六年前の作品をリライトしてみた結果

 いや、まだ終わっちゃいないんで発表は出来んのですけどもね。ちょっと小説家になろうさんの方に置いてきぼりにしている作品群の中から、短編をひとつ引っ張り出してきて、書き直してみてるんです。


 まず、あの頃の私は「思いついたままをそのまま書いていた」だけだったなぁと。


 これだと、キャラがしっかり固まっていないまま書いた時に、作者の思想信条をただキャラに代弁させているだけになっちゃうんだ、と自作を振り返ってはっきり理解しました。


 そうじゃないんだよね。


 そのテーマをぶつけた時に、そのキャラならどう受け止めて、どう答えるかを予測変換で、むしろこっちが代筆をするつもりで書かないといけない。


 今なら当たり前に解っている事柄が、昔はぜんぜん思いもしなかったんだなぁと、ちょっと懐かしく感じたりね。思いっきり代弁させてましたわ。(笑


 そのキャラが置かれている現状、そのキャラが通ってきた人生、そのキャラの住まう世界の歴史、それぞれも思考に入れて、そのキャラが作中その場面では何を考えているか、何を語るかを推測しないといけない。


 これがミステリとなるとさらに、叙述トリック的な仕掛けも踏まえるわけで、もっと複雑化して、キャラさえ手玉に取っての作者の采配が加わるから、物語を劇的にしようとすればするほど煩雑化して、こっちの頭がショートするわけですわ。


『裏の裏の裏の裏は裏だっけ表だっけ? \(゚∀。)/アヒャ』て感じ。


 最近ほんと、 \(゚∀。)/アヒャ な状態が多いなぁと…



 リライトしてる作品、せっかくなんで書き上がったら新旧並べてカクヨムに置いときますわ。(笑


 んで、早く公募原稿を仕上げて郵送しちゃおう。うん。



 例えば、作者はこれこれこういう情報を記述したいと思うでしょ、その為にキャラに状況を振るでしょ、泣かせるなら泣くような状況に置くわけよ、だけどそこでキャラが泣くかどうかはキャラの持ってる色んな情報によって違ってくるわけで、泣かせたくても泣かないケースだってあるんだよねぇ…。

 で、ミステリだと特に、そこで泣いてくれないとミスリードが振れなくって、困るケースも往々にしてあったりするわけでさ、だけどそこでトリック優先にして無理やり泣かすと、それはキャラらしくない、大根芝居をさせてしまうってことで、それが「人間が書けていない」の正体なんだなぁとね、はっきり解ったわけ。


 あと、ポッと出のキャラが犯人とか隠された探偵とかな。あれはドラマティックに書こうとした時には、完全に悪手だから私はもう封印することにしてる。(笑


 物語でも現実でも、役柄の重要度に比例するはずなんだもんね、出演頻度は。連続殺人犯を追っかけている刑事モノとかで、被害者側のヒューマンドラマなら犯人は最後にヒョコッと出ても問題ないけど、犯人主軸にした話で犯人がチョイ役に等しいヤツだったりしたら、拍子抜けするじゃん、あれがどういう読者心理のメカニズムなのかって部分でね、色々と考えていたってわけですわ。


 まだ色々は考えてる……



追加:

 キャラがあれこれ考えているのを作者が代筆、というポイントの他にも、読者もある程度はキャラと親しくなっていないと、その心情を推し量って、台詞が妥当かどうかを測れないってのがあるわけよな。


 ミステリには本当にありがちだけど、キャラの登場頻度が少ないから読者にどんな人物かが伝わってなくて、それなのに泣かせる台詞とか吐かせるってヤツな、これは独りよがりだわな。現実でも、ほんの二三回挨拶交わした程度の相手に親近感なりを抱くか?て。


 でも、登場頻度が増えてどんなヤツか解ってくるってのは、犯人かそうでないかがバレやすくなるというリスクもあるんだわ。だからつい書かない方向へ行くんだろうと思ってんのだけど、そうすると心情が読者に共感されないんだ。


 どっち取るかの問題で、両立できたら最高なわけだが、すごく難しい。私は、心情の方を取るつもりでいる。だからトリックは必然的に、予測が難しい初出のモノ、って感じになっちゃうんだよなぁ…。


 ま、この初出のトリックってのがすでに難題なんだけどね。(笑

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