【弥助問題】国家レベルの関係各所、穏便な着地点探る…

 モザンビークとかブラジルとか、国家機関が関係してしまってるんで今さらぜんぶチャラというわけにはいかない。ちょっとしたリップサービスでした、と言うのも日本が大ダメージを被るから絶対ダメ。


 弥助は「無能なただの荷物持ち」で決着するのは絶対にダメだってこと、日本の反UBIの人らは、解らないだけでなく猛反発するだろうね。


 Woke憎し、UBI憎し、SBI憎しで、日本勢が日本史を歪めるかのような「決めつけ」を行おうとしてるのがちょっといただけない流れやわ。



 何度でも書くけど、弥助に関する記述はものすごく少ない。イエズス会側の史料と合わせても2ページほどしかない。日本側だとものの数行だ。しかも当時に書かれたのはたった一行で、信長公記の方は百年近く経ってからの写本版でのものだ。


 でも、写本版でなぜわざわざ思い出して書かねばならなかったのか、という謎も残っている。秀吉の世が終わったからというのが大きいというのが私の個人的見解だけど、それもただの推測だわ。


 言えることは、数行しか記録がない人物だけどそこには何かありそうな人物、ということだよ。これだけでもう「ただの荷物持ち」だけじゃ済まないことは明白だ。


 この騒動が起きてからずっと言ってるわ、「弥助については【解らない】が正解だ」って。あらゆる面で考えて、解らないとしか言いようがないんだよ。史料が少ないことも合わせて【解らない】なんだって。


 信長の傍に常に控えていた人物なら小姓の役職となるのだろうけど、それはありえないことなんだよね、本来は。日本の武家階級のしきたりというものを無視していたから、「いずれ殿様になる」とかの揶揄が聞こえたとも言える。あれ、揶揄なんだってのは海外の人に伝わるんだろうかね。


 でも、そんな揶揄が聞こえたというのは、逆に、本当に信長の傍に常に控えていたことの証左ともなるわけで、この推論は成立するよね?


 だけど、だからと言って小姓の階級にあったことにはならないんだよ。小姓というのは家柄が大事な役職だから、それを破れば他の家臣の反感はもの凄いものになるし、リクルートされてしまうだろう、てのは別の記事でも書いたわ。まず、当時の信長は必ずしも絶対的な権力者なんかじゃない、て前提も説明が要るのかねぇ。


 また、これは織田家に限ったコトじゃないから、ということね。しきたり無視の大名など家臣に謀反を起こされて滅んでる、てことですわ。


 ここらへんの武家階級のしきたりから、弥助の解説には必要ですってのを海外に伝播していかんとアカンのが、けっこう遠い目になっちゃうね…


 日本は…絶対王政なんかじゃないのよぉ~…て。




 弥助がどれほど優秀な人物であったとしても、信長にどれほど信頼されて、寵愛されたとしても、武家のしきたりというものに阻まれるから、いきなり大出世などということはあり得ません。弥助の配下になる武士たちがブチキレ散らかすわな。


 これは、よく比較に上がる三浦按針でも、あるいは立身出世のモデルケースである豊臣秀吉でも、武家の階級という階段は順番に一段ずつしか上がれません、てこと。


 だから弥助は、武家の階段の一段目には登っていただろうか、という辺りが焦点になりますわな。(あ、大人の階段のーぼるー♪ 曲がいきなり…)


 だからこそ、ロックリー氏は苦肉の策で、「弥助は神と崇められた」なんて一行を書き足したんだろうさ。そんなワケがあるか。日本の漫画アニメで日本人がどんだけ神殺しをしてきたと思ってるんだ。一神教の感覚とは違って、日本人は神に跪いたりしないんだよ。



 英語だと、この武家の階段ぜんぶ纏めて「SAMURAI」だから、日本人との間で齟齬が起きてました、て感じ?




追記:

 武家の階級ってナンボあると思う? 私も把握してねぇわ、でも何十段とあるよ。

 以下、「SAMURAI」の内訳ね。


 一番下が…て言って、この一番下も解らんのよな。中間、足軽、馬廻り、…色々ありすぎてぜんぜん覚えきらんし。時代でも違うし。階級はざっくり大きく三つに分かれたヤツがポピュラーで、「大名」「旗本」「家人」になるって感じだけど、あまりにざっくりし過ぎでまったく今回のケースとかだと役に立たんって。(笑


 弥助は大名ではない、てのは良識を持ってる人なら外国の方でも解ると思うんだけど、旗本となるとゴネそうだな、て感じよな。それもありえないんだけど、ありえないと説明すんのが難しい。


 大名ってのが一万石以上のお目見え武士のことで、それに対して小名ってのがあって、こっちが一万石以下のお目見え武士で旗本のこと。この一万石って、ざっくり言うと一万人の部下を養えるって意味ね。旗本もありえねぇ、ての解るでしょ、て。


 石高は時代で変動するし。で、お目見えの資格を持たない武士が御家人ってなってる。この家人ってのまでが「侍」になるんだけど、家人の役職がまた下級官吏まで含まれるんで、下級のそこまで行くと侍には入らなくなるんで、面倒なんだよね。武士と侍は厳密には違う、ていう。


 大名は城持ちで、城までいかない陣屋だと小名で旗本、とかの括りもあって、ぐっちゃぐちゃ。将軍にお目見え出来ることが一つの区切りで、家人ってのはお目見えでない武士階級だけど、大大名とかでの家人ってのがまた面倒臭いっていうね。


 織田家、武田家、色々あってそれぞれの家中でも違ってたりとかするから、かなりアバウトなんよな。歴史研究家でも意見分かれるくらいワケワカメなんだから、外国人が偉そうにグダグダ言うんじゃねぇ、て感じだわ。ホンマ。なにが「日本人より我々の方が日本の歴史に詳しい」だ、今、どんな顔してるだろうかね?


 だから弥助が「侍」かどうかと言われれば、そんなわけがあるか、としか言えないんだよ。侍ってのは下級官吏はさすがに含まないし、弥助が上級官吏の役職であったとは到底考えられないから。武家のしきたり無視した大出世なんぞない。


 でも、英語だと「侍」も「武士」もなんなら「士族」というだけの、階級全体でも「SAMURAI」とひと括りだから、「弥助はSAMURAI」だったら成立するね、て。


 内訳は説明したし。SAMURAIの内訳の、どこかには入るだろうよ、て意味ね。

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