小説のメソッド
書き方って、最終的には自分用にカスタムした、自分専用のメソッドを組み立てることが目的だから、マニュアルなんてのは端から作れるもんじゃないと思うんよ。
先の記事では「思いつくままに書いたらアカン、」みたいに受け取れるようなことを書いてるけど、実際はピンキリで、それが肌に合う人だって居るわけだわな。わざわざ書かないけど、承知しておいて欲しいとこです。
人間、そももそまず二派に大別されるじゃん。インドアかアウトドアかに。
でさ、アウトドアの人がシュミで読書をしてくれるかってと、それはとてもレアなケースでしかないと思うんだ。インドアの人が自主的にキャンプ行くか?て話と同じでさ。ここですでに市場ってのは真っ二つに割れてるでしょ。そんな感じで、ジャンルにまで落とし込むと対象読者ってのはすごく狭まるわけよな。だから、ジャンルを跨いで、より大きな市場との抱き合わせ戦略を採るわけじゃないですか、大抵で。
定番は、「恋愛」「エロ」「ホラー」「ミステリ」「アクション」なんかだね。
アクションはあんま小説向けじゃないような気もするけども。で、そういう需要の高いトコをくっつけて、他にはあんまりみたコトないな、て辺りで興味を引いて読んでもらうてのが基本的な路線になるわけですよな。人間、1から10まで新規だと身構えちゃうから、目新しい要素を出せばいいってモンでもない、というかで。
異世界モノが最たるもので、10のうちの8くらいは似たり寄ったりでさ、だけど残りの2が本気でそこらに無いようなのだったら読もうかと思ってもらえるわけだよ。
まず設定。だから流行りモノの二番煎じだと多くの賞レースじゃ見向きもされないわけで、まず、いの一番で設定に光るモンがないとダメなんだ。もっとはっきり言おう、「斬新な設定」がくっついていれば、注目される。
だから、実は「なろう系テンプレ」というのはすごい落とし穴がある。書くこと自体は、アレを使えばすごく楽に、誰にでも書けるっていうスグレモノなんだけど、出来不出来の差がもの凄く開くのな。
八割ほどはテンプレを踏襲するわけだよ、そしたら、残る二割の中で「斬新設定」を入れて、八割同じな他作品との差別化を図らなきゃいけないんだぜ? 普通に1からオリジナルにしてテンプレ使わない方がよほど自由が利くってもんだよ。
でだ、すでに設定とかでもアイデアは出尽くした感じがあるでしょ。そしたら、斬新とか思ってもらうのはすごく難しいってことになる。ゲームでもさ、ターン制戦闘ばっかだったトコに3Dのリアルマッチ戦闘システム出て来た時とか、ダンスするゲームが出た時は、めちゃくちゃ話題になったりしたんだよ。だけど、そんなん10年に一度の革新って感じで、そうそうポコポコ出るようなモンじゃないよ。
そしたら、設定は「ちょっと弱いけどまだマシ」て評価で御の字になるわけよ。差別化まで行かなくていい、てより、差別化出来るようなアイデア出せたらプロ入り確実だわな。そのくらい、「人の考えつかない新規のアイデア」には今、価値があんの。(凡人が思いつく程度のアイデアは、他人からみたら「ありきたり」なのな)
じゃあ、他は何で勝負を賭ければいいんだ、となるよね。
これが、「魅力的なキャラクター」ということになってくるんだわな。「魅力的な」という冠は、ゲームでいうトコの金冠銀冠だからして、まずは捕獲、「キャラクターを生み出せる」というハードルを越えないとダメでさ。それも「生きた」という形容詞の付けられるキャラクターを生めないとダメなんよ。
その上で、さらに金冠銀冠狙い、ということになったらどんだけ大変かは字面で予想してほしいとこなんだけども。
「生きたキャラ」というトコまでなら、コツさえ掴めば割と誰でも、書いたキャラ全部生かすくらいは出来るようになると思うのな。問題は、「魅力的な」よ、魅力。
まず、読者がそのキャラクターを認識するだけでなく、興味を持って、深く知ろうと欲してくれないと、魅力のあるなしの判定にさえも辿り着けないわけよ。少なくとも、ストーリーとか展開のが気になる、この先が知りたい、飛ばして読んじゃえ、な心情で読まれるようではキャラの魅力に気付いてなんて貰えないわけだ。
これは、先に書いた「出演頻度」に密接に関わるよね。
だいたいの目安で、一人のキャラを認識させるのには5千文字必要と思ってんのですよ。認識させるだけで5千文字ね。チョロっと出た程度のヤツは頭数がカウントされただけで、人間という認識さえないね。(私のメソッドでは、だけど)
なんか印象的なシーンが演出出来たら、さらに認識が強まる。印象的なシーンが3つ4つ重なってようやく、そのキャラに興味、好悪の感情を持ってもらえる。これが主人公だったらそれこそ冒頭の5千文字でシーンやエピソードを重ねて興味を湧き上がらせることが可能だよね。
逆に言えば、5千文字も費やしてんのに陰が薄いようなら、その記述は失敗なのだ、てのが明確に解るって寸法ですだよ。(笑
読者と違って作者は、脳内で産声を上げた時から含めで、何時間と付き合ってるはずのキャラなんだから、それがその時点で陰が薄いなんて感想を抱くようじゃ、少々のテコ入れをしたところで無駄ってくらい、記述がなってないの解るでしょうよ。
さらにこれがどっかから借りてきたキャラでそうだとしたら、根本から書き方のメソッドがなってないのよ。リライトしてみた、の記事で書いたみたいに、そのキャラはただのVチューバーのガワでしかない、作者の口パクだ、てことなのよ。で、作者は作者で台本を棒読みしてんでしょ。Vチューバーはまだ自分のキャラで喋ってるけども、作者はキャラが喋ってると思って演じて喋るわけだ、そのキャラは作者の口パクなのに。堂々巡りだ。それじゃ、借りてきた甲斐もないよー。
そこらへんの勘所をしっかり把握するのに、二次創作っていうのは役に立つんだな。だけど、それも自己顕示欲でやるんならイミがない。本当に好きなキャラを、自作品の中で生きてもらおうと思って書いて、初めて解るような感覚だわ。
読んでほしいとか思って書くんじゃ遠回りだ。キャラを生かしてやりたいと思うほうが主軸になって、初めて、生きたキャラを自作品に呼び込めると思うわ。
それが出来て、次には読者にも好かれるキャラという位置付けで「魅力的な」が付されるんだから、正直、それは狙って作るのは大変と思うの。ベクトル逆方向だし。
自分がさ、「魅力的だ」と思うキャラを生み出して、推しの応援演説する、くらいの気持ちでやった方があんがい近道じゃないかと思うんだなぁ。
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