最近の若いモンは、ボーダーがないのぅ。

 昔はなぁ、「えー、そんな古いの、だっさー。」とか言って、古いというだけで読まんかったもんじゃ。もちろん、良い事などではない、だが、昔の若いモンは総じて古いモンは拒絶反応で受け付けんかったもんじゃ。多くの若いモンは、古いモンは読まなんだ。


 ところが昨今の若い連中はどうじゃ。古かろうが、流行りでなかろうが、面白そうとなれば何にでも手を出しおってからに。そんなんじゃから、新規のモンが売り上げを伸ばせんのじゃ、古いモンとも競合するなんて、かつてない由々しき事態じゃ。


 それが関係しておるのかは知らんが、最近はまた、特別若い世代から天才的な才能があちこちのジャンルで登場してきておる。将棋もそうじゃし、ギターもそう、ダンスなんぞでも天才少年とか言って騒いでおった。


 反面で、一つの事に凝り固まり、それしかやらんという文化引き篭もりみたいな奴らも出てきおったな。実際の引き篭もりが社会から落伍していったのと同じように、彼らは知らず知らずに時代の流れに取り残されておる。

 閉じこもったその場所は、ちょうど引き篭もり部屋のごとくに外界をまったくシャットアウトで見えなくしてしまうんじゃな。


 まったくもって、昨今の若いモンは二極化が激しい。文化引き篭もりの連中は、リアルと違って引き篭もり部屋がだだっ広いからのぅ、まさかにそこが引き篭もりの隔離部屋だとは気が付けんのだろうなぁ。


 この先、どうなっていくのか、老い先短い身には想像も付かん事よのぉ。

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