“零” 〈

 

 ・・・・・・秋の早朝。爽やかな空気と感じるかすかな肌寒さに眠気を徐々に醒まされながら、シエスタはテントの幕を開けた。

「おはようございます、ミス・ヴァリエール。今日も一日、よろしくお願いしますね」

日の出には少し早く、いまだ空は薄暗い。夏の茂りを終え、茶色く枯れ伏す草々のなか、ひとりぽつんと座るルイズに挨拶をして、その周囲を取り囲む光を数える。

 以前にこの光がルイズの体の中に溶け込んでいったのを偶然目撃してから、これがシエスタの朝の日課になっていた。

 (5、10、15,16・・・・・・・やっぱり一つ、無くなってますね。・・・・・・。この光たちがすべて消えたとき、ミス・ヴァリエールは解放されて、サイトさんは戻ってくるのでしょうか?)

 魔法、ましてや“伝説”のことなんて平民の自分には分からない。なのでともかくできることをしようと、シエスタは今日もルイズの世話を焼く。

「さて、ミス・ヴァリエール。お召し物とお体を、綺麗にさせて頂きますね」

声をかけ、ルイズを覆う半球状の空気の膜にシエスタは手を突っ込み、杖をうごかす腕を邪魔しないように、ルイズの身体を、制服を時間をかけて少しずつ、濡れたタオルで拭っていく。

 コルベールが言うにはルイズの身体は“固定化”により身体の機能が止められ、その肌は汗一つかかず、食事や睡眠どころか息をする必要すらないそうだが、どうやら服には“固定化”は掛けられておらず、日が経つにつれてどんどん汚れていってしまうのだ。

 ・・・・・・服はともかく、身体を拭うこと自体には意味はない。しかし理屈で分かっていても“身体を清めていない”という事実は年頃の乙女にとってはストレスだ。“綺麗だから大丈夫”とは思えない、女は男のように簡単な生き物ではないのである。

 (・・・・・・それにしても、エルフの魔法ってすごいですね・・・・・・服は詠唱の邪魔になって着せられないですから、こうして温度が保てるのはありがたいです・・・・・・)

 季節は秋、これからどんどん寒くなっていく。この制服では冬の寒さを凌げない、との憂いもあったが、ルクシャナに掛けてもらったこの空間魔法は、当分消えることはないというので安心だ。

 ・・・・・・世話をするとはいっても、できるのはこれくらい。他には退屈しないようにそばにいて本を読んだり、ひとりで過ごす夜が寂しくないよう、こうして隣に立てたテントで寝ることだけだった。  

 「じゃあ今日は、これを読みますね。ミス・タバサからいろいろ、面白い本を紹介してもらったんです、これで当分は退屈しません!」

 シエスタは今日も、本の読み聞かせを行う。この声は空気の膜に阻まれて、ルイズには聞こえていないかもしれないが、そんなことは構いはしない。できることをやらずに後悔するくらいなら、それがたとえ無駄になったとしても本望だ。

 ・・・・・・ページをめくって、干害の文句を言いに来る農民の対応をし、本を取りに学院に戻り、時折様子を見に来る水精霊騎士隊に今日の出来事を伝え、再びページをめくり・・・・・・そして気が付けば、辺りはすっかり暗くなる。こうしてシエスタの一日は終わるのだ。

「・・・・・・それじゃあミス・ヴァリエール、おやすみなさい」

 ルイズの周囲の光によりまだ辺りは明るいままだが、夜を更かして身体を壊しては元も子もないので、テントに戻り眠りにつく。

(・・・・・・それにしてもこの明かり、何とかならないものですかね・・・・・・)

 夏は小さな虫が寄ってくる程度で済んでいたが、今は冬を越すために生き物が活発になる季節、それに今年は日照りによる干害も重なる。近くの森から飢えた猪や狼が出てこないとも限らないし、・・・・・・最悪の場合、はぐれたオーク鬼等の魔獣に襲われる不安もあった。

