現代フェミニズムの構造
かつては、明らかな女性差別というものが政体にも存在した。女性を差別的に扱うことは権利だった。それが、参政権を認めないなどの施策だった。だから、フェミニズム運動の目的は、この法で認められた差別の権利を無効にすることだった。それが達成されれば、矛先を失った存在として危険視されねばならなかった。
変質してしまうことを恐れるべきだった。現在、政治的男女差別は多くの国で撤回されている。あとは文化や習慣によるもので、方法論も構造も違うものだから、また別の抵抗運動を用意しなければならなかったんだ。あるいはまだ法が撤回されていない国々に場所を移すべき運動だった。適性外の問題までこれで解決しようとしだしたのが間違いの始まりだ。
変質してしまったフェミニズムは、仮想敵国を求め始める。もともとが国家を相手にするための構造だから、仮想敵は大きくなるのが当たり前だ。男全体を範囲に収めなければ破綻する理論構造を持っている。かつては、国相手ならば、男全員が無意識にも賛同したと見做せもしたが、現在、差別を国は認めていないのだから、根源からが崩れた思想なのだ。
これに関しては、まだ練れていないから外殻しか描き出せないのが悔しいが、おおむねはそういう所に問題が集約されると思っていいと私は思っている。まだ時期尚早だわ、論が弱い。
何が有害かと言って、本当に善良な人々のその善意や正義を捻じ曲げ、本来の差別に反対するという姿勢から離反させ、それに気付かせない、悪辣極まりない思想へと変貌したことなんだ。これこそ、ひねくり回したご大層なリクツで迂回させまくり、本質から目を背けさせる、昔学会とかで流行ったというやり口そのままなんだよな。
それで言うなら、差別反対という思想もまた、限定範囲を持ち他方では有害となる処方薬だけどな。有効範囲の限定された思想の中のさらに限定された枠専用だ。
何でもかんでも簡易化、省略化、記号化で持て囃してきたからじゃないかと思う。
解かりやすいもんに飛びつくな。
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