【小説ネタ】プレゼンのベスト効率を考えると履歴書かも知れない…

 こんだけ作品が溢れかえるとさ、私はいち読者として不満が爆発しそうな時が割としょっちゅうあるのね。本屋の本棚の前でもウェブのランキングの前でも。


 もっと効率よく、自分の読みたいと思える本を見つけたい。そう思うんだよ、もうタイトルとあらすじ読み進めてくだけでも負担感じて、そそくさと離れてしまうことも多いから。


 世の中がインスタントになるにつれ、こういう選択の時間が苦痛に感じるようになっちゃってダメだね。あらすじの数百文字でさえ、棘でコメント読むより文字数あるんだもん。棘ならクソコメは飛ばせるのに、て。そんで肝心の、欲しい情報はない。


 今、ネット全盛期になって、捜し物のやり方も大きく変わったじゃないですか。


 検索って手法が出来て、キーワードで求めるようになったよね。だけど、私もなんだけど、これをちゃんと考えてる人ばかりじゃないってことかな、と。


 テンプレがすごく強いのって、たぶん、検索っていう機能を最大限に活用できるフィールドにあるからってのも理由の一つと思うんよ。検索ワードさえも、各種テンプレから選ぶだけ、みたいになってない?


 テンプレの界隈だと、作る側も探す側も、検索でのルールが浸透してんのよな。例えば「俺TUEEE」を探してる人は、そうキーワードを打って検索かけるし、書く側もちゃんと俺TUEEEの定義に収まるものを作ってるわけよ。この構造、強いよ?


 これだと、検索でワード以外のものが引っ掛かってくることは少ないよね。しかも、この時点で大きく絞られてる。これが「恋愛」とかだと、色んなタイプがごちゃ混ぜだよ。恋愛ってもピンキリあるし、ヘタすりゃ別のジャンルの恋愛要素のがピタリと好みに嵌まっていたなんてことさえあるわけでさ。


「俺TUEEE」をもっと検索ワードで分解してみたら解る。「主役最強」「失敗ナシ」「挫折ナシ」「努力ナシ」「圧倒的安心感」「必ず勝つ」…あたりですか? たぶん、もっと色んな要素がコミコミセットになってのこのお値段!て感じよな。


 お約束ってヤツだよね、「モテモテ」とかも入ってる? 今、ほんとにラノベとかまったく読まなくなって傾向が古くさいのからアップデートしとらんのだけどさ。


 泥臭い展開や不利な場面が少なくて、とにかくストレスの掛かるシーンを極力削って話を進めるようにしてあるってことが、お約束として「パッケージ」されてるから、こういうのを条件付けで持ってる人は、検索機能で絞り込まなくても、そこまではサクッと絞ったグループとして、見つけられるんだよね。



 でさ、以前は私も、どうしてテンプレばっか人気なんだよ、とか腐ってた時期があったけどさ、だけど世界的大ブームになった「鬼滅の刃」なんかはテンプレじゃないでしょ? あれを分類したとして、まずテンプレには入らないじゃん。


 てことは、テンプレ以外の作品にも需要はあるわけよ。ただ、作品はごちゃ混ぜで溢れかえっている。そんでテンプレは検索の便利さが飛び抜けている、と思う。「似たような作品ばっかり!」と批判側がよく言うフレーズ、これは、逆に取ればそれだけジャンルとしてしっかり基準が守られているってことなんだよね。


 だから、探してる方からすれば、探しやすい。


 テンプレ以外を探してると、本当に検索で躓くんだわ。



 だからさ、それなら検索に対処したら必然的にテンプレ群とももう少し戦いが出来るんじゃね? て思ったわけよ。テンプレ探すのと同じくらいの労力で済むように、検索の工夫をすれば、て。


 でさ、自分が探す時は、何を条件にしてるだろうかって考えてみたよ。


 まず「ミステリー」だけど、あまりに範囲が大きすぎてほとんど機能しないことは解ってる。「本格」と入れても、私基準で「どこが本格だっ」て感じのが五割は入ってる。「トリック」も同じく。…だいたいここら辺で嫌気が差して終了する。(笑


 謎解きの好みから入るのを断念して、それじゃあとキャラ造形で検索かけようとすると、今度は「性格」に該当する検索ワードでは作品の方が引っ掛かってこない。


 腐女子の二次創作界隈なんかだと、こういう時の検索ワードは整備されてたもんだったんだよ…(遠い目)


「俺様主人公」とか「甘やかし系」とかの、いわゆる「タグ」とか呼ばれていた(今でもそう?)ヤツがものすごく充実してたからね、性癖ピタリで作品を探せるわけですよ、たぶん、テンプレ以外の作品群に足りてないのはソレかな、と。


 今、巷では「テンプレ」「BL」が二大巨頭状態だけど、これ、ネット時代だから検索性能でこうなった部分も大きいと思うんだわ。


 ちゃんと、求める人の元へ届くことが肝心なのな。



 読み手として、私が検索を掛ける時に絞り込みたい要素って、ストーリー展開じゃないんだよね。ストーリーがどう転ぶかって、正直、コダワリなんかないじゃないですか。バッドエンドは嫌だとか、ハーレムは嫌だとか、だいたいは要素じゃない?


 あらすじを読む前に、要素でまず振り落としをさせて欲しい、てのが浮かんだんだよね。それも、主人公のタイプって大事じゃない? あとヒロインも。嫌いな要素は、例えば「イジメ描写」は省いてほしいし、人によっては「下ネタ」なんかも嫌いな人は嫌いだろう。(笑


 そういう細かい「設定」の部分こそが、これだけの作品飽食時代においては、あらすじよりも重要かも知れないと思ったんよな。


 作品を選ぶ前に、まず設定で求めてない部分はふるい落としておきたい、てのがないですかね? 二次創作とかから入った人なら、これはキャラにすでに凝縮されてんのな。で、他の作品だの逆カプだのは最初から省かれてて欲しくない?


 ところが、一次創作となるととたんに、「海のものとも山のものともつかぬ…」てなるんだよ…orz




 これじゃあ、衰退するのも道理、とかになって、納得しちゃってヤバいです。


 カクヨムの自主企画の中で、こないだ「履歴書」をなんかするっぽいの見かけたんだけど、ああいうの良さげだよねと思ってさ。せめて検索ワードで、読者と書き手が示し合わせてマッチングできるよう、主人公タイプとかヒロイン属性とかの検索ワードを浸透させられないかなぁ、とか思ってさ。


 でも具体的にはどうすりゃいいかは解らない、というね。

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