(・・・・・・でも、あんなに疲れてる水精霊騎士隊のみなさんに頼むわけには・・・・・・、それに今までだってなにも無かったし、これ以上迷惑は・・・・・・かけたくないです)

 そう思い、今日もまた二人きりの夜をシエスタは過ごすことにする。テントの入り口から吹き込む風、覚える肌寒さに毛布を肩まで手繰り寄せると、持ち前の寝入りの良さであっという間にまどろみにその身を委ねる。

 ・・・・・・しかし、シエスタのその判断は間違っていた。作物や草木の不作で活動を広げるのは、なにも動物だけとは限らないのであった。

 

 

 夜空を照らす双月を包む雲。夜更けの闇が辺りを染めるなか、火塔の隣、煌々と窓から明かりを漏らすはコルベールの研究室。

 「・・・・・・鍵はかけてないわ。開いてるわよ」

 突然荒々しく叩かれたドアにキュルケがそう答えた途端、弾けるようにドアを開けた“彼”は状況を説明し、助けを求めてきた。

 ・・・・・・矢つぎはやに状況を語り始める“彼”の言葉をキュルケは一通り耳に入れ・・・・・・ゆっくりと首を横に振った。自分もコルベールも、昼に夜に研究漬けで疲弊している、これ以上労力は割きたくない。なにより“あの子”がいるのなら、その程度の事など、脅威にすらなりはしない。それに、助けを呼びたいなら水精霊騎士隊を呼べばいい。

「私情で騒ぎを起こして外された身で、迷惑をかけた水精霊騎士隊は頼れない・・・・・・その気持ちは分からなくはないけど、あなたの体裁に付き合える余裕は、残念だけどわたしたちには無いのよ」

 そう言ってドアを閉めようとしたその時―――“彼”は信じられないことを口にした。ドアノブを引き寄せる手を、キュルケは驚きに止める。

「なんですって? ・・・・・・確かにそれなら、そこら中を飛び回ってるあなたたちより、わたしたちの方がずっといいわね。・・・・・・でも、流石にジャンは・・・・・・」

「わたしのことなら心配は要らんよ。教え子たちの危機に向かわずして、教鞭など取れはせん」

 振り返ると、奥の部屋で眠りこけていたはずのコルベールがいた。満足な休みはとれていないというのに、その瞳はらんらんと活力に満ちていた。

「・・・・・・生徒だから、ってジャン、あなたねぇ・・・・・・。ルイズはともかくとしてわたしやタバサ、水精霊騎士隊は“元”生徒、学院からは卒業したのよ。いつまでも“先生”でいたれたら・・・・・・・」

「おお、それもそうだな! ならば親しき友人を助けるために、わたしも手を貸すとしよう! ちょうど解析も詰まっていたところだしな!」

 呟くキュルケ、その言葉の真意は伝わらず、コルベールは“彼”を追い越し夜の闇に飛び込んでいく。キュルケは呆れたようにため息をつき、その後を追いかけた。



・・・・・・何かが、聞こえる。ごう、ごうと、くぐもりこもった風の音。・・・・・・そして、きゅいきゅいと甲高い・・・・・・聞き覚えのある鳴き声・・・・・・?

「・・・・・・はぅ、こんな真夜中にうるさいですね・・・・・・って、きゃあああああああ!!?」

テントの入り口をまくり、外へ出ようとしたその瞬間、突然誰かがシエスタ目掛け飛び込んできた。

「なんですなんですっ、なんなんですッ!?」 

 もみくちゃになって倒れ、絡まるテント。テントの中に押し戻され、混乱し騒ぐシエスタに声が飛んだ。

「お姉さま、大丈夫なのね!? 吹きすさぶ風よ、かの者の戒めを解き放ちたまえ!」

 次の瞬間、シエスタを包むテントの布が意志を持ったように波打ち、異物を吐き出すように外へと放出する。ルイズの放つ淡い光りに照らされ、声の主と誰かの姿が明らかになる。

 ・・・・・・甲高い声はやはりシルフィード、竜の姿のままだ。そして同じく蒼い髪、この小柄な身体はその主人の・・・・・・。 

「・・・・・・って、やっぱりミス・タバサじゃないですか!? 一体なにがどうなって・・・・・・ッ!!」

 タバサが向ける視線の先を見据え、驚愕に息を呑む。数メイル先、自分たちを取り囲む幾人もの影、影、影。十、二十、・・・・・・いや、それ以上・・・・・・!? 

