「反出生主義」ってののマトメ読んだが…

 こういう、論文的なヤツはほんと時々チンプンカンプンだ。(笑


 ただ、「生まれてこなければよかった」というのは、生まれなかったとして、どういう状況であればベターだったのか、というポイントをはっきりさせないとね。


 うちの娘の話だが、悲観主義でなぁ。たまに、生まれてこなければ、的なことを口にのぼすから、じゃあどんなんが理想だと聞いたことがあるわ。彼女いわく、「無」だそうだ。無ければよかった、というね、完全否定だ。


 しかし、無を意識するというのは、死後も肯定している可能性もまた拭えないのだがね。それゆえに、生者の世界にも死者の世界にも他の世界、あらゆる場にいないとして「無」を引き合いに出したということだろう。


 一つ思うのは、スピリチュアルだの宗教的観念だのが入ってる時の「生まれてこなければ」てのは、いわゆる天界的なものを想定してたりしないかい?てことな。


 生まれる前の段階なら幸せだったか。いや、いっそ、まず「幸せ」が基底にあるんだろうな、それに至らない場所だから現在の自分は不幸だという視点。まず、幸せでいられることを権利か何かみたいに認識してるんだなぁ、と。ここにも宗教観が表れていて面白い。約束されているという視点が、非常にキリスト教の支配を感じる。


 どっかの哲学者が、西洋哲学は神に縛られている、的なことを言ってたけど、こういうことを指してんだなぁと思う。幸せは保障されているという宗教的呪縛があるかどうか、それで「生まれてこなければ」の意味が変わってくる。

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