第47話エピローグ(俺達の夢)-3

 早くも夢が産まれてから四か月が過ぎようとしていた。

「理くん!ちょっと来て!早く!早く!」

静流が慌てて俺を呼んだ。

「どうしたんだ……、あ!」

「夢が……!夢が寝返りしたのよ~!」

「え~っっ?!あ~!俺も見たかったのになぁ!」

「だって~、理くん来るの遅いんだもん。でも大丈夫よ。これからどんどん、寝返りするし、立ったりするわよ」

「立つのはまだ早いだろ?」

俺は苦笑した。

「……何か夢のようだなぁ……」

「え~?」

「幸せすぎてさ、何か逆に実感が湧かないっていうか」

「そう?私は幸せを実感してるわよ」

「それに将来、夢に生い立ちを話さなきゃいけない日が来るんだろうなぁって……」

「そうね。夢は何て言うかしらね……」

夢は自分を産んだのが、男親の俺だと信じてくれるだろうか。そして受け入れてくれるだろうか。

「ま、今悩んでても仕方ないか」

「そうよ」

静流が笑っていた。

つられて俺も笑っていた。

「将来、夢に話した時に受け入れてもらえるように努力しますか!」

「そうね。夢にとって恥ずかしくない親にならなきゃね!」

二人で笑っていると夢も笑う。三人で笑う。

それが今、一番の幸せ。

もうすぐ汗ばむ季節。

三人家族になって、初めての夏が来る。

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マタニティライフ 3103 @3103

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