怖いモノ
「あなたの一番怖いモノって、なぁに~?」
急に掛かってきた電話で、いきなりこういうことを聞かれたとして、「おまえだよ!」なんていう関西人特有のノリツッコミな回答じゃなく、本気で怖いモンを考えたとして、自分は何が怖いだろう、とか思って。
怖いということの定義で言うなら、永続性があり、不可避、かつ、逃げ道なし。
私はよくあるホラー系の、逃げる方法を考えるという緩衝材が、入る余地のない恐怖ってのが一番怖いと思っていまして。絶望的な怖さ? 詰んだ、て一瞬で解かるよーな、それでいてフィクション感が限りなく低い、どうせツクリゴトという逃げ道も塞がれた状態? そういうのが一番怖いです。
現実にありそう、かつ、逃げようがない、かつ、過ぎ去ることはない。
これが怖いなぁと思っていて、今まで見てきた中だと、SF漫画作品で出会ったものが過去最高の「怖い」でした。超能力を持つ食虫植物の話。といってもデカい。デカいから人間だって食っちゃう、というね。繁殖力とかはどーでもいいの、超能力で獲物を自分の胃袋に直接放り込んでしまうという、そのポイントがすごく怖かった。
永続性、不可避性、脱出不能、三つとも備えてた。おまけに、SFだからどっかにそういう惑星あっても不思議じゃない、ていうね。宇宙人とかが持ち込んでたって誰も気付かないし、気付いた時には手遅れ。
例えばさ、ゾンビに超能力付いたら、逃げようがないのよね。て。だけど、そもそもでゾンビ発生するまでに幾つものクッションがあって、そのクッションの数だけ、フィクションという緩衝材が心理的衝撃を緩和しているわけよ。
現実にありそう、これが第一関門。ここが弱まるほど怖さは薄まるでしょ。
そして、誰もが遭遇する可能性があり、完全な無作為で、現在それが表面化していないとしても妥当と思えるだけの低い確率、てのが条件になるのかなぁ。怖さの。
すぐ傍に迫ってくる必要なんかないのよね、怖さって。存在を否定できないということが効いてくるわけだから。そんで、人生のどこで出会ってもおかしくない、という永続性がキモでさ。
期間限定とかダメだし、一点でも否定できるポイントがあってもダメなんだよね。
「実在するかもしれない、」 私が一番厭な「怖い」はこれですなぁ。
もう一つ怖いのは、脳みそ内部のハナシ。
私は、こうして書いている時にはもう頭の中ではもっと先へ進んでいて、眠っている時以外はフル回転で思考が走っているタイプですが(つまりこうして書いているよーな状態が常の思考状況)、時々、自分がドーパミンだか何だかが異常な病気かなにかで、オカシイんじゃないか、狂人なんじゃないか、と本気で思うことがあるって点です。
三分で忘れるトリ頭の点でも、自分ではADHDとかで無理くり納得させてるけど、本当は違うんじゃないかという気もしないでもない、というか。思考がまるで濁流のように、先へ先へと押し流しているので、大事なことすら流されていって、留めておけないんですよな。(それがADHDのひとつのパターンかもですけど)
追記:
棘の記事で、タンカー衝突のこと読んで思ったのがある。
最近は世界中で災害の規模がデカくなっているので、地球という天体のバランスが不調なのは確かで、実はこれを元に戻す力が働いているんじゃなかろうかという恐怖があるよね。科学的な現象でしかなくて、だけど氷河期とか、逆に温暖化で一度地球が砂漠の惑星になってしまうとしても、万年単位での修復作業に過ぎないかも知れない、とか。
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