ネット時代の先行き
ネットで万民が自己発現できるようになって久しい。その結果、誰も彼もが情報の発信者となりたがり、一億総オタ時代とも言えそうな状態に達した。
右向け右なモード追っかけ型の大衆が居なくなり、どれだけ他人と違う自分を発信できるか、あるいはどれだけ他人より突出している自分をアピールできるかを競うようになった。
かつて、モードは指標であったが、現在では情報の一つに過ぎない。押さえておくべきポイントという程度の位置付けに下がった。モードに倣って行動といった、原動力とはなりえなくなった。人々は大勢の人が群がる場所をチェックはするが、そこから自身の方針を導くということはしなくなった。
かなり自己が確立してきたと言っていい状態だと思う。その結果に、好きなものを好きと憚りなく言える環境が整った。しかしまだ、魔女狩りのごとき、他者への抑圧と追従の要求は止んでいない。好きを表明するのと同じように、嫌いの表明が出来ないのが証拠だ。自由の陣営はむしろ批判的精神がどれほど受け入れられているかで決定付けられている。
批判に対する批判に、人格攻撃や配慮を持ち出す者は卑怯者だ。
嫌いだという意見が嫌いならば、真正面からその意見が嫌いだとだけ言えばいい。
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