第10話 とある魔導書の助言 後編

 私が手に取った一冊の本。それの見た目は少女漫画と全く変わりません。


 ですが、

 

 「なるほどです。確かにこれは魔導書ですね。それも凄まじく秘めている」


 手にした時から強烈な魔気をまとっています。

 おそらくこれは禁書レベルの魔導書です。


 禁書とはが封じ込められた魔導書達のことをいい、一冊で天災に匹敵するごうをそれぞれ持ち合わせています。そして、その中でも最悪とされている三冊には【赤ずきん】【ヘンゼルとグレーテル】【】という忌名いみながつけられ、今は私の父によりとある地下室に厳重に保管されています。


 梨空は私が手に取った魔導書の魔気に、思わず私の左手と繋いでいる右掌の力を強めます。ぎゅっと。


 「唯花。それちょっと読み始めるのは不味くないですか? 下手したら禁書かもしれないですよ」


 「大丈夫です。いきなり読みませんよ。さっきみたいに念話でいろいろ聞いてみたいと思います」


 と、言い私は梨空と繋いだ手を静かにほどきます。


 「やっぱり梨空は欲しい漫画でも選んどいて下さい。私はちょっぴり長くなるかもしれないですし、さっきみたいなエロ本さんのように楽しい会話になるかもわかりません。魔導書って結構態度が悪い方多いので」


 梨空は不安そうに眉をひそめ、私に顔を近づけます。


 「危ないことはダメですよ!」


 わかっていますよ、梨空。やっと通院生活を終わらせた命の恩人兼友人の前で、危ないことなんて是が非でもしませんよ……しませんが、どうしても高い魔気を保有する魔法の物を取り扱うのに100%安全なんて無理なのです。だから、私は梨空と手を解きました。念話の言語を共有することはそれなりにデメリットもあって、もし精神的におかしくさせるような呪術がこの魔導書から発動された場合、それも共有してしまうからです。


 「しませんよ。特に今日は絶対に。ただ、もし呪術がこの魔導書から発動された場合、私は自分を守れても、それを共有している状態の梨空を守るのには自信がありません」

 

 言葉から素直な心を感じ取ったのか、梨空はにっこりと笑って見せ、

 

 「なら、いいです」


 明るくそう言い残し、鼻歌を歌いながら別の本棚へと歩いていきます。秋葉原のアニメ文化に感銘を受けていた彼女にはここは宝の山でしょう。いい漫画が見つかるといいですね。グッジョブ。


 私はその姿を目で見送ると、手に取った魔導書に意識を集中させます。


 ……そう。深く深く意識を。本の声に。


 『ほぉ、じじいの片割れか?』


 一番最初に飛び込んできた威勢のいい念話。それは私の脳内に疑問符を大量に生産しましたので、それについてはやんわりと念話し返します。


 『じじい? 片割れ? なんですか、それよりも本の内容を見せてもらってもよろしいでしょうか? 私、すごく気になります』


 『俺にはなんも書かれてねぇよ。強いて書いてあるとすれば少女漫画の内容だけさ。書物と念話できる奴にしか俺の培った今まで得た情報が流れないって寸法さ。まぁ大した知恵なんて一つもないがな。俺はどっちかというと日々の記録を残すための日記みたいなもんだったから。そんなことよりじじっていうのはエルトルのことだよ、嬢ちゃん。お前さんからはエルトルの匂いが微かだがある。それに万物に心を傾けられる魔法使いを俺はエルトル以外知らねぇ。嬢ちゃんが俺と念話できるのがなによりの証拠さ』

 

 『いえ、私が念話できるのは書物のみです。それより大賢者エルトルに会ったことがあるのですか?』


 私の問いに対し、魔導書は嘲笑混じりに伝えます。

 

 『会うもなにも俺を作ったのはエルトルだぜ?』 

 

 一瞬にして驚愕が心を貫きました。エルトルが作った魔導書なんて聞いたことがないです。自伝すらない偉人なのに。もしその内容が本当なのだとしたら、確実に魔術業界に電撃が走ります。


