橋田壽賀子さん、「安楽死」問題

 江原さんが噛み付いてたねぇ。うん、どっちの気持ちも解かるんだけど、どっちも言葉足らずで真意が伝わっていないよねぇ。誰よりご本人達が解かってるだろうけど。紙面の二ページほどを割いたところで書き切れるような内容じゃないし。


 老いるというのは、子供に還っていく事だと言うねぇ。けど、一度成長してから子供に還るというのは、ただの逆回しではなくて、子供の頃にはなかった悲しみや恐怖を伴うものなんだよねぇ。


 赤子を育てた経験があるなら、四六時中片時も目を離せないような存在がどれほど大変なものかは知っているよね。それに近付いていくというのは恐怖だろう。哀しさもひとしおだ、惨めにすら感じるだろう。それならいっそ、という気持ちは解からなくはない。


 いじめとか社会的外圧とかで生き辛いという事と、自身の内面での生き辛さを一緒にしちゃいけないと思うよ。老い衰えていく事を重病患者の末期と重ねてしまった方に、それでも生きろというのは酷じゃないだろうか。それは発言者の自己満足だ。


 治る見込みがない病と捉えて、これからどんどん重くなる症状に戦々恐々とする気持ちも理解するし、その周りにいる人がそれでも生きて欲しい、いやもう楽になって欲しいと願う矛盾した気持ちだってわかる。


 のた打ち回って苦しむまで行かなきゃ納得しないのですか、と聞きたい部分もあるし、それでも頑張ってくれと鞭打つようにも見える家族の本当のところの悲しみを考えると、涙なしにはいられないだろう。人間だもの。


 最後のワンフレーズで台無しにした感が強いけど、だけど人間だものね。

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