しい動画ばかりだった。
まぁ、そんなことを言ったら星奈に怒られるのだろうが、それはさておき、
莉央「いや、『皆のアイドル星奈ちゃんでっせ』じゃないし!久しぶりに来たと思ったら『ひま?』とか言ってくるし、意味不明なんだけど!?大体、いきなり来てどうしたのさ、予め連絡とかしてよね??」
ハァハァ……
莉央の息があがる
今の台詞はノンブレスだ。
肺活量が素晴らしい。
星奈「いや~、暇だなぁ、とか考えてたら中島ちゃんのことが頭に浮かんで、家から飛んできたって訳よ!」
な、なにそれ
莉央「いきなり来たと思ったら、そんな理由!?なんで私なのよ…」
行動力が凄すぎる、恐るべし星奈……
星奈「まぁ、いいじゃんいいじゃん!寝てたってことはどうせ暇でしょ??」
莉央「いや、まぁそうなんだけどさ……」
図星をつかれる。
星奈「?」
莉央「めんどくs(
星奈「はい!用意してきてくださーい!!」
莉央「チッ」
星奈に遮られ、莉央は舌打ちをする
星奈「あ゛ぁん?」
それに星奈はドスの効いた声で返す。
中学の頃を思い出すなぁ、など考えながら莉央は服を着替えていた。
そういえば 何処に行くか聞いてなかった……
まぁいっか、
いつもより少しだけお洒落をする。
白のシャツ。その上にパーカーを羽織る。
下は黒の短パン。黒いニーハイソックスを履く。
莉央「似合ってるかな…」
鏡の前でボソッと呟いた。
まぁ、着てしまったものは仕方が無い
なんせ脱ぐのがめんどくさい
莉央は極度のめんどくさがり屋だ。
そんなことを考えてる間に時間だけが過ぎていく。
急がなければ!
だがこんな時に限ってスマホが見当たらない。
昨日は確か……あった。
昨日の夜、机の上に置いて寝たのを思い出した。
星奈を待たせているのだ。
急がないと何を言われるか分からない。
テレビが消してあるのを確認し、鍵をもって玄関へ向かう。
靴はパーカーと同じ色のスニーカー
莉央「いってきます。」
と呟いた声は誰もいない家へ木霊していった。
恋しちゃった……? フリーダリ @freedari
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