「キャットコーリング」とか「アニー」観た感想とか。

 ミュージカルの映画化、「アニー」を観たんだよね。その中に、孤児であるアニーたちが、養母と騒がしく過ごす日々ってのが最初に映し出されるんだけど…


 貧困層が、貧困ゆえに育児放棄に繋がった際の被害者児童の、社会福祉的尻拭いまでやらされる社会システムなわけか。てな感じに思ったりした。金持ちはさ、だいたいカネ出しただけで何かやった気になってさ、カネも大事だけど実際に育てる労力はあんま負担しようとかは言わないよね、とか思ったりね。


 まぁ、アニー観て思った疑問はまぁ、そんなトコ。


 あとは、うん。フツーに面白かった。うん。



 あとね、これはフェミさん関連の動画で取り上げていた「キャットコーリング」系の話で感じたことだけど、いわゆるナンパね、道歩いててキレーなお姉さん見かけて声かけちゃうとかの、アレがセクハラになるとかいう話題を見て感じたこと。


 世界的に先進国ほど少子化傾向とか独身率が問題なのも仕方ないね、て。


 キャットコーリングが悪だ、その影響でレイプが生まれるかも知れないだろ、とか言うとさ、それこそ、萌え絵は悪だ、その影響で…ていうあのクソ理論と同じなんだけど。


 バカばっかり。とか、本当にこういう傲慢な思考が嫌でも回ってしまって本当に嫌だよね。キャットコーリングも、潔癖マザーが「ケシカランざます!」てヒステリックでカソリック的な、己のみの宗教観で、汚らしい、穢らわしい、てバカ騒ぎしてるだけじゃん。


 ナンパで声かけるのがレイプの一因である、なんて…あまりにバカらしくて開いた口が塞がらんわ。レイプってのは、純然と本人だけの意志だ。レイプを決行するための理由付けに利用しただけなんだから、それがなきゃ別のモノをチョイスするだけなんだよ、レイプするヤツなんてのは。まんまと丸め込まれてどーすんだよ。


 それが海外だと愚かなことに、法律にまでなって、それでなくても少なくなった男女の接触機会をさらに減らしてるんだってさ。バカみたい。


 世の中、出会いがないとか、異性と話す機会もないとか、男女ともに奥手な人間が増えてるのに、そういう人間にとっての数少ない異性との接触機会ってのがこういうヤツなわけよ。ナンパされるって、風邪の菌が飛んでくるよーなモンなのっ。免疫を自ら下げるのみでなく、無菌室に隔離ってか。バカバカしい。


 気軽に声をかけることさえ禁じられて、それでどうやって異性と知り合うんだよ。ママかパパが見繕ってくれるのを待つのか? それって、巡り巡っては選択肢を狭められた環境ってことになって、社会からの抑圧って状況そのものじゃないか?


 イスラム世界なんかの、ヒジャブで姿を隠せ、とかと何が違うんだか。


 

 ナンパの声掛けってのが、そもそもで二種類あるんだよね、これ。


 犯罪目的の誘い口としてのコーリングと、純粋にナンパのためのコーリングとで。たぶん、最初は純粋にナンパ目的だけだったのが、世の常ってヤツで悪用するヤツに目をつけられて、犯罪目的のコーリングが増えたってとこだよ。


 だけど、これ、禁止したら解決するってことにはならんでしょ。むしろ、犯罪に対しては敗北の姿勢にしかなってないよね?


 コーリング禁止にしても、犯罪目的の方が別の何かに移っていくだけで、それどころか原因追及の時点では間違った結論出してるんだから、犯罪側は自信をつけるよ。自分らが責められたわけじゃない、自分らの言い訳が通って「しめしめ」てなモンで、逆に調子に乗るだけじゃね? これ。



「罪を憎んで人を憎まず」て言葉があるけど、解釈間違い起こしてる人が多数なんじゃないかと思うんだよね、最近は特に。これは特殊ケースに当てはめて、例外扱いするための方便でしょ。致し方なしな犯罪に対してしか使わない言葉なんよ。


 犯人の背景に犯罪に走った原因がある、悪いのはソレ、てのは短絡だと思うのな。


 例えばレイプ犯がレイプを決行する課程には、「レイプに当たるかも知れない」てシグナルが必ず一度は点滅するよね? 脊髄反射してる犯人以外はだいたい。


 このシグナルを切るための工程ってのが、正当化の屁理屈という形で、それを作り上げる材料の一つに使われたと解釈するべきだよ。初犯とか、慣れが出来る前には、人は何かをする際には動機付けが必要なんよ、犯罪に限らずたいていのコトは。


 レイプ犯の場合は、相手と性行為したいという欲求がまずあるでしょ。その時点では方法は絞られてないでしょ、そこから思考が始まって、最終的に採用した方法が「レイプ」なわけだよね?


