「セクシー田中さん」推論だけど、本当に行き違いの気が…

 日テレの、炎上したコメントなんだけど、あれ「本当のこと書いただけ」の気がしてきた。件の文面を上げてみるね。(要らんトコは省く)


『日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら、脚本を決定原稿とし、放送しております。』


 重要なトコ、てんてん付けといた。


 で、芦原先生の事情説明のブログからも抜き出してみるけど、まずこのブログの文面をきちんと読めば解ることとして、先生は本当にコトを荒立てるのではなく、文章で書いている、という点がとても重要だと思う。(あまりに長いので抜き出せないんだけど…なんとか)


『色々と悩んだのですが、今回のドラマ化で、私が9話10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情を、きちんとお伝えした方が良いのではと思い至りました。』


 いきなり冒頭からこういう文章になってるんですが、これは910という特殊な事情を持つ人間に対しての応答になっている。てコトは制作関係者に向けた文章ではない。


 それと、小学館側の対応だが、これもこのブログに書かれてある。


『その後も、大幅な改変がされたプロットや脚本が提出され、それを小学館サイドが「当初の約束通りに」と日本テレビさんにお戻しするという作業が数回繰り返されたと聞いています。』


 かなりはっきりと小学館サイドに落ち度がないことは生前に書かれている。

 腑に落ちない文章はこのブログ内にもある。


『最終的に、日本テレビのプロデューサーの方から「一度そのまま書くように」との指示が出たとも伺っていましたが、状況は変わらぬまま約4週間が過ぎてしまいました。』


『当初の条件としてお伝えしていた通り、「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」に交代していただきたいと、正式に小学館を通じてお願いしました。』→これがそのまま芦原先生のネーム状態のまま、演技され、放送された模様。


 プロデューサーも「一度そのまま書くように」と指示したことが明かされる。が。


 ……代役の脚本家はどうして用意しなかったの?

(放送記録にある脚本家名は芦原先生だけだった)


 芦原先生のこのブログ文章、かなりソフトに言葉を選んであり、伏せられた事情がまだあると見える。結果的には再び、脚本として成立するよう日本テレビに差し戻して調整してもらって、とあるのに、局の発表では伏せられているのはなぜ?


『プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、という解決策となりました。』


 先生はネームを日本テレビに差し戻し相手サイドで脚本にすることを頼んでいる。



 そして、遺族の方のコメントにも制作関係者以外の不特定多数から受けたと思えるPTSDっぽい訴えが入っていた。そして極めつけは、訃報の前のポスト。


『攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい』




 あくまで私の推測だけど、芦原先生が上げたブログの長文を、んじゃないかと睨んでいる。


 丁寧に説明して、それをまったく読みもしないヤツがいたら堪えるんだよね。


 テレビ局各社が今、「誹謗中傷は止めてください、」て言ってて、ネットリンチがこの件の直接原因だと言いたげなの、実は正解なんじゃないのか、という気がしてる。ただ、遠因は自分たちテレビの古い体質なので、歯切れは悪いよね。



 この、原作者である芦原先生サイドに見られた誹謗中傷コメントの数々、晒してしまった方が解決が早いとか、ふと考えてしまったけど、職業繋がりのプロとかも芋づるで引きずり出されてしまうから無理なんだろね。




 またネットリンチだったのかなぁ。

 芦原先生が、作家協会とかに相談することをすぐに頭に浮かべられるように、協会とかあるいは出版社が、もっと断固とした手段を匂わせるということに積極性を持たねばならないのかも。情報開示請求とか法的手段に訴える、という脅しは、コトが起きた後では意味がない。普段から厳しさを見せつけておいてこそ、だと思う。


 でも、例えば小学館が常に「作家にネットトラブルがあれば即日法的手段に訴えるので」と堂々宣言していたとしても、この手の問題が抑えられただろうか、とも思う。集団には色々な人間がいるし、人は先を読んで行動など出来ない。


 自由に開かれたインターネット、何でも言っていい空間が理想ではあるけどね。


 たった独りで追い詰められていった事が最悪の結果を生んだのなら、今後どうすれば孤立化を防げるかを考えるべきなのかも知れない。ネットの暴力に独りで立ち向かうのは無理なんだ。だいたい、徒党を組んでくるものだもの。



 赤松議員が声明を発表しているけど、ひとつ考え違いをしていると思う。


 赤松先生、原作付きの作品のメディアミックスは、どう言葉を変えようが「二次創作」です。脚本家がオリジナリティを発揮することを主眼にするなら、オリジナルでやるべきです。「二次創作」だという意識を徹底するべきです。今どきの中高生ですら、同人活動などでしっかり意識を育んでいます。脚本家が育つ環境ではどのように教えているんでしょうか。


 ドラマ制作の現場がおカネが掛かりすぎるようになったから、それは言い訳です。



 あと、脚本家の相沢氏だけど……。たぶん「大物脚本家」の立場だったと思うんだよね、それで忖度が働いていて、だから本当に原作者サイドの条件云々を正確に知らされていなかった可能性があるな、と思ってる。両者の間で辻褄合わせの適当な嘘を吐いて、片方には「ワガママな原作者がー、」もう片方には「ワガママな大物脚本家が-」とかって……まるで漫画みたいな裏舞台だったりするかも知れないなと思う。


 お二人をひとつ部屋に二人きりにして、どういう色をつけるか相談させたら良かったのにと、やっぱりそう思うよ。ドラマにはドシロウトとか思わず、面倒でもドラマの事情を1から説明してさ、そりゃ創作者ならそういうオイシイ話は門前払いになんかしやしないの解りきってるのに。て。ドラマ制作の裏事情とか、喰い気味で傾聴すると思うけどなぁ。(いや、監督・脚本と作者・編集の二対二か。焼肉でも食いながらダラダラと創作論ぶったりしたら良かったのに…)


 原作者がこんなにリテイク言ってくるのに脚本家も察しが悪いのなんか変、とかいうイメージも密やかに流れてるけど、色んな漫画家さんが自分もやられたて告白してるじゃないの、常態化してたんだよ。出版社もなんか言っても無駄だから一応文句言うけど暖簾に腕押しだなぁ、て感じで半ば諦めてたのかも知れない。ズルズル麻痺していくの、日本国で長くインフレでもズルズル慣れたのと一緒だよ。


 なんかもう、もう、モヤモヤが止まらない。

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