ラノベ表紙の嫌悪感がピンと来ない男性に向けて

 いろんな方が、それもかなり多くの方が嫌悪感を示している昨今のラノベのエロ系表紙ですけども。まぁ、ぜんぶのラノベ表紙ってのじゃなく、一部だけの話ですね。


 それの嫌悪感が想像付かない人もすごく多いみたいなんで、これは比較対象を間違ってるから伝わらないんじゃないかなぁと思ったりね。



 ようするに、こういうコトなのよ。想像してね。


「ぐへへ」と笑うソバカスだらけの眼鏡丸顔チビデブ体型の男キャラに、アニメ美少女顔Tシャツを着せて、リュックから溢れんばかりのポスターと、両手に紙袋提げさせて、そいつを社会の癌ですみたいな事件の中核として存在させる、そういう意図を持った本の表紙にそれらしく嫌悪感を催す気持ち悪さで描かれた、そのものの表紙が、『本屋とか吊り広告として』あちこちに散見される状況。


『キモオタのステレオタイプな象徴的キャラクター像を、嫌悪の対象として扱うことを当然とするよう示唆した図柄』のことね。これがあっちこっちにチラホラある、てことですわ。全体の一割に満たなくても、度重なれば気分悪くなってこない?


 これ、このキモオタ像、私もしょっちゅう使います。だって便利だもん、て。女性はフツーに記号的な使われ方をするんだし、イケメンってのもかなり記号的に使われるわけなんで、こういうダークサイドの方向だって別にタブーとか言うなよ、というのが私の主義なんで、そりゃもう遠慮無く悪役で使わせてもらってます。(笑


 キモオタ○ね! て感じに読者に感じてもらえる下地はもう出来ているんで、非常に便利ですね。いろんな手続き抜きでいきなり使えてしまうほど、堆積した嫌悪感を持つ、非常に優秀なキャラクターパターンの一つですもん。


 同じことなんですわ、フェミの方々が嫌うある種の女性キャラクターパターンと、このキモオタ男性キャラパターン。問題のポイントはズレがあるけど、貶める目的のパターニングという意味合いは同じと思いますわ。



 けど、あんまり使用例が目立ってないんで、このキモオタパターンが溢れかえっていて世間的反感を呼ぶほどまでボルテージが上がっていない、てのが想像付かないかも、ですね。

 世の中に、それこそ何十年とこのキャラが蔑視用として街のあちこちで普通に使用されている状況ということです。誰憚ることなく平然とね。

 問題の女性キャラパターンは売春婦用ですけどね。お色気用か売春婦用か、というのでちょっと悩ましいなと思ったけど、キャラの性質的には売春婦と見做した方が近いんじゃないかなと思います。お色気役を通り越して売春婦的であるから、その表現者が嫌悪されている、ということですね。キャラが嫌われているんじゃなく、その作者、絵師が憎まれてるんでお間違いのないように。


 肉体の性的パーツの強調や、男性への奉仕的精神性を表す表情で、女性の魅力を描き現そうというその制作者の意図が、嫌悪されているということです。


 けど現実にそういう女性は居ますんでね、居るのは解ってるけど、さほど目立って多いってわけじゃないから実在女性のほうは表面化してないだけですね。世間を見回してあんまり目に付くほど多くなればバッシングを受けると思いますわ。


 これは女性の抑圧と、表裏一体です。(女に性欲はない幻想の弊害)


 ぶりっ子だろうが、肉食系女子だろうが、本来はどういうスタンスでいようが自由なはずなんで、男性に媚びたスタンス取ってる女がいたって責められる言われはないですわな。(同じ意味でロリコンも可哀想なもんですわ)


 ちな、ロリコンがアカンとなるのは、婦女暴行の可能性が拭えないからですな。どんだけ純愛を謳ったところで、未成年ですんで洗脳的な被害者側面を考えたら、彼らがやってることは例外なくレイプかも知れんね、ていう危険がね。ほら、こんだけ科学が進化しても人間のコピーって問題でクローンは危険視されるでしょ、一緒よ。


