超楽勝
「うん?」
いきなり現れたオッサンが、俺のポケットから石をスろうとしていた。
「はっ!?」
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしているオッサン。
まさかバレないと思っていたのか?何と言う図々しいオッサンなんだ!!
俺は右ストレートを放つ。
「おおっとぉ!」
後ろに滑るようにバックするオッサン。直撃は避けたか。まあ一発で終わるとか無粋過ぎだしな。
「おうオッサン!!コソドロとスリ紛いの事をしやがって!!」
しかも財布じゃない、この石ころをかっぱらおうとするとか、訳の解らんオッサンだな?欲が無いのか?いや、かっぱらおうとした訳だから欲はあるのか。
「貴方が何故こちらに来られたのですか!?」
オッサンの鼻から少量の血が流れている。右手で鼻血を拭うオッサンは、何か知らんが余程驚いている。
「神崎、このオッサンボケてるのか?」
俺は神崎を呼んだが返事が無い。
周りをキョロキョロと見る。
「あれ?神崎と有馬の姿が見えんな?」
オッサンが現れて、神崎と有馬が姿を消したって事は、オッサンにビビって逃げたのか?
「おうオッサン!!お前が現れたおかげで神崎と有馬がバックレたじゃねーかよ!!死んで詫びろ!!」
八つ当たり気味ではあるが、オッサンに至極ムカついた。
「いや、私が現れたのでは無く、貴方が来られたのですよ!!」
意味不明な事を口走るオッサン。可哀想に、ボケが進行しているんだな。
ならば慈悲の心を以てオッサンに引導を渡すのが情けと言うモノでは無いだろうか?
さっきはムカついたが、今は哀れで仕方無い。
何にせよ、ブチのめす事は確定だがな。
俺はオッサンにツカツカと近寄る。
「…貴方の仕業じゃない…?いずれにせよ、貴方から力付くで奪い取るしか無いんですけどね……」
オッサンの雰囲気が変わった。凄味を増したようだが、まぁ問題は無い。
「さぁて、オッサン。辞世の句は詠んだか?俺は婆さんみたいに甘く無いぜ」
俺は床を蹴ってオッサンの懐に飛び込む。
「速い?以前より増したか?」
オッサンはこの前みたいに天井に避難したが、俺は昨日パワーアップしたので問題は無い。
「うら!!」
オッサンが天井に到達する前に俺の蹴りがオッサンの腹部に当たる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
北嶋さんがいきなり消えた?
「何?何があったの?伯爵に連れて行かれた?」
梓は解りやすいくらい動揺している。
「解らない!どうしよう…」
当然私も動揺した。その時、背後に気配を感じた。咄嗟に振り向く私達。
「やれやれ…つい気になって来てみたが、お前さん達が動揺するとは思わなんだ」
師匠が呆れながら首を振っていた。
「し、師匠?」
「師匠!どうしてここに?」
動揺から驚きに変わる。てっきり師匠は遠くの自宅で『視ている』のだと思っていたからだ。
「伯爵最後の日はライブで見たいじゃろ」
「ライブって師匠…」
「よくそんな言葉をご存知ですね…」
師匠が若者の言葉を使う事に驚いた。
師匠はギロリと私達を睨む。
「そっちかえ!!伯爵最後の日の方に食い付くがいいじゃろうに!!」
成程、それはそうだ。何と言っても、齢三千歳の魔人が今日終わるのは、私達の世界では重要だ。
「えええ!!今日伯爵が終わるんですか!?」
切り札(?)の北嶋さんが不在なのに、伯爵が今日終わると聞いた私は驚愕した。
「で、でも北嶋さんが行方不明になっていますよ!?」
梓も同じ疑問を抱いたようだ。いない、と言う事は伯爵に何かされたと言う事。後手に回ってしまったと言う事。
最悪死んでしまったのかも…
「小僧は伯爵の作った亜空間に行っとるよ。熾天使の御力によってな」
熾天使?あの四大天使の事?