「そんな、日照りも収まったのにどうして・・・・・・!?」

「きっと人攫いなのね! シルフィも経験が・・・・・・って、お、お姉さま!? その足どうしたのね!?」

 シルフィードの驚きの言葉でシエスタは気付いた。座り込むタバサ、その華奢な膝が、真っ赤に染まっていることに。

「・・・・・・油断した。それより、シエスタを連れて水精霊騎士を呼んできて。わたしだけじゃ、もうここを守り通せない」

「だ、だめです! だってミス・タバサ怪我してるじゃないですか!? そんな身体でどうやって・・・・・・って、きゃっ!?」

 しかし、突如伸びたシルフィードの爪に身体ごと掴まれ、シエスタは言葉を断ち切られた。すぐさま羽ばたき上昇し、シルフィードは魔法学院へ向かい始める。

「なにするんですか!? このままじゃミス・タバサが・・・・・・!!」

「おまえがいたってどうしようもないのね! そんなこといってる暇があったら、さっさと叩き起こしてくるのね!」

 歩いて行くにはちょっとした距離だが、シルフィードならばあっという間だ。ゼロ戦の格納小屋の前で自分を降ろすなり、シルフィードは空中で器用にくるりとを身体を翻し戻っていく。

(・・・・・・とにかく、早くみんなを連れて行かないと!) 

 状況は依然として分からないが、考えるよりまず動かなくては。

「みなさん! 起きて下さい!!」

 勢いよくドアを開け、シエスタは雑魚寝する水精霊騎士たちを起こすべく、声を張り上げた。



 みんな疲れていたこともあってか、騎士隊を駆り出すのにはそれなりの時間が掛かってしまった。さらに戦力を増やさなくてはと、シエスタは立て続けに火の塔の外壁に沿うように建てられたコルベールの研究室に向かったのだが・・・・・・鍵がかけられ、明かりもついていない。どうやらキュルケも出払っているらしい。

「ミス・ツェルプストーもいないみたいですし・・・・・・どうしましょう・・・・・・」

 ・・・・・・状況はどうなっているのだろうか。シルフィードの言うとおり、戦えない自分があの場にいても何の意味もない。カスバに特攻をかけた時とは違うのだ、いま自分が戻れば、足手まとい以外のなんでもない。

 分かっている、分かっている。・・・・・・でも・・・・・・。

 気付けばフライパンを握り締め、シエスタは草原へ戻ってきていた。自分が触れるということは、ルイズの身体は外界からの干渉を受け付けてしまうということだ。

 ・・・・・・思い出さないようにしていた、遠く、小さくなっていく才人の背中が頭に蘇る。いざとなれば自分が盾になればいい。もう、大事な人を失うかもしれないのは嫌だった。

 暗闇の中、飛び交う悲鳴や怒号。頬を掠めり魔法の矢に肝を冷やしながらも、淡い光を目指してシエスタは進む。やっとのことで辿り着くとそこには、目を血走らせてルイズの服を剥ぐ男の姿があった。

 辱めてやりたくて始めたのだろうが、ルイズの反応が無いので徐々に頭にきたんだろう。スカートやブラウスは既に切り裂かれ、そのまま辺りに散乱していた。

 ―――なんてことしてるんですっ、怒りのあまり思わず叫びそうになる気持ちを抑え、シエスタは男の背後に回りこみ、その影に潜んだ。そのまま背筋を逸らし、反動をつけ勢いよく男の脳天目掛けフライパンを振り下ろす。・・・・・・が、非力な自分では大した打撃にならず、男はよろめき痛みに呻きをあげただけだった。

