「イジメ紀行」の”切り取り”で告発する行為について

「あなた方の中で罪のない人が、彼女に対して最初に石を投げなさい」


 有名な台詞だよね、キリスト教のイエスの言葉だけど。なんでこれを取り上げるかってと、こないだからずーっと書かなきゃと思っていることがあって、だけどなかなか書けなかったからなんだけどね。


 過去のイジメ告白文書でゴタゴタした小山田圭吾氏の話、あんまり蒸し返すべきじゃないのは解ってるんだけど、最後にこれだけは書いておかなきゃと思って、なのになんだかんだで時間が過ぎて、今頃になってるわけです。


 私は、自分もわりと残虐なお子様だったことから、彼を非難する気にはなれませんわ。そんな資格ないな、と。まぁ、どちらの情報を先に目にしたかでこれは変わるのだろうと思うんだけどね。今現在、三つの関連文書が存在するんだよね、これ。


「いじめ紀行」の原本、それを切り抜いた告発文、小山田圭吾氏の謝罪文。



 で、色んなこと考えたんだ。なんせ、顔と行為が一致しないじゃん。(笑


 どういうことだろう、と。こういうタイプのね、こういう、チョーシ乗ってしまうタイプの人は、調子に乗り出すとどんどん想定が甘くなっていくから、このインタビューも調子に乗って、他人がやったことまでぜんぶ自分のモノとして話したとかも考えられるな、と思ってさ。まぁ、悪行を悪行と認識できないほど調子乗ってるって、価値観をちょっと疑う案件ではあるなとは思ったんだけど。


 だけど、それでもなんか腑に落ちない。むしろ、インタビュアーの復讐心というか、それも歪んだ?なんか、こう、うーん… 全文読まないとなんとも言えないと思ったんよな。よくある、悪意満載の切り取り箇条書きだし。これに何度引っ掛かって苦い思いしたか解らんし。悪くない人に対して心の中でめちゃくちゃな弾劾した後で、実は誤解だったことを知ってさ、すごい自己嫌悪に陥るわけですよ、そういう目に何度も遭ってきたから、あんまりこういうの信じないようにしよう、とまでなってんのね、今。それでもなお引っ掛かる時は引っ掛かるんだけどね。トリ頭よな。


 ネットで見慣れた、「コイツ、皆で吊し上げようぜ!」的な悪意をその文章に感じたから、これは鵜呑みに出来ねーぞ、と思ってさ。


 片隅でさ、この批判的空気とは正反対?の、擁護の声を聞いた覚えがあったんだよね、実は。オリンピック直前か直後か、誰の話だろ程度で聞き流してたんだけど、それが脳裏にあったからさ。あれはこの人のことだったかも?とか思ったら、もうこの「ブツ切り感」が気になって気になって。なんでわざわざ箇条書きだ?て。


 又聞きじゃワケが解らんなと思ってさ、ちょろちょろと調べてみたんだ。これ、陰謀だって言われてて、そうかも知れないと思ってさ。


 こっちの動画で解りやすく、一番キモの部分を紹介してくれてる。ほんとに短い動画だから、史料全文読むのはダルい人でもこれなら観れるっしょ。


『【“切り取り”報道の闇】小山田圭吾とイジメ被害者に『友情』あった!?』

https://www.youtube.com/watch?v=1F4qMPV3J7U


 この短い動画で紹介された、紀行の一部文章だけでも、かなり状況が違うんだということが解る。そもそもこの「いじめ紀行」そのものだって、編集されたものであり、事実を小山田氏が語ったとは思えない。誇張があったはずだ。


 結局、誇張して語ったインタビューをさらに誇張で編集し、それをまた悪意で切り取って紹介した「コイツ、吊そうぜー!」の文書なんだと私は判断するね。告発された方も確かに悪意を告発されただろうが、告発した方だって悪意てんこ盛りだ。


 もう引っ掛かんねーぞ。こういう悪意の方が、私は嫌いだ。



 弾劾に加担してしまった後で、こういう告発者の悪意を知ると、打ちのめされるんだけども、今回、私は勝った! いやぁ、枕を高くして寝られるよ、うん。(笑





 …私は小山田氏の知り合いでも家族でもない。彼に被害を受けたというクラスメートの彼でもない。無関係の人間だ。事実は何も分からない。被害者のクラスメートくんの証言も聞こえてこないし。憶測だけだ。


 さすがにこんな何も推測材料のない状況で批判はしたくない。


 旭川市のイジメ凍死事件、あれもよく似た状況あるけど、ぜんぜん違うのわかる?