あれは伯爵を逃がさないようにする為の結界なんじゃ……
私達はお互いに顔を向け合い、首を捻る。
「まぁ、本来なら、伯爵を亜空間に送り込み、小僧と対峙させるのが目的じゃったが、伯爵が自ら亜空間を作成した為に小僧を送り込んだ事になるがの。いずれにせよ、四大天使の御力により、伯爵は亜空間から脱出は出来んようになったのじゃ。伯爵の亜空間に結界を被せたようなものじゃからな。後は小僧が倒すのみ。小僧、聞こえるじゃろ!!そちらの世界の物はどれだけ破壊しても構わん!!無論、サン・ジェルマン伯爵もな!!」
言い終えると師匠は宙に梵字のような物を書いた。
バリッと音がしたかと思ったら、1メートル四方のモニターみたいな物が、宙に現れる。
そこにはこちらの世界と同じ光景…北嶋さんの家の廊下と瓜二つの景色が!!
「あっ!!北嶋さんと伯爵!?伯爵がお腹を押さえて踞っている!?」
信じられないと言った表情の梓。
「本当だ…北嶋さんの攻撃がヒットしたんだ!!」
対して私のテンションが上がって来た!!握っていた拳が熱くなる!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いきなり空間に窓?が現れたかと思ったら、婆さんじゃないか?
「婆さん?え?亜空間?え?え?え?」
良く状況が呑み込めないが、神崎と有馬もこちらを見ながらボーッとしている。
どうやら婆さんの術か何かが発動したのだろう。
考えるのも面倒だから、考えないようにした俺だが、一つ、確認したい事があった。
「有馬、風呂と添い寝はぜっっったいに忘れるな!!」
こればかりは確認しないと不安で不安で仕方無い。
『え?ええ………』
有馬が豆鉄砲を喰らったような顔をしていたが、一応了承した。
これで心おきなく戦えると言うものだ。
『北嶋さん!!まだ言ってるの!?』
おっと、神崎が御冠の様子。
無理も無い。有馬と風呂及び添い寝する事は、神崎も心中穏やかでは無いだろう。
仕方無いなと、心優しい俺は、神崎にもフォローを入れる。
「安心しろ。神崎とも風呂と添い寝をしてやるさ」
俺は親指を立てて、神崎に微笑む。
『いらないよっ!!つか必ず勝ちなさいよっ!!負けたらご飯抜きになるからね!!』
ご飯抜きだと!?
そういや腹が減っているな。さっさとオッサンをぶち倒して飯を食うとしようか。
俺はオッサンに言い放つ。
「オッサン、聞いての通りだ。有馬との風呂と添い寝…それと飯の為にオッサンを葬ろう」
オッサンは聞いているのかいないのか、いまだに腹を押さえて踞っている。
「そんなに俺の蹴りが効いたのか?浅かったと思ったが、オッサンの老体には少々酷だったようだな。だが、俺の幸せの為には仕方無い事だ」
オッサンはぐるんと顔を上げて俺を睨む。めっさお怒りの目を向けて。
「……煩悩まみれの若造が……!貴様には生き地獄を味遭わせてくれる……!!」
オッサンが何かやる気になっているが、俺の知った事では無い。
「ふん。それが辞世の句か?」
オッサンに向けて再びパンチを繰り出す。
オッサンは避ける。も、再び鮮血が鼻から吹き出る。
「またか!直撃していない筈だが!?」
困惑するオッサン。
「昨日気功の本を読んで勉強したからな」
俺はオッサンに昨日の勉強の成果を試していたのだ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「そ、そう言えば、昨日気功法とか言う胡散臭い本を読んでいたような……」
「昨日?昨日読んだ本の成果がアレだと言うの?」
梓がかなり驚いている。美人が台無しになる程目を剥いて。
触れていないのにダメージを与えると言う胡散臭い本を実戦して、尚、成功させているなんて俄かに信じられないだろうけど…
「流石小僧!細かい理屈は関係無しじゃな!!」
師匠は愉快そうに笑っているけども。
『小僧!錬金術を極めた私に肉体的なダメージを与える罪は!貴様の命を以て償え!!』
伯爵の掌がキラッと光ったかと思ったらいきなり大爆発を起こした!!