 『……その本当ですか? それ』


 『あぁ? なんで俺がこんなくだらない嘘つくんだよ。あいつがノーベル魔術賞取った時だって奴とは一緒だったんだぜ』

 

 『えっ? まじですか?』


 『だ、か、ら、ま、じ、だ、よ。その証拠に俺はエルトルのことならなんでも知ってるぜ』


 なんでも…大賢者エルトルのことをなんでも。魔導書様から受けた言葉に私はカルチャーショックにも似た衝撃を味わっていました。なぜなら、大賢者エルトルは謎が多き偉人として有名で、ノーベル魔術賞を取得するためにに発表した成果文『万物有心論』の記録があるのみ、あとは一切、後世の一族(夜山家)にも記録がないです。


 『……さっき魔導書様がおっしゃる通り、私のひいひいひいじいちゃんは大賢者エルトルです。それで尋ねてもいいでしょうか?』


 『なんだ。エルトルのことか?』


 『はい、その通りです。なんでもいいんです』


 知りたい。とにかく知りたい。謎多き偉大な大賢者を知りたい。私は緊張混じりの高揚感を胸にいっぱいにし、そう強く念話しました。


 『……別にいいけど。知らない方がいいこともあるんだぜ? イメージと真実が一緒なんてのはまずないんだぜ? 特に人間というもんについては』


 魔導書様は諭すようにその言葉を私に伝えましたが、今この精神状態の私にそれを聞くなというのは、スカイツリーからパラソルなしで落ちて死なないでって言ってるぐらい無謀です。


 『でも知りたいです。私の憧れなんです。どんな人物だったか教えてください』

 

 『じゃあ一言でいうから、心にメモしとけよ』


 『えっ? 一言ですか?』


 いやいや、年末年始の清水寺の一年を表す漢字一文字みたいにやられても。


 『そうだよ、一言だよ。エルトルは真のなんだよ』

 

 ……ん? ? こちらの聞き間違えですかね。


 『すいません。念話の感度が悪かったのでもう一度お願いします』


 『だ、か、ら、大賢者エルトルは真のMだったんだよ! バシバシとケツを引っ張叩かれると興奮して、ある一定以上の興奮度に達すると「賢者タイム」とかいっていきなり魔術研究をおっぱじめる変態だったんだよ』


 『……嘘だ!』


 『嘘じゃない!』

 

 『なんでですか! どうしてですか! どうして私のご先祖様はそんなことをするのですか? 呪いですか? そういう変態的な行動を誘発させる呪いにかかっていたんですか? どうなんですか? そうなんですか?』


 まくし立てるような私の念話に、


 『呪いちゃうわ。あいつはもともとそういうのごっつ好きやねん』


 なぜか関西弁で返す魔導書様。

 

 人という生き物は全てが全ていいなんてことはないのは分かっています。それでもご先祖様であり、憧れである大賢者エルトルがまさかのイレギュラー的性癖を持っていたことは少々ショックです。やはり、スーパースター的な存在はそれをたらしめる存在で心に残しとくのが一番のようです……まぁでもこのぐらいじゃ別にへこたれ…なくはないですがノーベル魔術賞を取った偉大な人です。尊敬の念は私の中で変わることはないのです。もう絶対に。


 『わかりました。落ち着きます。偉大なるご先祖様がドMなのも認めます』


 『切り替え速ぇな。そういうとこエルトルにそっくりだわ。あいつもドMモードから賢者タイムへの切り替えめっちゃ速かったぜ』


 『いや、切り替えてないですよ。ショックですよ。大賢者エルトルは私の憧れだったので。でも120%の憧れが100%になったところで尊敬の念は変わらないです。それに私はひいひいひいじいちゃんが証明した『万物有心論』が大好きです。全てのものに心があるなんていう優しいを証明し、全てのものに心を傾けられた唯一の偉人なんですから』


