メモ 津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』

 なんか、今、棘で見た。


 モメてるらしいけど、そこはまぁ作家さん本人もあんま囚われてなさそうだし、どうでもいいんだけども、選評だがね。選評が気になったがね。


 このミスとか、発表当時はすごい評価高かった作品らしい。複数人が太鼓判押してる。読みたいなぁ。


 ただ、タイトルは弱いと思うから帯と煽り文句は強めに出た方が…むにゃむにゃ。


 年間ミステリーレビューで二位!星4.5! だってよ。読みたい…




「小説を最後しか読まない。」この言葉、私は逆に「最初だけでダメか決める。」だから、意図は分かるんだわ。


 なんつーんだろ、ダメなモンはダメ、てだけのことしか言ってねぇ。

  (小説は”総合評価”だろ?て)



 だけどさ、反面でさ、「改稿作品禁止」てのあるでしょ? 私は、こういう「最初しか」とか「最後しか」という選考を業界が許すなら、それは反則だろと思うんよ。


 私が批評グループで「冒頭しか読まねぇよ」をやってたのは、別に私がその作品の生死を握るわけじゃないからでさ、冒頭を直せばそれだけで読んでもらえる率も上がるし、こっちも数をこなせる、て思惑の元だったわけですわ。


 改稿禁止とか謳う場所がある場合はさ、理屈に捩れが生じるじゃん?


 そりゃま、何千作品と応募されてくるんだから、ほとんど改稿してないようなのを何度も出されたら腹が立つって気持ちも解るけどさ。A賞は見る目がなかったんだ、でそのまんま送る作者だって居るだろうし。


 そうそう、私は、「とにかく次々と作っていこう!」て考え方は大嫌いだ。それこそ作り手にとっては非常に酷で、遠回りなやり方をなぜ推奨するんだ。それは、作者に自身の作品、産み出したキャラやアイデアを大量生産で使い捨てにしろ、と言ってるようなもんじゃないか。


 私が過去、足踏み状態のままで何十年過ごしてきたってことはどっかに書いたけど、次々と作れってのはそういうことに繋がるんだよ。勉強法だって、予習復習が大事と教えるのに、理屈に合ってないくらい解るだろうに、と思う。


 反省もせずに次々と思うままに作るってのは、趣味のアマチュアだけにしとけ!…と、そう思うわけよ。間違ってる?


 なんつーんだろ、自己都合でしょ? 数が多くて手が回らないとか、選考側の都合でしょ? それをさも、あなた方の為です、みたいなさ。嘘つくな、とか思えてきちゃう。出版とか紙の本界隈の信用ガタ落ちの、遠因の一つじゃないかとすら思う。


 Webだって最近は、ぜんぜん公平でもないし、不正天国だし、て実情がだいぶ知れ渡ってきたけどさ、そういうのってそのまま全体への不信とか嫌悪感にしかならないじゃん?(Webのこういう悪い点は直しようがないから、逆に紙の本界隈が付けいることの出来る商機なのに…)


 悪いスパイラルなんだろうけど……なんとかならないのかねぇ。カネも人も足りない、そういう業界の切羽詰まってます具合は想像がつくだけに、本当に、なんだかジレジレしてしまいますなぁ……。



 一番良い教育者は、いつまでも同じ場所で足踏みしてしまう生徒を、根気よく、何時間、何週間、何年でも、正して成長出来るまで付き合ってくれる先生だと思う。


 そんなヒト居たら聖人君子だけど。(苦笑


 学校という枠組みには卒業っていうリミッターが付いていて、生涯学習とか言ってるこのご時世でも、いついつまでに!とか矛盾したコト言ってんだよねぇ。


「理想主義の敗北」この世紀はそういう時代だけど、じわじわ出てるよね。公平な審査は理想だけど、純粋に質だけで選ばれるなんてことはないわけで。Webも人気商売で、質よりコミュ能力で売り上げが出る、とかね。人々は質を求めてるはずなのに、結果は質は二の次になる、そのジレンマを、鈍いヒトでもだんだん感じ始めてるよね。理想は敗北する、何に?と思っていたけど、ヒトに、なのかなぁ。因果ぇ…



 どんな作品も、批評を得て改稿を重ねれば、いつか傑作になるだろう。

 それが資本主義の元では費用対効果で天秤に掛けられてしまう。

 生涯に、一本の傑作を出せればその人生は成功ではないのか?



 ……いやぁ、資本主義はやっぱクソだな!(いつもの結論)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る