暇潰し

御國逸矢

そうだ、暇をつぶそう

平日と言うものは非常に苦痛である。

まず朝っぱらから辛い。陽がまだ登って間もない6時半に目覚め、覚醒まで15分を要し、支度をものの10分で済ませて、昨夜のプロ野球結果と今夜の予告先発を確認しつつ出発し、満員電車に揺られて7時50分までに会社に行かなければならぬ。

自分でも寝ているのか起きているのか夢現。眠りが浅く、10時間が適正睡眠時間である私にとって、その時間はこんな状態で、下手を打てば命伴う肉体労働は非常に応える。

そこから8時から17時までの9時間と2時間の残業をこなして帰宅、昨夜の深夜アニメを長風呂のなか観賞して就寝。11時ごろに床に就くのだが、実際眠りにつくのは2時ごろだ。そして朝、ゾンビになって家を出るのである。

ブラック企業に就職した大学の友人からすると天国の様だと言われる。さもありなん、ここは休みが115日しかないが(”も”あるだろと言われるが)、実にホワイトな勤め先である。

だが、生来の怠け者である私にとって、労働条件が新雪の如き白だろうが墨汁の如き黒だろうが全くもって関係なく、働くこと自体が嫌いなのだ。

自分でも、よくニートにならないなと感心するほどだ。

「ああ神様、どうか20億円ください。一生怠けられるから」

いつも思う。ダメ人間だなと。

大学生活は毎日が休日で、朝起きて飯食って勉強もせず毎日を浪費していた。いわゆる学生ニートと言う奴だったが、そんな奴が社会人生活もやっと1年を迎え、仕事にもいい加減に慣れ、上司先輩同期の怒鳴り声や呆れ顔にもポーカーフェイスをきめれるようになった――もとい、平日の生活をこなせるようになった。

以前は休日が待ち遠しかった。 なにせ一日が自由で、遊び放題で、学生時代の如く時間を浪費しまくっていた。

だが最近になって、

「ああ、仕事が無かったら暇だな」

ふと、思うようになった。完全なる仕事人間になりつつある。

「イカン、これでは踊る社会ロボットだ。社会を回す為に産まれた悪の秘密結社が作りし人生破壊ロボットだ!」

ニートの考え方丸出しである。つか何言ってんだ。

しかし働かなければ金がもらえぬ。金がもらえなければ生きては行けぬ。男一匹、日に三合の米と一畳の畳さえあれば生きていけるのは某傾奇者ぐらいである。働かなければ米三合も一畳の寝床も消える。

「我が労働は生の為のみにあり」

ああ、言わずともわかる。――これはダメ人間だと。

さて、この暇すぎる休日をなにで潰そうか。

如何せん暇と言うのは金食い虫だ。本を読むにしてもゲームで遊ぶにしても購入する金が要る。薄給社会人ではその虫を潰す快楽の方法には限度がある。しかし、はした金で潰せる暇は中高大の10年間であらかた飽きてしまった。

そこで昔読んでいたライトノベルを思い出し、適当に文章をつづる事にした。これがまた暇つぶしになるのだ。ただ問題なのはこの身には文才と言うものが皆無であったことだ。

もう少し面白おかしくナニか書けないものか。

まあいいだろう。これはこれでいい暇つぶしになったものだ。

オチ? そんなもの文才がないから無い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

暇潰し 御國逸矢 @mikuniituya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る