 『ほぉ。そういうところもエルトルにそっくりだ。嫌いじゃない……嫌いじゃないから聞いておこう。話は変わるがいつから嬢ちゃんは呪われてるんだい?』


 呪い? 【始まりの魔法りんごの呪縛】のことでしょうか? 私はいきなりキュッとネクタイを締められたような感覚に陥りました。そう、背筋に一本線が入るような緊張感なのです。


 『……その、分かるんですか?』


 『これでも俺はエルトルの魔導書だぜ? 嬢ちゃんの呪いは【始まりの魔法りんごの呪縛】だろ?』


 『……はい、そうです』


 『ってことは最悪の禁書の一つである【】を読んだんだな?』


 『いえ、読んでないですよ』


 『じゃあ誰が読んだんだい?』


 『すいません。それは言えないです』


 絶対に。


 魔導書様は私のその念話三秒ほど余韻を持たせると、あっけらかんとした感じで私に伝えます。

 

 『まぁ誰がなんてのは重要でもないか。問題は嬢ちゃんが知ってるのかってことよ』


 『……なにをですか?』

 

 『なにをって、そりゃお前さん、【始まりの魔法りんごの呪縛】の解呪方法だろ』


 ……もしかして。


 『あの、知ってるんですか? 解呪方法』


 『あぁ知ってるよ。知り尽くしてるよ。この呪いに関して。エルトルが死んだ原因で、エルトルが作り上げた負の遺産だからな』


 飛びつくようにそれでいて急速に速まる胸の鼓動および熱。知らずににはいられない、知らなきゃむしろ皆無。私が変われるかもしれないのです。


 『……諸々詳しくお願いします』


 『いいか。よく聞けな。エルトルは刑事上、老衰による自然死ってことになってる。だがな、あれは殺されたんだ』

 

 『……殺された?』


 ごくりと私は息を呑みます。私はこの事実を全く知りません。


 『あぁ、エルトルを好きな奴は二人いた。一人はその妻、夜山よるやま 小雪こゆき。もう一人は誰だと思う?』


 らさないでください。

 

 『……わかりません。誰ですか?』


 『その前に恋愛に種族は関係ないと思うか?』


 だ、か、ら、焦さないで!

 

 『関係ないと思いますよ。お互いに好きならば』


 『そうか。ならば話そう。エルトルを愛したもう一人、それは他でもない。当時、魔法業界をまとめていた者。それが【白雪しらゆき】だ』


 『どういうことですか?』


 『嬢ちゃんに呪いを与えた【嘆きの魔神】。あれはもともと【白雪】という一人の人間の少女だったんだ。ただし人間にしてはイレギュラーな存在ではあったがな』


 『イレギュラー?』


 『あぁ、生命における絶対的なものが生まれながらにして奴にはなかった』


 魔導書様の哀れみにも似た感情がヒシヒシと伝わってきます。それは八方塞がりを目の前にした時のような忌々しさも篭っているように感じます。


 『絶対的なもの?』

 

 五秒ほど間が空き、魔導書様の念話が私に深く届きます。

 

