極道のタピオカ 略して「極タピ」

 今、タピオカブームにヤクザ屋さんが目をつけて、出店ブームになっているらしい。

「コストをかけずにブームのうちに稼ぎ、潮が引いたら撤収するつもり。だから店舗より移動販売がいいかもしれない。ヤクザ、カタギに関係なく、経済活動は楽して暴利、一攫千金が基本。クオリティを下げて儲ける努力はしても、こつこつ努力していいものを作るなんて愚の骨頂」


 たぶん、パンケーキの時も、バター食パンの時も、あるいはテンプレ小説大流行の時に出版社がわらわら増えたのだって、おそらくはヤクザ屋さん絡みなのだろう。

 彼らは目ざとく儲かる現場へ飛んできて、ブームが沈静化する前に潮のように引いていく。儲ける場所と見做されただけで、本業はヤクザなのだから当然だ。


 だが、彼らの本業はヤクザだから上記の台詞は正解だが、彼ら自身、ヤクザという非常に厳しい世界に身を置いている理由となると上記とはまた別の理屈が出てくるのではないかと思う。


 一時のブームは質もへったくれもなくていい、イナゴ相手に努力は不要。それは昔から、同人界隈にすら言われていた言葉なので今さらだし、逆に捉えて、本業を考える際にはコレではイカンと言われているようなものなのである。


 この台詞、「撤退」を前提に論理が組み立てられているコトが重要なポイントだ。


 彼らは、ブームの風に乗ってあてもない大移動をし続けるイナゴの群れを、レーダーのように追いかけて先回りで儲けるという、しごくまっとうな商売をしているだけである。(片手間で犯罪にも手を貸すから警察に締め上げられるのだね)

 だからこの言葉は、「イナゴの群れに品質など無駄な努力だ」と言っており、それは今の時点では正しいと彼ら自身が証明しているわけだ。


 しかし、商売には二通りがある。


 こういう一過性の流行り物を扱うばかりが商売ではなく、定番モノを扱う場合のセオリーというものもあるはずだ。定番モノは、実際は同じモノを売り続けるということではないし、型を外れず、質も下げず、その上で変化も加えねば消費者にそっぽを向かれるというような話を、どこかで日産だかトヨタだかホンダだかの経営陣がインタビューで答えていたのを思い出した。ここでいう質は、上質に限定される。



 同人界隈では「イナゴ」といえば流行に飛びついて次々河岸を変えていく、それも儲けが主体である同人作家のことだと思っているようだが、昔から言われていた正確な意味としては、上記で挙げたような、「質の解らんいっちょ噛みのファン」を指していたんだよなぁ。「イナゴ」と「イナゴ作家」で単語分かれてるでしょ?

 経済ヤクザのお得意様になるような、安物の紅茶とインスタントなタピの味にも気付かず大満足な鈍感舌を指して、「みんなが良いと言えば何の疑いもなく有り難がる」その態度を揶揄して、群れ飛ぶイナゴに喩えられたのがホントなんだよ。これ豆知識ね。(笑


 イナゴと揶揄しつつ、ヤクザが本業ヤクザであるように、副業的に他のナニカに手を出すということは世間ではごく普通、当たり前であるから、本業の片手間でイナゴをしているだけのイナゴと、そういうカラクリに気付かず本当の意味での根無し草になっているイナゴとは違うということは忘れないでいたいものです。…ちゃんと本業持ってる?(笑


 世間じゃより多くの経験をしろ、と言われるわけでね。それらの経験すべてを本業のように取り組むわけにはいかないからね。誰もが片手間でイナゴをしてるのよね。



 元記事URL忘れてましたん、すまんそん。

https://www.news-postseven.com/archives/20190617_1393174.html

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