喪服をまとい、死者をあるべき場所へと導く“葬儀屋”……死者でありながら意識と役目を持つ彼らの物語。斜芭萌葱様の描く“葬儀屋”達のお話には生者と死者との間に決定的な垣根があります。その断絶を距離で測ることはおそらくできないのでしょう。
けれど、死者には死者同士の距離がある。
2人のはずが3人の、わずかに歪な相棒関係。死者と相対していくうちにそれがどう変化していくのか、3人の間を隔てる距離がどうなっていくのか、それを静かに語るお話。
読み心地のいい文章と深く浸透する物語は何度も読み返したくなる素敵さです。