島田先生の提言が、なんとか理解できた!…かも?
終盤まで来まして、ようやっと先生が何を問題にしてこれではイカンと思ってらっしゃるのかが見えてきたよーな気配がします。(気配ね、気配。自信はない)
やっぱ「なろうテンプレ」を巡る周辺事情とも重なる問題で、先生の提言は「いい加減、テンプレに則ったヤツだけを有り難がるの止めろ!」という話のようです。いや、そう読んだけど、間違ってるかも知れない。
ご存じ、SNSで人気なのはテンプレ系ばっかなわけですが、これは読者とか評価を下す者達が、テンプレマンセーをしてるからっていう事情があるのな。その理屈の部分は先生の著書の中で、本格モノの「コード型」という種類についてで語られている一説とまったく同じでついつい笑っちゃった。まさかこの著書の何十年後に今のこの状況が起きているというのまでは予測されていなかったろうなぁ…
んで、ちょっと解っちゃったことがあるんだ。
棘とかで「イキリ○太郎」とか言って揶揄されるなろうテンプレ系主人公ですが、擁護派は彼らに感情移入してるとかいう説には否定的じゃないですか。で、実際に自分と重ねているらしきな意見とかは見えないんで、実際のとこ感情移入とか自己を重ねるとかはしてないと思うのな。
じゃあ、あの系統の主人公がなんであんなに人気なのか?て疑問が湧くじゃん。
それの回答に当たることも先生のこのコード論に入っていて、ようするに日本民族における負のイメージ像的な「あるある」を具現した姿のようなのですな。だからたぶん、どこか懐かしく、親近感があり、情けなさが愛おしい、みたいな?そういう愛着を感じやすいキャラクターが、「いきり系主人公」ということではないかなと。
そういう発見をしましたわ。(笑
んで、先生が問題視してたのは、「本格」を冠する推理モノ(先生は総称は「探偵小説」とすべきと提言してた)では、ノックスの十戒やヴァンダインの二十則があたかも優劣を測る物差しとして持ち出されることがある、とそれを危険だとされていたですよ。
十戒や二十則を「コード」として、これをより多く取り入れてお約束を守っている作品のほうが、それだけで優良であるかのような評価が下される傾向にある、という読み手側の態度に危機感を感じておられるようだった。
その問題の、遠因にあるのは定義の曖昧さで、ほとんど自分の好みでしかない評価基準にある種の権威を与えるのに、都合良くこのコードが利用されている、という。
だから、曖昧表記を避けるために、「本格ミステリー」「本格推理」など、ちゃんと分けようという提言をまずされていた。「本格」の語を、ファンタジージャンルにおける「ハイ・ロー」の位置付けにしようって感じですかね?
けど、何をもって「本格=ハイ」であるか、てのが難しいだろうね。先生は「論理性」と仰ってたけども、私も実際に書いて一番痛感したのは、むしろ読者の読解力に左右されてしまう事情の方だったわな。
人間の能力というのは、偏差値表を見れば一目瞭然なように、真ん中が一番多くて、あとは高低でバラけていくわけですよ。すると、本当の意味での論理性よりもこの中間層の多数決に委ねられてしまう危険性のが高いんだ。(つまり、偏差値高いトコに合わせてヒントをちりばめても、中間層にはヒントが不十分と映るってこと)
最近はテレビ番組とかで、知能指数の違いがどれほどの落差を生むかはしょっちゅう見せてくれてるから、もうこの時点で「ドコ基準が正しいの?」という疑問が生まれちゃうんだよなぁ…(いや、もうずーーーーーーーっと、それで頭抱えてんだよ)
論理というか、推理ってのは正確には「類推能力」を言うと思うんだ、フェアかどうかとかの話になるとさ。そうすると個体差が激しいわけで、先生レベルならそんなん承知のはずだからそもそもで「論理性」ってのが「フェアかどうか」てのをズバリで指しているとは思えないんだよね、先生のことだから。
じゃあ、本格の資格たる「論理性」ってのは具体的にはどういう感じよ?と。よく聞く「フェアにヒントが散りばめられていないから」とかは、これは直接では論理性とは違うよね? ね?
公募に出した作品、「雪女--」でもその辺がさっぱり解らなくって、メフィストで落ちた後に別の賞に出した時、改稿したんだけど、自分ではメフィスト版で充分と思ってたのを無理やり加筆したから、蛇足だらけになって、未だに心残りなのよ。
(せっかく、自己採点での高得点作品を、文字通りのクズにした)
それもこれも、「フェア」ってのに振り回されたからだからさ。論理性が一貫しているっていうこととフェアなヒントが散りばめられているかは同一じゃないし、そもそもフェアなんて状態は作り出せない、と思うんだわ。(上記の理由による)
だけど、例えば選考者がフェアに拘ってたら、合わせなきゃしょーがないのに、そのフェアレベルの基準も示されてないんだよなぁ…
愚痴しか出てこん。(ぷんすこ)
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