【弥助問題】パリが大炎上で霞んでしまうけど…

 弥助の身分を「ただの荷物持ち」から無理にでも昇格させようとすると、日本史の方をイジり回さないといけなくなって、それでロックリー氏などは苦心の末に、日本に不名誉な「黒人奴隷貿易発祥の地」という濡れ衣を着せる真似をしてしまうことになったと思うんだけど、それをフィクション小説として売っても売れなかったから、学術書の体にして「真実です」とか言って売ったんだろ?


 そしたら飛ぶように売れたわけよ。それは、みたいな内容が、「事実」だと言われたからだよ。びっくりして買う人がたくさん出たわけだ。(本当にクソッタレなことしてくれたよ、彼は。てか、誰が唆したんだよ、ホントによぉ!)


 どういうやり口でどういう濡れ衣を日本に着せていたかはもう散々書いたから割愛するけど、なんでこの本がフィクションだと売れなかったかを考えるよ。


 ロックリー氏もどうせWokeな人なんだろうさ、たぶんね。論理より感情を優先するタイプの人なんだろう、だからという、論理派の人間なら当然にやる行程がすっ飛ばされたんだと思うよ。感情派の人間にはそういう傾向が顕著だからね。黒人側からしか見ず、日本人側から見るのを忘れたんだろう。…忘れただけと想うよ、そこにまで悪意あるなら帰化なんかしないだろう。


 要するに片手落ちなんだわ。しかも歴史を扱う場合は「立つべき立場」というのは複数になるのが当たり前で、出来れば登場人物全員の立場に一度は立ってみないと、ちゃんと整合性の取れた話にならないんだよ。片手落ち物語になる。(Wokeボケしたクリエイターの言い分ってだいたいそうだろ?)


 読者や視聴者というのは、もう目が肥えてる人も多いんだよ、世の中の少なくとも半数は「論理派」なんだからさ。その人たちは当たり前に「それぞれの立場に立つ」という見方で物事を見るんだから、感情派の作った片手落ちな作品の片手落ちな部分に気付かないわけがないんだ。


 だから、ここ数年のディズニー作品なんかは大爆死してたんだよ。別に黒人のゴリ押しだけが原因なんかじゃねーわ。質が劣化しまくってたせいだよ。さらにはそのことを反省するでもなく、責任転嫁の殉教者気取りでスルーし続けてたんだから、そりゃ失敗続きだわ激怒されるわになるのは解りきったことよな。今のパリオリンピックもほぼそうでしょ。


 オマケにWokeの思想の、「差別があった視点で見るのは止めよう!」なんてのは、過去を無かったことにした「タラレバ」の、調子の良い妄想話でしかない。


 今、Wokeってのはウォークイズムと呼ばれ、意識高い系資本主義とか言われてさ、「社会正義の仮面をかぶった新自由主義」とか言われてるんだってさ。んでも、今起きてる問題ってのはリベラリズムとはまったく別モノなんじゃない?


 むしろ共産革命とかフランス革命とかの推進力になった「革命という暴力で何とかしようぜ!主義」と言うべきかと。(笑



 とにかく力ずくで、暴力に訴えて、弾圧を使って、自分たちが信じる「正しい道筋」へ人々を強制的に従わせよう、という思考でしかないからこれは何と呼ぶべき?


 確かに差別の問題はさ、どうやっても解決の糸口が見つからないし、「無理にでも是正したら意識は後から付いてくるだろう」みたいなヤケっぱちな政策に走りたくなるのも解るけど、それって結局、その試みに便乗した金儲け主義の活動家に食い荒らされただけだったよね? て。


 失敗に終わったことを認めないといけない時期にきたから、欧米の最大手といえる企業たちが手を引き始めてるんだと思うよ。政治としては何とかしようとしたんだよ。だけど、活動屋のメシのタネにされて失敗したんだわ。(経済の神さまみたいな立ち位置の人が、これを預言してたわ。テロリストの次の人類の敵は活動家だ、て)


 ロックリー氏の本は、色んな人が言及してるけど、「なろうストーリー」だというのが正鵠を射る意見とされてるよね。


 まず、揶揄する時の「なろうストーリー」という言葉の意味は「刺激は強いけどすぐ味が消えるガム」のことで、本来的に読者が求めてて喜ばれるモノは「噛めば噛むほど味が出るスルメ」なのですな。ここ大事。


 揶揄の時の「なろうストーリー」はガムで、具体的に言えば「主人公の過剰な持ち上げ」「派手なイベントの多用」「理解のしやすさ」などで、ロックリー氏の著書で言えば弥助の大活躍とかがすべてこれ。どこで戦った、神と崇めた、黒人部隊六千人いた、みたいになってるけど史実ですとか言わなかったら需要無かったよ、これ。


 だって、こういうガム式のストーリーはハリウッドからアマチュア制作まで溢れ返ってるもん。より刺激の強いものになっていくし。表層的ってコトです。


 これが、歴史的に正確な範囲だけに限定した上での推論ならまた違ったの。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る