「きゃあああ!北嶋さぁん!!」
「爆発した!?ど、どうして!?」
『大気中の水素を融合させた水素爆弾だ!貴様の存在など肉片も残さん!ハァッハッハッ…ごおっ!?』
高笑いしていた伯爵の頬に、拳が突き刺さる。
『いきなりビックリするだろ!!爆竹鳴らす時は周りに教えてからと習わなかったのか!?』
粉塵が晴れた先には北嶋さんの怒りの形相。そして左拳から血が…あれは伯爵の返り血?
『なっ!?直撃はしなかったにしても、あの熱量でノーダメージとは!?』
伯爵が驚愕していた。口から滴っている血を拭う事も忘れて。
勿論私も、梓も驚いた。ただ、師匠だけはニヤニヤしながらその様を見ている。
「人間はな、触れずしても、そこに何かあると感じたり、近づいて来る物を感じたりする能力が備わっておる。近年では学問化されて研究もされておる。古くは『気』とか言われておるの」
淡々と語り始める師匠。
「当然小僧にもその能力はある。プラス、人間の細胞一つ一つには命令を聞く、出すと言う電流が存在しておる。生体電流と言うヤツじゃが、人体の電流をプラズマに変換し、それが身体中に纏わり付いておる。言うなればナチュラルバリアじゃな」
「き、聞いた事はありますが、水爆の熱量を封じる程のプラズマって…」
梓の疑問は尤もだ。確かに日常生活で支障を来すレベルなんじゃ…
師匠は続ける。
「小僧は集中量でプラズマの量を変化させておるようじゃな。何ともご都合主義なヤツじゃ!!」
愉快そうに師匠が笑っている。
「で、でも、それなら直接攻撃を食らったらヤバいんじゃ…」
直接身体に水爆を当てられたら、バリアどころじゃ無くなってしまう。
師匠はきょとんとし、首を捻る。
「じゃから直接喰らうなと事前に連絡しといたんじゃが…その結果が『気』での感知能力では?昨日読んでいた本も、適当にその手の類いの書籍を読んでおけと指示したんじゃが…はて?小僧から聞いておらなんだか?」
北嶋さんが胡散臭い本を読んでいたのは師匠からの指示だったとは…!!私は聞いていなかったので知らなかった、と言うより胡散臭いと目もくれなかった。
それよりも…
「し、師匠!いつ北嶋さんにそのような指示を?」
私や梓経由じゃなく、北嶋さんに直接連絡を取っていた?いつから?いつもは私達経由で指示するのに?
「伯爵はワシの弟子の動向を探っておったのでな。以前の戦いで小僧は伯爵の対象から外れておったしな。それに…」
師匠は懐から携帯を取り出し、登録リストを私達に見せる。
北嶋さんのアドレスと携帯番号も、師匠のリストに載っていたのだが…
「グループがメル友って…?」
師匠がニカッと笑う。
「ワシと小僧はメル友じゃからな!ガハハハハ!!」
し、仕事関係じゃなくメル友…
私はガックリと膝を落とした。当然梓も。
「尚美、妬くな妬くな!たかがメル友じゃ。それ以上でもそれ以下でもないわ!ガハハハハ!!」
「や、妬いていません…」
妬くとか妬かないとか以前に、仕事関係じゃなくメル友に登録しているとは…
私の身体から力が抜けていくのが解った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
数千年の時を経て来た私だが、このような男は見た事も無い。
「貴方も私や水谷さんと同じ…選ばれた人間…?」
認めたくは無いが、認めよう…久しく私をやる気にさせた男なのだから……!!