 「ッ・・・・・・くそっ、よくもやりやがったなァ・・・・・・・」

 振り向いた男が殺意を練り混ぜた瞳を向けて、手に持ったナイフで襲い掛かってくる。振りかぶったままの姿勢のシエスタでは反応できない速さだ。たとえ避けようとしても、男の視線に射竦められて身体は動かなかっただろう。

「いいぜ、まずはてめえから殺ってやる」

 男に掴まれ絞まる首、苦しみに言葉にならない声をシエスタはあげる。雲の切れ間から一瞬顔を覗かせた月に照らされ、その顔に浮かぶ下卑た笑みが、振り上げられたその銀色の刃が光る。

 やられる! と思いシエスタはぎゅっと目をつぶったが、不思議なことに男の手から力が抜けた。咳き込みながらも何事かと思い、恐る恐る目を開くと、男の両手は肘から先がなくなっていた。

「え、あ? お、俺の、腕? ひっ・・・・・・うぉあぁあああ!?」

男も自分の惨状に気付いたのか、悲鳴を上げて夜の闇へと消えていく。直後、ドカカカッ、と何かを穿つような音が聞こえ、タバサがシルフィードの爪に掴まれたまま飛んできた。

 「ミス・タバサ、無事だったんですね! ・・・・・・さっきは危ないところを、ありがとうございました」

 しかし、目の前に降りてきた(放られた?)青髪の少女は「わたしじゃない」と否定した。視線を上げてシルフィードを見ても、きゅい? と首をかしげている。じゃあ一体誰が? 

 シエスタは辺りを見回すが、既に双月は雲に隠れ辺りは闇ばかり。見かねた水精霊騎士の誰かが助けてくれたのだろうか? 

 ・・・・・・いや、そんなことよりもルイズの破れた服の方が先だ。唯一無事だったマントで肌を包もうとするが、サモン・サーヴァントを唱え忙しく動く腕に邪魔されてどうすることもできない。

 どうしましょう、ああこうでもない。マントを手に持ったままおろおろしていると、見かねたシルフィードがきゅいきゅい先住魔法を唱えだした。流石は韻竜、といったところだろうか。集った服の切れ端がルイズを取り巻いたかと思うと、あっという間にその形を取り戻していく。

「あーもう、まどろっこしいのね! まったくもう人間は面倒なのね、きゅい!」

「ありがとう。じゃあ上空から草絡めでみんなを援護してあげて」

 タバサがシルフィードに指示をする間、シエスタは非常時であることを忘れ、元通りになったルイズの制服をまじまじと見つめていた。メイドという職業柄、自分が繕ったらこうも綺麗に直せるだろうかと考えると、仕方の無いことであった。

 ほー、魔法って本当に便利ですねーと感心していると、袖口をタバサにくいっと引かれた。

 「あなた、わたしを背負って動いて。・・・・・・シルフィードだと小回りが利かない。“フライ”を唱えている間は他の魔法が使えない。方向はわたしが指示するから、よろしく」

 「は、はいっ! どうぞっ!」

 直った服に見とれていた罪悪感もあってか、指示通り即座に背を向けかがむと、倒れこむようにタバサはその身を預けてくる。

「・・・・・・ミス・タバサ、大丈夫ですか?」

 先ほどよりマシになってはいるが、未だに鮮血は、その折れそうなほどに細い足を濡らしている。シエスタは心配そうに問うが、少女は戦場に戻ることを望んだ。 

「・・・・・・なんでもない。まだ動ける、まだ、戦える・・・・・・」

背中に感じる小さな身体は、力を振り絞るように震えている。頼られているのだ、自分は。ならば、応えないわけにはいかない。

シエスタは覚悟を決め立ち上がる。光を纏うルイズの近くにいる自分たちは、闇に潜む敵にとっては格好の的だ。気を引き締めなければ、あっというまにやられてしまうだろう。

 メイジとメイドの奇妙な共同戦線がいま、始まった。


 

