「ダークフェイト」の副題の意味はポリコレ…?

(こちらも間違って別エッセイに挙げたものを移行しました)


 今回のターミネーターがポリコレに配慮しまくった配役なのは観れば解るほど露骨なんですが、それでもここまでやったのには監督なりの皮肉が効いてるフシがあり。


 サラの台詞で、「どこまで愚かなんだい!」という感じの台詞があって、わざわざ言わせてるわけですが、これ3の、『どうせ人間社会はまた新たなスカイネット作るに決まってんだろ、バカなんだから』ていうのも踏襲していると思うのね。いやジェネシスも同じスタンスだね。


 どうせ人間は何度危機を過去において脱しても、同じ轍は必ず踏む、みたいな裏テーマなのか、あるいは多元宇宙採用で、ロボとの戦争を回避できなかった方向の未来群、ていうテーマなのかのどっちかと思うわけなんですが。


 でだ、今回の「どこまで愚かなんだい!」て台詞、どっちかというと二重に掛けられてて、映画中においては『またスカイネット作りやがった、』という意味だけど、現実社会においてはたぶんポリコレに向けて言ってる気がするんだよね。作中はさらっと流されてて、詳しくは3で、みたいな描かれ方だけど。


 だって、明らか『設定においては3より更に劣化した』としか言い様がない。(笑


 だってさ、日本の富国強兵策見ても解るけど、人類絶滅を前に「女性を最前線に立たせる」なんて論理的破綻があるのが、もう、「リアリティより張りぼてフィクションでいいからポリコレ遵守しろ、」とかいうアホウに譲ったっていう証左じゃん。


 そこはまぁさすがに名監督だけあって、それのせいで看板映画の一つをドブに捨てるような結果にはならなかったのがせめてもの救いでだな。(笑


 あれだよ、今回の「女性であるグレースが最前線に立ってたワケ」については、作中では、背景的なトコの女性兵士の扱いがどうなってるかとかはパスして、単純に「グレースの戦闘センスはズバ抜けてるからね、」という回答を用意してのけたのがね。だから全面的に武器種ではなくアクションで、戦闘センスによる勝負、みたいな色彩になってると思ったわ。


 アレだ、吉田沙保里(現役)を後方に下げて温存しとくバカはいない、の法則。


 だけど、人類が絶滅しようとしてんのに、女性を無条件で兵士になんぞするわけねーだろ、というのは誰でも解るリアリティと思うんだな。「男の命なんざ女のそれに比べりゃゴミだ、ゴミ!」くらいは言っててもおかしくないってのにさ。(笑

 そういうリアリティや論理さえ無視して「男女平等!」なんていうゴミ思考で全て切り分けようってのが、一部にいる単細胞フェミだからなぁ、て。


 ポリコレの抜け穴を突いて、ちゃんとリアリティも確保した作品にしてるってのが、監督凄ぇ、て思った最たるトコロですだよ。話作りの段階ですでにクソポリコレという縛りプレイが発生してるのがな、アートやエンタメにとっては、非常に厄介というか、格段に制作難度を押し上げてるから、そういう意味では危機だなと思う。

(私の主張はだから、エロは生け贄にして全面降伏する代わりに、他すべては、それを盾にして譲らないって方策。エロは譲ったから他まで譲る必要なしと強弁できる。エロを擁護するのはイメージ的に難しいからいっそ損切りしてしまえ、という主張だ。それでいけば、アートの皮被った敵性のプロパガンダも同様に規制できるしな、エロ規制は他の規制の言い訳にも出来るんで、便利である。エロかどうかの押し問答で、エロではないと逆に言い張ることも可能になるのだ、規制してしまえば。際限ない自由は言論統制されてんのと実は変わらんのだし、程度問題だと思っとる)


 んで、ポリコレ言うにもさ、連中、中途半端なんだよな。差別を言い出すと老若男女だけでなく、動物にも国際格差にも、宗教問題、歴史問題、ぜんぶ絡まっていくのに、そこまでは思考を広げないんだ。そこまで行くと大変だっての、おぼろげにでも気がつくからスルーしてんだろうけど、そんな態度でよく「差別ガー」とか言えたな?とか思うんだわな。(笑


 んで、本当にリアルにカタストロフィ後を書いたらさ、老人の書き方にぶち当たると思うだよ。そこの扱いが、人間性ってのの葛藤をリアルに描き出すよね。楢山節考だ。話題になって評価も高い映画は、だいたい老人の扱いが真摯だ。

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