End thema-Life
そこには、最初からの意思があって
僕らは最初から組み込まれていて
流れは純粋さを失いながら加速していく
そして、混ざり合い
完成された純粋さを求め
静止へと向かう
ひとつひとつの破片を拾い集めているような
此処と其処を切り分けていくような
身体の縁をなぞるような
僕と貴方のような
―-最初からこうであると決まっていたわけではない
僕はそのことを知っている
―-こうして終わり行くことが定められていた
私は、そんなこと知りたくなかった
果てしなく凍った森が連なる世界に夢を見る
焼き尽くされた荒野に、それでもなお希望を重ねる
悲しみのない世界などないのだと
誰かが歌う
どのような返答が望ましいだろう
それでもなお悲しい。つまり、僕たちは生きている
それは幸福なことだ
おそらく
―-僕は生きている。だからこうして此処へいる
―-私は死んでいく それでも、こうして此処へいる
蠢く一個の生命体のような都会の底に失望し
打ち捨てられた廃墟にも似た寒村に滅びを見る
寄せ返す波に行く先などないのだと
誰かが歌う
繰り返し、繰り返す。けれどいつか、変わる
繰り返しの絶たれるその日も、必ず。けれど
それは悲しいことでもなんでもない
最初から分かっていたことなのだ
流れは純粋さを失いながら、それでも、加速していく
あらゆるものが全てを「なくして」いく
あらゆるものが全てに気づいていく
薄暗い「底」から
うつろなる「個々」から
どこかへ
混ざり合う
完成されていく
真にあるべき姿を求め始める
そして
確かな純粋さを抱き
静止へと向かう
気が付くとそこは花の咲く大地だった
赤くゆれる花
白い世界
誰だかは知らない、けれど知っている誰かがそこにいて
僕を迎える
そのうちに僕もまたこうして誰かを迎え入れるのかもしれない
そんな気がした
花は生まれ育ち、咲き、そして枯れる
世界はめぐり、時は流れる
朝が来て、夜が来る
季節がめぐり
全ては加速していく
そして、一点を目指し、収束していく
僕がいなくても
私がいなくても
最初からの意思があるのだ
流れ
生まれ、消える
揺らぐ
乱れる
流れていく
そして、
静止へと向かう
風があまりにもやさしく
僕らを撫でていった
此処は何処だろう
全てのあり方を覆す疑問だ
鳥が空を翻り
見上げた僕らは生きていて
終わりを知りながら、それでもなお
永遠を唄い、求めている
意思の定めたとおりに
結末はやってくる
純粋さを求めた減速はおおよそ規定の範囲を超えずに
僕らは消える
終わり
僕は死んでいく だからこうして 此処へいる
私は生きている それでも、いずれは其処へ行く
何かにすがり
誰かにすがられて
そして、再びこの世界の流れに組み込まれるのだ
そこには最初からの意思があって
僕らは最初から組み込まれていて
それすらもまた一つの意思であり流れであることにすら気が付きながら
ずっと、何処までも
僕らは、形をかえ
有り方を変え
それでも在り続ける
生きていく
純粋な静止 何処にもない真実 此処に在る事実
それでもなお、僕らは
Glorious World Part.1 -World is beautiful 北原 亜稀人 @kitaharakito_neyers
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