【ネタバレ】屍人荘の殺人、読了。【注意報!】

 いや、二日で読み終えちゃった。面白かったー。続きが気になってどんどん読んじゃうのと、胸焼けで中断したいのとで、これはもう間違いなくお薦めレベルで面白かったっす。(ただ、語りたくなる作品とは違う)


 胸焼けってのはアレです、ジレジレがムカムカになってグゥゥになって耐えれん、ってなる現象。サスペンスモノの良作でよくなります。


 トリックの方は…残念ながら最初のと二番目とは中盤までで予測付いちゃったけども、三番目は失念。てか、三番目はもうミステリよりサスペンス要素のが気になっちゃって心証的には「ぱーす!」て感じで端から思考放棄でしたー。(笑


 いや、しかし最初のヤツはずーっと解んなくってねー、そうとう騒いだだろうに両隣が気付かんかとか、どっから気付かれずに引っ張り込んだんだろみたいな、モロにトリックに引っかかってました。


 読み返しせんからねぇラストまで……。それより、講評の方で「人数多すぎて混乱するとこを~」みたいな文言あってさ、ええ!? たったこんだけの人数でも普通の読者的にはアカンのですか!? みたいなのの方が衝撃で。

 そら、名前と顔一致しません的な感じでこっちもキャラ全員の名前とか覚えてないけども、普通の読者はうすぼんやりとでも全員覚えられると思うんよ、だって学校の1クラスは40人だよ? とかとか。


 読者層をどこに想定するか、てのに係わるにしてもさ。ミステリ書くなら数人程度も覚えられないようなトコを狙ってもしゃーないだろ、とか、普通の読者のレベルだってもうちょい高いだろ、とか、ちょっと引っかかってしまって。

 いや、10人や20人、どってことないよねぇ、登場人物。それこそノイジーマイノリティの意見尊重してたらアカンとこの話と違うかなと思ったりたり。

 まぁ、短期間で大量に出したらアカンってとこの話とは思うけど、この作品だとそんなに気にならんかったよね、て。


 それより、犯人の独白とかの超長いセリフ……


 改行してええの?(汗



 さすがに公募作はアカンやろと思って、セリフ回しは死ぬほど大変だったんですけども。改行禁止と思ってたから。(もうガンガン改行しまくってやんの)


 基礎の書き方のルールにあるやん! セリフ内は改行禁止って!!


 改行していいなら、もう少しは読み心地がさ~。ブツブツ(これだから書き方の基礎だのセロリーだのって嫌いなんだよ、ご都合なんだからよー)


 あれ、もしかして長いこと誤解してた? 改行していいの? 国語の授業でやったよーな記憶が… (まぁこれからは遠慮無く改行して読みやすくする!)



 あ、この作品、探偵役が二人出てきます。奇しくも片一方はうちの恭介と同じ名前で、この恭介という名前は女難の凶名ですんでヤバいよヤバいよと思ってましたら、やっぱヤバかったという……ちょろっとネタバレ。


 いや、しかし、この二人の探偵というトコにもミソがちゃんとあって、そこに平凡ではない工夫を見いだしました。ただ難点をいえば、動機を狂気に寄せていくとコントロールが非常に難しいので賭けになる、という部分ですかねぇ。難易度高いのよね、説得力を持たせるのに。(そのせいでちょっと人情パートが上滑り)


 昔から狂人と天才は書くもんじゃない、と言いますわな。どっちも難易度高い。


 ちょうどこれの前に読んだ筒井先生のヤツが、狂想曲って感じのじんわり狂気が展開を追うごとにだんだん色濃く滲んでくる演出とかが凄い参考になりますんでー。思わず吹き出しちゃったもんね、主人公の心境があまりにも、てんで。


 そういう心理面のスムーズさがちょっと不満残ったかなぁ、という感想でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る