カクヨムで読む批評文化
やー、カクヨムってなんだかんだ埋もれた豊作畑なのだよね。(笑
特に「創作論・評論」は豊作で、刺激を貰ってます。皆さん有難う。
若者の文字離れとか言われてますが、纏めサイトのトゥゲッターのコメ欄とかここカクヨムの創作論・評論カテの作品をよぉく読め、と思いますよ。文字離れしてる連中が大半ならば、これだけ頭良さそうな論が豊作になってるわけないだろ!と。
見えないのだよね、自分の立ち位置からの狭い範囲しか見えないだけ。(笑
ツイッターとかラインとか、村社会的なコミュニティを強化するツールばかりがウケているから、ますます視野が狭くなっていて、何の根拠もなしに自分のレベルは最大公約数のはずだ、と思ってしまってる。
見たいものしか見えない、の状態。
アニメとかオタクとかラノベとかは、一つの層の需要ではあるんだろうと思う。それはアイドルオタとかと同種の性質を持っている事が知られて、今、あの手この手でビジネス化が図られている、という事かと。ソシャゲもその一環で、その儲けが、このオタク市場というものがいかに巨大であるかという事を知らしめたわけだけど。
そらそうだよ、オタクの中には他の層の人々みたいに結婚準備だの人付き合いだのファッションだので資金の分散をさせないで、趣味だけに金つぎ込む人って多そうだもんね。一人頭の購入見込み金額が他の層と違って多く見積もれるわけだ。
けど、ラノベ人気っていうのは多分に習い事ビジネスの匂いがするから、もう少し注意深くなった方がいいと思うんだよなぁ。とりあえずプロデビューで一回は本にするけど、はなからその先面倒見る気はないのではないか、という疑いを持ってる。
専門学校とかのビジネスプランってそうじゃんか、て。ちょうどその形態が、出版事情にも都合が良かったんじゃないの? とにかく平台や棚を確保するために、売れようが売れまいが出版点数を揃えねばならない、とかの。
とにかく片っ端からデビューさせて、それはただ平台を埋めるための実弾的扱いで、よしんば売れたならラッキー、くらいのつもりでデビューさせてんでしょ?
『異世界転生ものに関する哲学的省察』https://kakuyomu.jp/works/1177354054883112834
を読んでなるほどと感心したのが、「再帰的マーケティング」というもの。製作者がそのまま消費者になる、というマッチポンプ的な消費形態もあったね、そういや。
最たるものが、習い事ビジネスなんだけども、まさしく現状のラノベ人気そのままだわ。参入障壁が低いという事は、それに目を付けて参入を狙う者も多くなるってことで、このワナビを狙って仕掛ける商売ってのはボロいのよ。(笑
ワナビの心理を考えるでしょ、まず参考書が売れる(書き方教本)、最近の流行りを偵察とか参考にってんでライバルの本も売れる(同系統市場)、教室開いたって売れる(小説講座・専門学校)、仲間を探して励ましあっててのも売れる(SNS)、てな感じはそのまんま、かつて大流行りした幾つものオワコン市場とそっくりだ。ポップデザイン講座だの挿絵講座だのね。
需要を大幅に上回る供給の道を付けてしまえば、品がダブつくわけで、例えば作物なんかでは廃棄してでもそのバランスを取るってのに、どうもおかしいと思ってた。
SNSなんかのタダで読める素人作品まで入れたら確実に市場崩壊してるのに、変だなぁ、て。同じくで漫画もWeb漫画が溢れて、市場崩壊に近付いてるから、Webでレンタル形式の纏め売りに出てるもんね。ラノベなんかWeb漫画の数倍規模で溢れかえってんのに、確実に崩壊してんじゃん。
本当に息長く稼げる場所ってのは、どこも参入障壁は高く設定されている。食える作家の場所って、一般文芸なんだろう。本屋の棚を確保したいのはこの文芸用のスペースなんだけど、世間は気付いてしまったんだよな、ラノベと文芸はどうやらベツモノらしいって。だから、そろそろラノベが本屋の平台に置けなくなりそうな気配がしてきたんだろ?
ちょっと前に本屋に行ったら、ラノベコーナーはすっかり有名タイトルのものだけになり、文芸スペースに混ぜておかれるようになっていたよ。
どっかのスレで編集さんが嘆いていたっけ。読者をラノベ以外の読書へと導いてこなかったからだ、みたいな事を言っていて違和感があったんだ。そうじゃないよね、これは書き手をラノベ以外も書けるように指導してこなかったから、供給過剰でラノベ市場が水没することになったんだよ。
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