コロナで危惧すること

 アメリカだったかヨーロッパのどこかだったか、感染拡大よりも経済を優先しろと言って市民がデモを起こしたニュースを観た時、実をいうと戦慄した。


 え、なに? マッドマックスの世界観じゃん、て。


 人は、原始時代から中世、近世、そして現代へと、少しずーつ心の優しさを育んできたはずで、それが最近は後退していってるらしい。野蛮人への逆戻りだ。確実に、カラダが弱っている人を死に至らせる病が蔓延するかどうかという瀬戸際に、そんなもんは知らん!と叫ぶ人々……。


 確かに、経済の打撃で死ぬ人だって出てきそうなのはある。だから、兼ね合いとか落としどころで苦慮してるわけで、だけど、デモ行進は違うと思ったんだ。


 人は、原初の頃は知らんが、資料が残る中世頃までを見る限り、あんまり優しい生物じゃないよね。優しくないのが本性だから、ちょっと気を抜けば、元に戻ると思うんだ。


 口では理想を言うくせに、本来の自分は決して優しい生物じゃない、て認めないのはいかがなものかと。人間は優しくなんかないよね、猿の中でも優しい種類の猿もいるが、チンパンジーとかと同じ、凶暴な種族だ。心に刻んでおかないといけない事実だろうと思うんだ。


 人間をよいものと考えていると、いつかとんでもない失敗をやらかす気がする。


 事実をそろそろ、マジメに、ちゃんと、見据える時期じゃないかと思った。



 人間は、凶暴な方の猿の進化形だ。進化の過程で優しさを手に入れた。


 それは、持って生まれたものじゃないから、簡単に失ってしまう類いのものだ。


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