「・・・・・・いまので、最後。もう、動かなくていい」

「そ、そう、ですか・・・・・・」

闇の中目掛け飛んでいく氷の矢。直後に耳元で呟かれ、シエスタはへなへなとその場に座り込む。動くといっても、ルイズの周りで明かりに誘われた敵を迎撃するだけで、大したことはしていない。しかし背負うタバサ、後方のルイズがいることもあって緊張していた。その張り詰めた糸がいま、ぷちんと切れてしまったのだ。

 風に流され徐々に散っていく雲、月明りが全てを暴き出す。倒れている人の数は、シエスタが思っていたよりもずっと少なかった。

「・・・・・・結局、マリコルヌは来なかったな。いくら日ごろの行いがアレだからといっても、少々追い回しすぎたかもしれんね」

「辛かったからやめる・・・・・・ルイズのお姉さんからはそう聞いたけど、あいつは悪くないさ。むしろよく頑張ってた」

 「悪いのはぼくたちだよ。ルイズのお姉さんの対応を、あいつに全部任せたんだから・・・・・・。せめて、陛下が公式に御勅命をくださってたら、マリコルヌだって彼女と別れてなんか・・・・・・」

 「おいおい、無茶な話はやめようぜ。日照りがルイズのせいなんてことは、トリステインのみんなが分かってる。そのうえで陛下が“ルイズを守れ”とぼくらに命を出せば、この国そのものが壊れちまう。・・・・・・いくら“聖女”といえども、もう贔屓はできない。ぼくらは“勝手に”やってなきゃまずいんだよ」

 「そういうことよ。姫さまの手紙にも書いてあったじゃないの、サイトに元素の兄弟を仕向けた奴らの中には、国の重役もいたって。ハルケギニアの英雄と聖女・・・・・・こんな仰々しく呼ばれてたら、宮中の貴族たちが妬んで潰しにかかってくるのも無理ないわ」

 「そう考えると、今回襲撃してきたのはその刺客と考えるのが妥当だな。せめて片割れだけでもと、ミス・ヴァリエールを襲いにきたようだが・・・・・・そうはさせんよ」

 明かりを辺りにふりまくルイズに、次第にみんなが集まってくる。自分が呼んだ水精霊騎士隊、のしのし歩いてくるシルフィード。手練れを相手取ったのか、“勝つには勝ったが、二人揃って杖を失った”と残念そうに呟くコルベールと、その隣で悔しそうに腕を組むキュルケ。知っている顔が誰もかけていないことを確認し、シエスタはとりあえず安堵の息をつき脱力し、・・・・・・同時に、背中に乗っけたままのタバサの様子がおかしいことに気付く。・・・・・・気を、失っている?

「・・・・・・ミス? ・・・・・・ミス、タバサ!?」

「お姉さま!? どうしたのね!?」

「また、この子は無茶して・・・・・・」

「・・・・・・まずいな、血を流しすぎている。わたしの研究所に血止めの薬草があったはずだ。シルフィードくん、我々を学院まで運んでくれたまえ」

「わ、分かったのね! 早く乗るのね!」

 翼を広げるシルフィード。キュルケがタバサを抱えたままその背に乗り、コルベールも後に続く。すぐさま矢のように飛んでいった彼らを唖然と見つめる水精霊騎士の中、だれかがポツリと呟いた。

「・・・・・・なあ。あのタバサがやられるって相当の手練れがいた、ってことだよな。・・・・・・なあ、ぼくたちはルイズを、守り通せるのか・・・・・・? いつやってくるかわからない敵に備えて、あといくつ眠れない夜を過ごさなきゃ、いけないんだ・・・・・・?」

 ・・・・・・その問いに、答えられる者はいない。

 辺りに沈黙が漂う中、変わらず“サモン・サーヴァント”を唱え続けるルイズの声だけが、秋風に流され、夜の草原へと広がっていった・・・・・・。


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