異世界系作品が流行るワケ
てのを、割とあちこちで見かけます。諸説入り乱れてて、どれもまぁ説得力があるよーでいてよく考えりゃ穴だらけで、という感じです。
小説でも論説でも、説得力が要だからね。(まぁそれは置いとく)
なんで異世界が流行るのか。一つにテンプレが認められるよーになって、格段に書きやすくなったってのがあるでしょうか。二番煎じは悪、でしたが今はさほど言われなくなったんで。その代わりパクリが増えて民度は低下の一途ですが。(擁護の意見を見かける度にプライドねぇなぁこの人とか思ったり思ったり)
転売周りの騒動を見るとすっごく似ていて笑えます。
他の面白い理由付けには、現実逃避だという意見も聞きます。もともと娯楽ってのは逃避だと思うのですが、地に足のついた逃避と、完全にフライングアウェイしちゃった逃避には違いがある、という意見ですね。
現世とは何のしがらみもない娯楽、という事でしょうか。話題になっていた「この作品にはストレス展開がございます、ご注意ください。」なんてのもこの系統ゆえの事件だったんでしょう。
現実逃避を突き詰めていくと、ノーストレス、からのリアル路線の排除へ繋がり、現実舞台の忌避、問題提起のタブー化、あるいは出したとしても「なんちゃって提起」という感じで非常に底が浅い、という扱いになるという感じでしょう。
ま、ガキのたわごと、という程度にしか問題を取り上げられないのは経験値が低くて未熟ゆえ、という事もあるのでしょうが。(見事なブーメランで痛たたた)
これがまた、スパイラルなわけですね。程度の低い問題提起しか読んでなければ、いつまで経っても深化していかないわけでして。自身がその方面で成長しない。
しかも問題提起ってのは提起だけされてもしょーがないわけで、それを解説してくれる人を必要とするわけです。未知の情報なわけなんで。
つまり決定的に池上彰不足。
林先生とか池上彰氏、そーいや儲かってそうですよね。という話。
解説者というのもスキルの要るお仕事だと思いますが、扱う問題が高度になるほどにスキルも高いものが要求されてしまうのでしょう。専門的な話を専門家ならば解かるというよーにしか解説出来ないんだったら無いのと一緒、てことです。
これに適したツールだったはずなんですけどね、小説。
世の中に出ているハウツー本ってのも二種類があり、「解かったよーな気にさせて自己満足だけ与える本」てのと「本当によく理解が出来るようになる本」てのがありまして、後者の本は読者のレベルによっては難解で理解に至れないというものです。
これがまたスパイラルを形成してまして、やわこい本ばっか噛んでるとちっとも歯が丈夫にならない、て話ですわ。
しかしながら、世の中はスマフォなどの拡散によって、もはや人間関係が表層だけでしか繋がらないよーな社会ですんで、ワールドの中には自分しか居ないのですな。
コミュニケーション能力の高低により人間関係の規模と深度も定まり、そのうちの孤独な層ってのが劇的に増えたと言われているわけです。画面の向こうは生きた人間だとして溜飲を下げ、本当の意味での人との絆というものは皆無、という人までいるでしょう。
ここで持論。
異世界系が流行っている、特に、学生以上の新社会人層と呼べる20代~30代にメインボリュームがあるのは、彼らが孤独だからである。とぶち上げてみます。
彼らの求めるストレスのない理想郷、それが異世界かも。(て、これもよく言われてる意見に落ち着いた感じが)
友達がいないわけじゃないし、本当に孤立してるわけじゃない、不満言うほどでもないけど満足もしてないという感じで、現実はもういいから理想を見せてよ、という感じではないかと。
今の世の中には、甘くてやわこい娯楽が溢れかえってます。わざわざ苦くて固い娯楽を必死に噛む意味も解からない、という状況ですんでねぇ。
それがじわじわと格差の固定に繋がってくんだろうけど、あんまりじわじわ過ぎて実感ねーよ、てのが問題かもね。親の知能が低いと子の知能も低くなる傾向にあり、それがひいては学校格差、就職格差、結婚偏差値とかどんどんスパイラルに絡むという構図ですわ。
飽きた。おわり。
追加。
「昔は良かった」系の話でよく観る、今の若いのは大人しくなった、みたいなのも違うと思うんだな。大学サークルとかで論戦ガッツリでぎゃーぎゃーやってた、みたいなのは今でもトゥゲッターとかツイッターの炎上なんか見てたら健在じゃん?
よくネットマナーがどうこうで論戦封殺しかけてくるバカを見かけるけど、リアルでも出来なくなってきてんのに、じゃあドコでやんのよ?(場違いKYと論戦の区別は必要だけども)
ただ、ネットだから「嫌でも目に入る」という状態じゃなくなったのがね。共有空間が狭くなって村社会化が激しいから、地域住民だけで完結しちゃうコミュニティが増えたんだろう。井の中の蛙って人が多いのは解かる。
そのコミュニティで通用してる情報にはやたらと詳しいけど、外があることさえ忘れてそーだな、みたいな。
論戦の効能ってのあると思うよ~。少なくとも、「解かったよーな気でいて」勝てることはないんで、ガッツリ理解への欲求が高まる。平和ボケってヤツ?片方に癒しとかまったりとかへの欲求にも通じるよね。バランス崩すと戦争か退廃になる。
だから、異世界系の需要ってのは裏側に激しい知的活動がある、とも観れると思っている。ガリガリと知的活動した後に息抜きで異世界テンプレ読んでる、が多いと思う。やわこい本しか読んでない井戸層と、どの程度の割合か解からんけどもね。
書く側には言及しない。(笑
「なんちゃって問題提起」で「ガキのたわごと」程度の底の浅いシリアスしか書けていないのかも知れない、ていう自己への問いかけね。もしそうなら、大人向けの公募賞でデビューなんぞ夢のまた夢ですからね。……考えるだに怖い。自分で解からんだけに。
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