第13話 怪盗グログロイズム日本支部長久利西瓜の断末魔
さて,ポチットによって尻むき出しになったグログロイズム日本支部支部長久利西瓜のその尻に、なんとピカチュウが出現した。周りにいたサラーリマン、OL、学校をサボっている学生、ぼけ防止にスマホをいじくっている老人、外国人旅行客、スタジオから出てきたモデル、与党野党の国会議員、教育評論家、ジャーナリスト、どこかの国のスパイ、映画俳優、テレビタレント、ホームレスのおじさん、お坊さん、教会の人、阿波踊りの練習をしていたお姉ちゃんお兄ちゃん、ビルから飛び降りてきたスパイダーマン、買い物袋をさげて通りかかったサザエさん。なんと、たまたま全員がポケモンGOをやっていた。その全員が、久利西瓜の尻にスマホを向ける。
久利西瓜は慌てて、ズボンを上げて尻を隠そうとする。
悲鳴があがる。暴動が起きそうな状況になった。
「おい、その汚い尻を隠すな。ピカチュウを求めて北海道からここまで歩いてきたんだぞ。ふざけるな」
「尻を動かすな!」
「それにしても汚い尻だな。風呂にはいってるのか」
「汚い尻はよけいだ」
久利西瓜は尻を突き出し顔だけ後ろに振り向き、顔を真っ赤にして言い返すが、群衆の叫び声にかき消されてそしまう。
NHKテレビの中継車がやってくる。九時のニュースに出すのでしばらくそのままにしてくれと注文をだされる。
パトカーがけたたましくサイレンを鳴らしてやってくる。パトカーから刑事3人が飛び出してきて、3人ともまずはピカチュウを獲得してから久利西瓜を、軽犯罪法違反で現行犯逮捕をしパトカーにのせ猛スピードで去って行く。その後をNHKテレビ中継車、パパラッチ、報道ステーション、みやねやが追いかける。阿波踊りのグループやフラダンスのおばさんたち、浅草からかけつけたカーニバルのお姉さんたちも踊りながら追いかけていく。
パトカーは麹町警察の駐車場に入り、久利西瓜はグログロイズムの鉄の規律で入ってはならないとされている、警察署の中に連行されてしまった。
鉄の規律第二条の一項目により、警察署に入ったら直ちに自爆しなければならない。そのためにグログロイズムのメンバーはいつも自爆セットをポケットに忍ばせている。
久利西瓜は躊躇うことなく、ゴムのストローを口にくわえると、自爆セットを口に含むように唇に塗った。
瞬時に唇は開かなくなった。呼吸は鼻でおこない、飲食はゴムのストローでおこなうことになる。
久利西瓜は警察署でやっとズボンをズリ上げ、刑事から調書を取られたが唇が開かないため、首を縦に振りウンウンと120回ほど唸った。したがって刑事の調書にはウンウンが120回書かれていた。その後放免となった。
さて、久利西瓜は完全に口を開くことができなくなった。この時点で支部長の責は消えてしまう。問題はどのようにして口が開くようになるかである。
これは鉄の規律第三条第一項目に書かれている。
シャネル110番の真っ赤な口紅を朝、昼、夕方の三回唇にべったり塗ること。三ヶ月で口が少しずつ開くようになる。一回でも怠るとその日からまた三ヶ月塗らなければならない。なお食物は流動食をストローで体内に補給すること。
流動食はハラグロ本舗の栄養満点シリーズをアマゾンで購入すること。初回の一月分は半額になり、3万円である。
「金が掛かる」
久利西瓜はため息をつく。
口紅はフランス製で一本一万円もする。朝昼夕ベットリと塗ったら瞬く間になくなってしまうに違いない。
鉄の規律第四条一項目 グログロイズムは掟破りの自爆実行者には資金提供のための手内職傘張り材料を提供する。一日16時間働けば、口紅も流動食を購入することも可能である。(あくまでもまじめに働かなければならない)
なお傘張り方法についてはYoutubeで確認をしておくこと。
この時点でグログロイムズの銀行から金を奪い取る作戦は完全に失敗をしてしまった。
しかし、支部長だった久利西瓜は作戦中止命令は口が開かないので言い出すことはできない。したがって手下は相変わらず紙切れに変わった札を奪い取り続けている。おかげで清だら爺さんのアルバイトも安泰である。
さて、次回でこの物語は終了となります。
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