 『奴は死ねない。そして18を過ぎた頃から年も取らず。ナイフでミンチにしてもあの世に魂いくこと叶わず。再生のみを繰り返す。その身はまさしく不老不死。そんな彼女がある日、恋をした。相手は何を隠そうエルトルだ。だが当時、一介の大学生だった奴には既に心に決めた人がいた。それが後の妻になる小雪だ。で、そんなことになりふり構わずと【白雪】はエルトルに愛を向けた。だが、彼女には呪いにも似た病があった。それは極度のあがり症というべきか、とにかくエルトルに陰ながら猛アタックをしていたんだが、。それで結局、時は経ちエルトルが小雪と結婚することになり、一時はエルトルを諦めるが、不老不死の彼女は二人が老いていくのを見て、自分だけが老いず死なないことにコンプレックスを持ち始める。要するに嫉妬だな。それでもいつも【白雪】は笑顔を周りに振りまいていた。気さくだった。だが感情を押し殺すってことは生きながらにして業火に身を置くのと同じだ。その我慢していた感情はついに爆発する。時はエルトルが78歳の誕生日を迎えた時だった。この時にはエルトルは不治の病を抱えてもう先が長くはなかったが、それでも幸せそうに家族で過ごしていた。だが、見舞いと称し誕生日の席に参加していた【白雪】は、死という特別なものを貰えるこの夫婦と、幸せそうなエルトルの微笑みに、この時どうしても耐えられなかったんだ。「なんで? ねぇなんで?」と【白雪】は喚いた。そして次の瞬間には闇の魔法、すなわち死の言霊をエルトルにぶつけたのさ。もともと不治の病で弱っていた奴は即死だったよ。全盛期なら死の魔法も祓い除けれただろうがな。死をエルトルに与えた【白雪】はただただ自分が信用できなくなり、ぽつんと最愛の男の死に様を見つめ壊れながらに言ったよ。「」と。これが極度のアガリ症だった彼女がエルトルの名を初めて呼べた瞬間。そして彼女がした最後の愛の告白。後の結末は【白雪】はエルトルの妻である小雪の逆鱗により一冊の本の中に封じ込められたんだ。それが嬢ちゃんのよく知る禁書【白雪姫】さ。それからというものこの本を開く時に近辺にいた者は、、【始まりの魔法りんごの呪縛】をかけられるか、どっちかってことよ。ここまで言えば、【始まりの魔法りんごの呪縛】の解き方も勘がよければ分かるが……嬢ちゃんはどうだい?』


 私は嫌なものが背骨の中を通過していくのを感じました。それはある答えが自分の中でぼんやりと浮かんでいたからです。もし、【始まりの魔法りんごの呪縛】が今いった話と酷似するなら私は……。


 『……最愛の死ですか?』


 若干の間が空き、魔導書様は辛辣に答えます。

 

 『あぁ。それが答えだよ』


 頭の中が真っ白という言葉が本当に現実になるとは、いや真っ黒です。怖いのです。物凄く得体の知れない大きなものが押し寄せてくるかのように。


 『私、耐えれますかね。実は好きな人がいるのです。それでつい最近まである人に嫉妬を燃やしてました。今はだいぶその人を認めることができ、嫉妬の感情もほぼないのですが、その、あれ?……私ってなんなんでしょう? 希望があって生きてきたんですけど、絶望告げられちょっぴりわかんなくなっちゃいました』


 無駄な意地というやつでしょうか? 私は必死に口角を上げ笑って見せます。そうしないといけないような気が心の中で沸いているのです。


 『俺にはわからんよ。ただ、嬢ちゃんは【白雪】とは違う。別の存在だ。必死に生きてみなさい。答えは後から付いてくるから』


 『……答えですか?』


 『あぁ、まだもしかしたら解呪方法はあるかもしれん。今あるものだけが全てとは限らないだろ? むしろ今あるものが全てだとしたら魔術は進歩していかないんだろ? だから嬢ちゃんが見つければいい、その方法を。人間、諦めるなんてことはいつだって遅くない。諦めるその瞬間が怖くて逃げて、遠くから馬鹿にするような奴は卑怯者だ。相手にするな。自分がなりたい自分になろうと思えない奴は、罵倒を繰り返し自分の優位を認めさせたいのさ。だから嬢ちゃんがエルトルの片割れなら、大賢者の血を継ぐものなら証明してやれ。嬢ちゃんがなりたい嬢ちゃんって奴を。それに世界で初めて【始まりの魔法りんごの呪縛】を犠牲者なしで解呪するってことはノーベル魔術賞に届く成果だと俺は思うぜ。【始まりの魔法りんごの呪縛】は全ての呪いの元になった最初の呪いだしな』 