追記:


「推定無罪の原則」ってのあるじゃないですか。もうずいぶん前になるけど、ツイフェミさんたちとバトルした時にも、これを盾に戦ったわけでさ。


 今回の話、本人の自白があるにはあるけど、切り取りされてるわ、誇張だわ、これを証拠として採用していいのかレベルじゃない?


 被害に遭った同級生を探してきて、直接で聞いてみないと何とも言えない案件でさ。年賀状にしても、「手紙ありがとう。」てなに? 文通してたの?


 なんかワルぶりたい気持ちで受けたインタビューって言ってたし、実は仲の良い友達でした、てのは省いたんかな、て感じでしょ。実際、全文読んだら印象がぜんぜん違うし。あの当時、文通までするってよほど仲良しだよ?


 その後の、壮絶なイジメに関してはどうやら傍観者だったらしいし。昔のイジメ、今もそうかもだけど、ヘタに庇うと今度は自分がタゲられていじめられっ子交代、て感じだそうだからさ、友達でも助けないのは無理ないかなと私は思うんだけど。


 イジメ問題、応急措置だけど本気で何とかするつもりなら、加害者側をヘタに庇うリクツを組んだらダメだと思うんだよね。矛盾してると思う?


 これはだけど、当事者たちの話だよ。学校とか教育委員会とか、文部科学省なんかの、直接関わってる人々の心構えとして、加害者の更正よりまず被害者の保護を優先に、刑事法的に考えるべき事柄と思ってんのよ。命の危険に晒されているって、生徒以前に学校側が理解してないもん。


 イジメ加害者は、犯罪者目線で扱うべきと思っていて、そうしたら傍観してるのは加害に加担することとは捉えられないんだ。共に被害者の位置付けにするべき、とね。テロの人質とかを考えれば、理由が解るだろう。誰でも、加害者に逆らうことは難しいんだ。調子を合わせてしまうことも、その意味付けが変わる。そうして、学校側が加害に加担したことは明白になる。原因を取り除く努力を怠っていたんだから。


 テロリストが人質取って立て籠もってるのに、機動隊が犯人の権利とか考えて手出ししないってのと同じだよ。しかもいじめっ子はどんどん手口を巧妙化させて悪質になってるんだから、犯罪者目線で事件を見ないと被害拡大するばかりだよ、現代。


 でもさ、そこで金八先生のドラマ、名台詞を思い出すのよ。

「俺たちは腐ったミカンじゃねぇ!!」て。


 一周回った感があるよね。



 でもさ、それでも、加藤くんのあの台詞は胸に染みたんだけど、それでも、加害者の中心人物は科学捜査のプロファイル的な目線で見れば、あきらか異常者なんだよ。


 中心の一人か二人が、精神異常で非常な攻撃性を有しているケースが圧倒的で、その周囲の取り巻きから傍観してる同級生からぜんぶが、いわゆる恐怖支配の下に置かれている構図なんだよ。


 だから、この中心を排除するのが、応急処置でしかないけど、一番だろうって思うって言ってんのな。加害者には、学校じゃなく専門施設での治療が必要だ、て。


 小山田氏は釈明で、自分は傍観していたと告白してる。常軌を逸した攻撃性を持っていた生徒が彼だったのかは当時の関係者の証言を聞かないことには解らない。だけど、小山田氏の告白内容を見るに、その異常者の行為を止めたり、逆らえる者は希有だろうということだけは解るよ。


 今回の騒動、小山田氏がバッシングを受けてっていうこの事件だけど、すごくモヤモヤする。今まで誰も問題にしなかったことを、オリンピックを機に突然蒸し返したのも引っ掛かるし、切り取り記事で煽ってネット世論を感情論に導いたことも引っ掛かる。手口がツイフェミとか釣り師と同じだからほんとモヤモヤする。釣り師の中でも悪質なヤツだし。


 何が狙いなの? この釣り師。こっちの悪意の正体は誰も気にしてなさそう。


 利用されたみたいで(私は引っ掛からなかったけどな!)胸クソ悪い。

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