ドラクエ映画が賛否両論(というより炎上)らしいね

 うん、まぁ、原作レイープな派生作品って、生きてるうちには何度かぶち当たるわけだわな。デビルメイクライの2とか、ターミネーターの3とか、ファンの間ではわりと不評だった作品ですわな。


 だけどそういう時はさ、「なかったことにしよう」が発動するんだよね。



 ターミネーターなんかは4で丸々3が無かったことにされたと話題になったけど、5でまたちょこっとリスペクト入ってさ、んで、ジェニシスで白紙に戻したかと見せて実はあちこちにシリーズのネタがころころころ……(笑


 ターミネーターって先にあったシリーズの中から、チョイスしてきたり、解釈変えてみたり、あの設定がそういうことを許してくれるくらいすごい深いから、そこがまた楽しめる点でもあるんだよね。隠れミッキーを探すよーなね。


 続編なり派生作品なりって、二次創作もそうなんだけど、絶対に踏まえておかねばならないポイントってのがあると思うんだわさ。それを蔑ろにしたり、無いと視聴者に受け取られたら、まぁ荒れる元になる、そういう重要なポイントなんだけどさ。


 元作品への「リスペクト」だよ。


 これ、元作品を越えてやろうなんて考えると、消えたり見えなくなってしまう恐ろしい性質があってさ、大成功した派生作品ってのは大概が、制作陣は原作のファンで、成功よりまずその原作を扱えたのが「楽しかった」て答えてんのよな。


 愛をいうなら、そういうのを愛というんだよ。


 原作を越えてやろうと思った時点で、それは踏み台にする行為に落ちてしまうんだよ。楽しんで、こうだったらいいなー、というのを積み重ねて、出来上がってみたら原作を越えて大満足、ていう結果論しか出ないから。


 原作を越える野心を抱いて二次派生をやっちゃいけない。失敗の元。てのは、二次を始めた頃によく聞いたフレーズだったけどなぁ……。


 それは原作を利用する行為であって、愛を語るのもおこがましいと言われても反論も出来ないでしょ、って。愛か、利用か、この分岐は大きいんだよね。


 作る側はくれぐれも、この分岐で受け手に「利用」と判断されないように気をつけねばならないよ。



 んで、ドラクエの映画なんだけど、私はドラクエⅤってさ、数あるRPGをこなしてきた中でさ、唯一、「二周目やったタイトル」なんだわ。私はゲームってどんなに良作でも一周しかしないんだよ。やり込みゲーと言われるようなタイトルでも、ハマったのはデビメイとモンハンの二つだけだもん。

 まったく同じ流れしかないなら、二周目の時間は別の何かをやる。そういう価値観。だからさ、ドラクエのⅤってものすごく思い入れがあったんよね。


 観てはないけど、ネタバレを読んでアレだなと直感したことがある。


 けど、このタイプの失敗ってたまにカクヨムとかのSNSに発表されている作品とか、深夜やってるアニメとか、連載の漫画とかでもちょいちょい見るよ?


 構成の失敗ってヤツよ。


 私がブチ切れた最近の同タイプの失敗作だと、「ラ・ラ・ランド」があるね。




 みんな、アレは見事にスルーしてたけど、私は構成の失敗がラストのラストに出てきて、しかもそれを制作陣は「してやったり」みたいな成功と思ってるようだったってので、二重に頭来た作品だわ。


 あれよ、フェアではない叙述トリックよ。


 ラストに別の男とくっついちゃってるヒロインという裏切りはさ、作中ではまったく「匂わされていない」完全な不意打ちだったのよ。そりゃあ、リアルじゃそういう風に性格が丸ごとカタチもなく変わる女だっているだろうけど、それを創作物でやったら卑怯だろうが、て。


 ドラクエⅤのラストもさ、もしか、途中まで「まったく匂わされていない」というアンフェアな構成になってなかったかい? それやられると八割方の読者はキレるというデータがね、たぶんどっかにあると思うわ。(笑




 作る側は、最後のどんでん返しと思って、出来るだけ隠すんだけども、ヒントがまったくないままでガラッと変わるのは、ちゃぶ台返しといって、どんでん返しとはまったくのベツモノになっちゃうんだよね~。こわい、こわい、ですわ。(笑


 ストーリーの中のメタフィクションだとかが問題じゃないんだよね、その見せ方。そこまで持っていくまでの段取りがマズかった、ということじゃないかと思うよ。


 不意打ちはギリ、だけど騙し討ちはなかなか許せるって人はいないわけよ。

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