 『……ノーベル魔術賞』 


 その言葉に私の本能というべきものが歯車が合ったように周り始めたのを感じました……そうです。私は貪欲。なにもかも諦めたくない。開き治るとはいかないまでも、ぽつんと活力が心に一滴落ちます。


 『そうだぜ。嬢ちゃんはエルトルの片割れ。もちろん、天下のノーベル魔術賞狙ってんだろ?』

 

 『はい、私はいずれ私のなりたい者になります。正真正銘の大賢者になります』


 ……そうです。私は幾多の試練を乗り越え、いずれ私のなりたいを全て実現させる者。ここだけは一ミリも疑うわけにいかないのです。どんな失敗、どんな逆境にコテンパンにされても。私が私であるために。


 強くそれでいてどこか優しく、魔導書様は念話します。

 

 『上等だ。そういえば嬢ちゃんの名前も聞いてなかったな。なんていうんだい?』


 私はそれに応えるように威風堂々を心に決め込み返すのです。

 

 『私の名前は夜山 唯花。いずれ最高の魔法使いに成る名前です。覚えといてください』


 『そうか。唯花か。覚えておこう。まぁせいぜい足掻いて見せろや。俺はこの場所を離れたくねぇ。だからここで嬢ちゃんとはしばしのお別れってやつだ』


 『はい、本当にありがとうございました』


 『あぁいいってことよ。そろそろ連れを迎えに行ってやれ』


 『はい、お元気で』


 そう伝え残し、魔導書様を元の位置にそっと戻します。そうしてから今いる場所を、ぐるっと回り込み梨空のいそうな本棚ゾーンへ足を運ぶと、案の定、ご本人がいたので背中をツンツン。


 「はひ!?」


 「お待たせです。その漫画が欲しいんですか?」


 「あ、えーとですね。私、スポ根好きなんですよ」


 梨空の手にある漫画は、テニスでエースを狙う内容の一冊。私が声を掛けるまで表紙だけをじぃーと見つめ突っ立っていました。それはそれは幸せそうな顔で。


 「それ全巻買ってきますか? 私が買いますよ」


 秋葉での一件で手に入れた、修羅りんの確保報酬二千万。それは病院での話し合い結果、照斗君、照菜ちゃん、梨空は受け取ることを拒否し続け、私が全て受け取るという形になってしまいました。だから、こうやって欲しい物があった時に彼らには還元していこうと思うのです。


 「…ダメですよ。理由もないのに奢ってもらうわけには」


 「いや、理由なら山てんこ盛りありますから。むしろ買ってください。修羅りんを確保した時の二千万円を私一人が独占するわけにはいかないじゃないですか。だから買ってください。全巻買ってください。これからもいろいろ買ってください。私を肩身のせまい気持ちにしないでください」


 梨空はしばらく考え老けるとそっと微笑みます。


 「そうですね。素直になります。買ってください、全巻」


 私もそっと微笑みます。

 

 「もちろんですよ。あと、一言だけ言わせてもらっていいですか? こいつなに言ってんだって思っても構わないので」


 「…なんでしょう?」


 素直な気持ちを。水のようにしたたかな気持ちを。言葉として紡ぐ。

 

 「私、梨空に負けませんよ。とにかく負けませんよ」


 一瞬、なんのことだろうといった表情を浮かべた梨空でしたが、すぐにそういった感じもなくなり真摯に答えます。


 「はい、それがなんの勝負かはわかりませんが、私は手強いですよ。覚悟してくださいね」


 茶化すこともなく、ちゃんと向きあってそれを話した梨空の姿に私は再度、微笑みます。


 「さて、全巻買って帰りますか。あの二人も学校から帰ってきたら会いたがるでしょうし」


 「会いたがってくれるだなんて……照れますね」


キャフ〜〜〜といった具合に頬を少し桃色に染める梨空。


 この時、私は彼女に思うのです。


 出会ってくれてありがとう、と。




〜〜今回の助言〜〜

今を大切に生きていこうと思った。

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