勝手にカクヨム公開作の講評します。

 いや、ほんと無許可で勝手に講評を書かせてもらいます。ご本人にお知らせする気もないし、かなり酷評になるかもなんで知られたら嫌われるかもです。


『不老のセツナと不死のイマ』


 いつもエッセイを読ませて頂いて、ヤル気と元気を頂いてるんで。ちょっとでも力になれたらなーという気持ちはずーっとあったんで。ぜんぜん接点ないから勝手に書いて失礼なんだけど。書きますっ。


 まず、冒頭のエピソードに読者の興味を引く要素がまったく見えないです。いきなり皿を、食器棚ごと派手にぶちまけるとか、何か「おっ、」と思わせるシーンから開始した方がいいんじゃないかなと。それもサブキャラでなく、主役を前面に押し出した方がいいかと。ラノベはそれが許されるのだから、多少あざとくてもやった方がいいかと。


 次に、主人公の容姿を描写してますが、見た目という視覚情報だけを描写というのは、正直、初心者のやる事ですので昨今の目の肥えた読者には不興かと。もう一段上の描写をした方がいいです。特に冒頭には渾身全精力注ぎ込んだ方が。


 で、ストーリー自体のサイズがこの文字数には収まりきらないデカさです。設定が色々とありすぎて、これをやりたければ連載で10万文字とか要ると思います。

 3万ほどでコンパクトに纏めることが出来るテーマではないので、色んな事柄が省略されていて、読んでて首を傾げます。

 ここ、舞台はけっきょく異世界なのでしょうか、その割りにパスポートって?という具合に、世界観がおざなりで「解かったつもりで読んでくれ」という感じ。


 描写などをその分持ってきたいのでしょうが、シーン自体もこれは必要なのか?と思うものばかりです。登場人物の数ももっと絞って、エピソードも最初の喫茶店のシーンと軍人同士の諍いのシーンは削ってしまえるはずです。セツナが主眼にあるなら、セツナを中心に話を回した方が、この構成では正直、まだるっこしいばかりで作中何が中心なのか解からないです。


 登場人物が無駄に多く、端折って書くせいでシーンがブツ切りで、幕間というように次々目まぐるしく舞台が変わっていきます。これでは読者が余韻に浸る間もありませんし、キャラに好意を抱く前に出番が終わります。しかも一人称の群像劇状態。

 とにかくとても読みにくい。読める文章なのに、描写としても成り立っているというのに、忙しなさ過ぎて、読み流すことを強要されているような読み心地です。とにかく人数が多すぎる。3万字なら脇役入れてもせいぜい5人でしょう。


 3万字しかないのだったら、場面転換を無くすくらいに構成しなければ忙しないと感じさせてしまいます。その程度の文字数です。文章的課題はほぼクリアされているのに、構成の部分で欠点が多すぎると思います。

 もしかして、作者さんはシーンとシーンの繋ぎ目を綴るのが苦手なのかな、とも感じます。ワンシーン小説の羅列といった印象も受けるのです。シーンとシーンを自然に繋げるような事が苦手で、幕間群像劇みたいな構成にしたのでしょうか。


 昨今のラノベはみんなこんなに忙しないのでしょうか、と疑問に感じるところですね。ラノベをほぼ読まなくなったので、この感性が古いという事もあるでしょうが。

 風景描写などのオブジェクト系の描写がほぼないのも気になりました。


 とまぁ、読後感想としてはそんな感じです。

 書きたい放題に書きましたが、作者さんが今後も元気に公募生活を続けて、カクヨムに光を投げ入れ続けてくれる事を願います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る