ノらない時は何してもムリ
<今の私の文体>
急くように歩きながらも伸一の耳は自然のなりゆきで、か細い雨の音に集中していく。欹てた耳は、やがてかすかな別の音を拾ってきた。先の公園にあるブランコの揺れる音だ、晴れた昼間なら子供の声とセットになっている。
瞬時にオカルトを連想した。夜の闇の中、他には音を立てるものの何もないこの空間に、雨音に混ざり甲高い金属音が響いている。断続的で不規則な音階が軋むように空気を震わせ、耳に不快な旋律を奏でている。弱々しい音が生まれ、雨の中に吸い込まれるままか細くなり、次に生まれた軋み音に潰されて消える、その連続。
<無理したラノベ調>
元勇者ヨッシーは、クリスタルの少女を連れて街道をとぼとぼと歩いていた。
「あんた、ボーッと歩いてないで、少しは警戒しなさいよ! この展開、絶対に次は盗賊あたりが登場してくるんだから! 武器は? 備えはちゃんとしてる?」
「は?」
呆れが、そのまま声になって出た。彼女はまだ洗脳が解けてはいない、そうは思うのだが、どうにも腹立たしかった。なにが次の展開だよ、と内心に毒づく。
「こんなのセオリーでしょ、漫画とか読んだことないの?」
「……漫画じゃないだろ、」
「じゃあ、アニメ。ラノベ。映画。なんでもいいわよ、よくある展開でしょ。」
ムッとするし、返事をするのも億劫になる。
「あたしはねぇ、真面目に考えて言ってんのよ。これを現実と受け止めてるから、あんたももっと真面目にやれって言ってるの!」
「……」
「この中はなんか遠近法がヘンだから、近い物はよく解かんないけど、景色だとかははっきり見えるのよ! あんた、安易に街を出てきちゃったけど、大丈夫なんて思ってんじゃないでしょうね、周りがだんだん寂しい感じになって来てんのよ!?」
なるほど、周囲はだんだんと人の居ない田園地帯に切り替わりつつある。家と田畑の割合がいつの間にか逆転して、耕された畦ばかりが目立つようになっていた。
書きかけの作品、ちょっとでも進めようかと思って引っ張り出してきてみたものの、な~んかノらなくって書けない……。最後の更新ページなんかボロボロだからして、まったくダメダメですな。はっはっはっ。「猫かぶりと黒いダイヤ」の方も書こうと思って一回分だけは書いたけど、ノらなくて駄目だった、てのに。困ったな~。
公募作がようやく一段落で、インク買いに行って印刷して、っていう実務な作業を残すのみになったから、次の公募の間にちょっと途中で放棄してるヤツ一作でも仕上げちゃおうと思ったのでしたが、無理でした。ムー――――リー――――――!!
上記、伸一くんの話は「JKを拾った男の話」ていう、KADOKAWA刊行の某作品と被っちゃってお蔵入りしてたヤツ。開き直って公募で出してやろうと手直し中。
アレだね、魔王がどーたらのカクヨムお題の作品、もっと地の文がっつり入れて魔改造して無理やり通常の文体に直さないと書けないわ、コレ。(笑
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