「選ばれた人間?誰に選ばれるんだ?」
すっとんきょうな返答だが、これも彼の個性だ。
私は彼の全てを認めよう。
彼の人生に終止符を打つ者として。
さて、どうするか…
物質変換での爆弾は彼の特異体質にて封じられている。
直撃させようにも、体術も並外れな彼に当てるのは難しい。
勿論、私の魂を彼に憑依させる事も無駄だ。彼は私の魂を抜けるのだから。
私は水谷さんを見る。
「水谷さん…大変な男を見つけて来ましたね…」
空間の窓の向こうの水谷さんと目が合う。
水谷さんはニカッと笑う。それは長年の友に向けるような笑顔だった。
『伯爵、もう良いじゃろ。小僧で最後にするがよい』
ふふ…
永き人生、彼にとどめを刺して貰えと?
苦笑する。歴史上最大最強の錬金術師の私に、もう手が無いとでも思っているのか?
私は懐から羊皮紙を取り出した。
『む!力押しで!?』
水谷さんは知っているだろう。私のゴーレムの力を。
人形の御影石に貼り、そのまま地面に落とす。
「む?」
彼がキョトンとしているが、関係無い。どうせ彼には理解が出来ないだろう。
その間にも人形を落としていく。二つ、三つ…
『三体もかえ!?』
水谷さんが驚く。無理も無い。一体…しかも、水谷さんに使用したのは土の人形。
今回は御影石だ。
私の前に、私を護るようにゴーレムが出現した。
「フハハ…ムッシュ!単純な力ならばムッシュも太刀打ち出来ませんねぇ!!」
『小僧!そのゴーレムの動きを止めるには、額に貼られた札の【emeth】の文字の【e】を消す事じゃ!!ストーンゴーレムは力が強いが動きが鈍い!!何とかせい!!』
流石は水谷さん。的確な指示だ。一点を除いては。
私のゴーレムがムッシュに一瞬で詰め寄る。
「むぉ速えぇ!?婆さん話が違うぞ!!動き速ぇじゃねぇか!!」
フハハ!!焦っていますね、愉快愉快!!
彼と対峙して初めて私は優位に立った気がした。
『な、なんと………?』
水谷さんも驚いている。仕方がない。種明かしをしましょうか。
「そのゴーレムは私の魂の欠片を仕込んでいますからね。重量はハンデにはなりませんよ」
ゴーレムに私の分身を憑依させる事により、機動力を高めたのだ。
対水谷さん用に仕込んでいたのだが、まぁ良い。
『くぅ!!』
苦虫を噛み潰すような表情の水谷さん…実に愉快だ。
「おいオッサン!俺の家メチャクチャにすんな!!壁も廊下もぐちゃぐちゃになったじゃねーかよ!!」
三体のゴーレムに囲まれて尚、攻撃を避けるばかりか、文句を言う彼には驚嘆だが。
「ここは亜空間。現実には貴方の家には被害ありませんよ」
質問には優しく応えるのが紳士だ。例え無知な日本人にでも。
「そういや婆さんがそんな事も言っていたな…取り敢えず【e】を消せばいいんだな」
彼がメチャクチャになっている居間からマジックを取り出した。
「フハハ…そのペンで【e】を塗り潰すと?」
並みのゴーレムならば可能かもしれないが、私の魂の欠片が入っている御影石のゴーレム。
更には私の術にて身の丈3メートルにもなっているゴーレムだ。
機動力もウェイトも全てが規格外。果たして近付く事ができるのか?
「手っ取り早く【e】消す為にはだ…」
彼が私のゴーレムに突っ込んで来た。
何と短絡的な。自ら死を選ぶのもいいか…
彼の拳がゴーレムにぶつかる。
「ご自身の拳が砕けますよ」
私の反応はごく当たり前だ。空間の窓でこちらを見ている水谷さんのお弟子さんも、顔を青くしている。
「ん?」
彼が拳を打ち当てたゴーレムの動きが止まった?