 あるいはその前に、「ストレス緩和の代替え行為」ってケースもあって、それだと目的は性行為でも相手に対する要求でもなく、その前段階ですでにあった何かが原因で、こうなると性行為自体が選択肢の一つだったに過ぎなくなるってことな。


 レイプに至るまでに延々とこの試行錯誤の手法選択ってのが続いて、選択肢のゲームやるのと同じように、その時に取れる選択肢を選んでいって、どっかの時点で「レイプ」が選択されるわけだけど、これ選ぶ際に、セーフティーも同時に考えてたりするよね、思考ってだいたい一度に三つ四つ絡めて考えるもんだし、それはマニュアルになっていったりするわけよな、他の色んな行動の際の手際も参考にされるから。


 なんかの言葉で、「言葉に気を付けなさい、それは思考になるから。思考に気を付けなさい、それは行動になるから。」みたいな標語かな?そんなんがあったと思うけど、まさにアレだよね。


 でだ、外部の人間が間違った解釈しちまうと、それは犯罪者の中で、成功体験として、同じ犯罪予備軍の中でさえも、共有されちまうわけだよ。「犯人本人のせいじゃなくて、社会のセクハラ寛容が悪い」みたいな。しめしめ、じゃん?


 影響力って、絵画とか創作物に影響力があるってのは確かにそうだけど、その内訳はってと、社会がどう解釈したかが共有される、と解釈すべきだと思う。


 悪を礼賛する創作物を社会も礼賛したなら、その反応を参考にされちまうってことで、これが間違った価値観を生み出しそうなら反対の価値観の礼賛をもって相殺するのが望ましいはずなんよ。


 それは違う形の手法で対抗してもいいんだから、だから数々の社会運動とか啓蒙運動って形が取られたりするわけでさ。ダイレクトに、どう悪いのか解説するっていう手法だよね。


 だけど、規制や自粛を求めるなんてのは、これは悪の概念だから広めたらアカンやろ、と常々書き続けてるわけよ。同様に世間からも非難が起きて、それは弾圧と呼ばれる悪の概念だと知らしめる、逆方向の運動で巻き返してるわけでしょ。


 創作物にレイプシーンがあったとして、それを社会が礼賛するのが問題だと思えば、同じ創作物においてレイプがまったく礼賛に値しないという訴えをテーマとするモノをぶつけていけばいいわけで、今の世の中は、それに関してはだいたいにおいて出来てるよね?


 レイプ礼賛も、アンチレイプ礼賛も、等しく存在できる。これが多様性の機能した世界であり、表現の自由という基本の人権が守られた世界だよ。


 レイプ礼賛の作品を観てどう感じるか、経験値が少ないといきなり礼賛に染まったりしかねないから、そういう意味ではとても危険だ。だから、年齢制限というもので隔離する必要があると認められるんだと、そう思うけどね。(それでもパンチラはレイプではないよね?)


(セクシーな構図がレイプを喚起するとか言うのなら、この世のありとあらゆるセクシー系を等しく非難してから言ってくれ。例外とか線引きとかするなよ、セクシーとレイプの因果関係が数値で示されない以上は、どの程度の影響力がどの範囲で及ぶかも知れないんだから、予防措置を言うなら「全面禁止」一択なんだよ。そうでないから、「恣意的だ」「特権が欲しいんだ」「差別だ」言われるんだ。ファッションから職業から何から何まで、禁止項目が及んでいかねばおかしい。ロックダウンだ。)




 実際にレイプをする犯罪者も、レイプを礼賛する社会も、例えばAという作品がなければまったく別のトコからBをチョイスして実行したり礼賛するだけなんよ。


 それは、社会にはすでに素地が出来上がっているからAやBという作品が出て来ただけで、それを言い訳に使うレイプ犯も、自分の中にはとっくに固まった行動理念としての素地があって、利用できそうだから利用したに過ぎないってことだよ。


 AやBに対して批判してくのは結構なことだけど、そういう反発の意見を世に知らしめることは必要だけど、それは同時にこのような構造を知った上で、レイプ犯自身に向けてや予備軍に向けて、社会にある素地に向けても、同時に批判展開しなきゃ、片手落ちばっかり目立って誰も賛同してくれないって。


 おまけに規制や自粛を求めだしたりなんかしたら、「何様だ!」てなるの、当たり前だろ、それは弾圧だって皆何度も言ってるよ。さらに身内は例外扱いするし~?




 フェミさんたちさぁ、対立軸の置き方がヘンだと思うんよ。


「悪い男女/善男善女」でしょ、これたぶん何でもそうなんだけどさ。

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