 表現者の側には、表現することそのものが女性全体への抑圧になります。

 批判者の側も、女性全体に対してこのスタンスを批判するという抑圧になります。


 鍵になるのは「記号化」というものです。小説のキャラ自体にはこういう批判はあんまり起きません。批判されるのはあくまでイラストだけです。それは記号だからですね、イラストは記号化の側面が強く、小説自体は記号化の弱い媒体ですから。


 小説は、個別パターンと認識されます。エッセイなどで「女はーー」とやったら多分に主語の大きい話に取られがちですが、同じことを小説でやったら、ある女のケースとされ、それが全体と比較してどうのこうのという判断は読者に委ねられます。ま、これが小説で書いた方がなにかと都合がよい、という時の一つの理由ですけどもねー。同じことは漫画でも言えます。動きが伴うことで、イラストの一枚絵が命を持ち、一人の女のケースに認識が変わるからでしょうかね。イラスト一枚絵だけだと、どうしてもそれはエッセイ的な主語の大きさを持ってしまうわけです。漫画や小説よりは格段に。


 表現には「抑圧」というものを正当化するロジックが含まれており、それを批判する場合も逆方向に「抑圧」を正当化するロジック逆回転が含まれてます。


 ジェンダー論はそこを突つくと、哲学的袋小路に陥るんですねー。なんだっけ、ポストモダンだっけか、最新のヤツも袋小路で自滅したんだっけ、だよね。(笑


(お色気ムンムン媚び媚びスタンスで生きるのは一つのパターンに過ぎないのに、表現という行為はそれを推奨する方向での抑圧を生み、フェミのように表現を批判すれば女性の選択の自由への批判や表現そのものへの批判に繋がってしまう、という袋小路です。表現にはしかし批判されるに足る原罪は含まれてますけども。)



 ……いいかげん、皆、自分は有罪だってこと、認めようよ?(万民有罪説)




 なんかさー、最近、棘のフェミ系の纏め記事とか読んでて感じるのは、潔癖症が過ぎるというかー、一片の曇りなく無罪でありたくて過敏になってるってか、そんなに汚れるのが怖いか?みたいな疑問。どっちも有罪なくせにどっちも無罪を叫んで争ってんのがねー。オモシロイデス。

(白金に出来たとかいうドンキの店舗の話題を見習えよ、とか思うのだよね…)



 こういうエロ表現は別に法律違反でもなんでもない、これは一般誌の範疇だと息巻いている方々に注意を促しておきたいトコですが、アメリカでは規制がものすごいことになっているけど、明日の我が身と考えとけよ、ということですわ。法律は改正できるし、それはたいがい多数決やで、と。


 あちこちに彼らの気に入らないエロ表現が見えるから、感情論の多勢に無勢で押し潰せ論法になったんだよ、「黙って我慢してたら調子に乗りやがって」みないな感情だろうよ、それくらいエロ表現が巷に溢れてるの認識したらどうよ、と思うわ。同じ問題が中国で起きたら、当局は問答無用で撤去に掛かるんじゃないかとかも思うさ。


 調子に乗りすぎたから堪忍袋の緒が切れた状況、だと思ってるよ。怒濤の反撃が起きてくるだろうね、彼らは別にアニメ的イラストが無くなっても困らないという点を甘く見ない方がいいと思うわ。これは戦争だよ。それも正攻法では勝てない軍がオタ側だし。安倍首相とかも経済効果から擁護してくれてんのは明らかだけど、世相が反オタク優勢になれば、手のひら返すの当然だからね。理屈じゃないよ、嫌悪感は。


 そんなにない、という認識がまず間違ってて、例えば棘を見ててもアニメ絵のCMはほぼ女の子キャラで胸と尻の強調なんだよ。ソシャゲのCMに始まって、ラノベも漫画も、多少なり媚びが入った表情の女キャラで胸と尻で、それがサブリミナル効果上げてくるの、ほんとに気付いてないのかと不思議だよ。嫌悪感増幅装置と化してるよ、アレ。ネットのあのテのCM動画。ボディブローでじわじわと効いてる感じ。私もかなり嫌悪感が高まっているし、なんでかなと思ったらアレっぽいわ。だから、嫌悪派の「我慢してる」はアレらも全部含めての蓄積値を言ってるから、気付いた一般の非オタの方々もどんどん巻き込まれていくよ、今は認識してないだけだから。


 塵も積もれば害悪認定、て感じだね。(笑

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