ピシッ
「ま、まさか…?」
そんな筈は無い!!御影石のゴーレムだぞ!?最もパワーがあるストーンゴーレムの部類だ!!一体どれ程の硬度があると思っている!?
しかし私の心配は裏切られる事が無かった。
激しい破壊音と共に私のゴーレムが粉砕されたのだから!!
「おお、額に貼っているコレだな」
彼は粉々になったゴーレムの額に貼っている羊皮紙の【emeth】の【e】をマジックで塗り潰す。
途端にゴーレムは砂となった。
「な、何故ストーンゴーレムを破壊出来る!?」
私の驚きも去ることながら、元の空間の水谷さん達も驚いていた。
『な、なんで?なんで石を素手で破壊出来るの?』
『非常識にも程があるわ!!あの人こそ人間なの!?』
『こ、小僧?お主は一体…?』
彼は残り二体のゴーレムも同じように粉砕し、然程苦労していない様子で手をパンパンと叩き、埃を払って言う。
「だから勉強したって言ったろうが?聞いていなかったのかオッサン?」
「べ、勉強…?」
私には何の事かは解らなかったが、水谷さんは心当たりがあった様子…
『な、尚美!小僧が読んでいた本を見せてくれ!!』
お弟子さんの一人が慌てて走ったかと思ったら、一冊の本を持って戻って来た。
私も固唾を飲み込み、水谷さんの見解を待つ。
『こ、小僧…内気功による肉体の鋼鉄化のページに付箋が付いておるが…』
なんだ?内気功?鋼鉄化?
ま、まさか?
私は彼を見据えた。昨日勉強したと言うのは、あの本を読んだと言う意味か?それだけで私のゴーレムを粉砕出来ると言うのか!?
「石より鉄の方が硬いからな」
私の顔色など微塵も気にせず、実に呆気らかんと答えたではないか!!
「う、うああああああ!!!!」
私は『恐怖』と言うのを生まれて初めて感じた。
その『恐怖』が私を短絡的な行動へ誘う。
破られた水素爆弾を再び創ったのだ。
掌に水素を融合させていた私のその掌に!!
「直撃はマズイんだったな。」
彼が右の正拳を合わせて来た!!
銃口に蓋をし、引き金を引くと銃は暴発する。最悪、腕がふっ飛ぶと言う事態になる。彼が行った行動は、まさに銃口に蓋をする行為!!
「わああああああ!!!」
私の右手が肘から無くなった。身体中の血が噴き出したかと思う程、右腕から流れ出る。
「がああああああ!!」
絶叫しながらも自身に語り掛ける私。
落ち着け!!DNAに働きかけ、右手を再生すればいいだけの話だ!!
私が再生を試みているその時、私の顔面に彼の右正拳が当たった!!
「ぶほっ!」
鼻が折れ、血が吹き出る!!
「これは婆さんの弟子の分だな」
ピシッ
彼が言い終えたと同時に、何かヒビが入ったような音がした。
『こ、小僧……!!』
水谷さんが感激していた。
更に彼は左拳を私の腹に当てる。私は堪らず踞る。
「有馬の親父の仇の分…!!」
ピシピシッ
まただ…何の音だ?
『き、北嶋さん…』
あのお嬢さんもやはり感激していた。
崩れている私に蹴りを乱打する。
「ぐ!ぐっ!!ごはっ!!」
「これは有馬との風呂と添い寝の分だ!!」
ピシピシピシッ
ふ、風呂と添い寝?そ、そんな物の為に私は……
掠れて良く見えない瞳が私を更に驚愕させた。
「わ…私の創った亜空間が…ひ、ヒビが入って割れようとしている………!?」
フラフラになりながら、私は私の創った亜空間に背中を預け、現実を直視していた…!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます