第6話

 えーと、二宮先輩とあってから2週間がたって、あっという間に時間が過ぎていった。

 結果からいうと、直色してもらったので、スケジュール通りにイラストが進んで今はイベントスチルを書いている。

 パースとかやばそうなところは、二宮先輩が軽くラフ描いてくれるのでなんとかギリギリのクオリティーを保っている。

 先輩さまさまだ。


 最初の僕のイメージ以上のコンテンツになることには間違いない。


 ちなみに、二宮先輩がどんなテクニックで着色しているかは僕には聞かないでくれ。

 Saiとフォトショとあと何かのソフトを混ぜて作っていたけど、細かいところは憶えてない。


 さて、今回の目玉になる機械工学部分のトンでも設定なんだけど、

 絵に起こそうとしたら、よくわからない世界になってきた。


 直輝君からは、自動車のエンジン部分の写真と、

 置き時計の内部写真が送られて、

「ヒューマロイド部分の外見デザインはかなり適当だから」とのコメントをもらった。


 よくわからない。

 でも、適当でいいんだろう。


 僕はエンジニアじゃなくて、単に素人の絵描きだし。


 スタッフ用の掲示板は、あいからずみんなレスポンスが早く、

 最初の話し合いからあってない、城川さんは、ほぼ物語の8割まですすんだらしい。

 すごい。


 城川さんと直輝君で、よくわからないけど、なんかすごい話を書いていたので、

 あとでゆっくり読もう。



 スケジュールではあと4週間で、全部のイベントスチルを描いて僕の担当は終りだ。

 あとは、出来上がった作品を各自で見て、変なところを探すことくらいかな。


 城川さんは、文字に生きているようなので、細かくチェックしそうだ。

 僕が、呑気にこんな感想を書いている間に、先輩が必死にホームページを作っていたことを僕は知らない。

 そのあと、城川さんに説教されるが、それは別の話だ。



 僕からの話はここで終わりなんだけど、ちょっと小説に興味があったらので、廊下でばったりあった城川さんに声をかけてみた。


「あー、城川さんー」


「あぁ、山中君。あれの話は大きな声でしないでね。ここ学校だから」


「あぁ、ごめん。僕最近ちょっと小説書くことに興味でてきたんだけど」


「え?ほんとに?」


 さっきまで、携帯画面を覗き込んでいた彼女は顔を上げて僕を見つめた。

 すごく驚いたらしい。


「ほらー、城川さんすごい話かくし、城川さんのファンもすごいらしいじゃない?なんか僕もできたらいいなーって」


「ふぅーん、私の場合は興味本意で書き始めたからなんとも言えないけど、もし山中君が女の子用の話を書くんだったら相談乗ってあげる!」


「え!僕には無理だよー。少女漫画みたいな話」 


「ははー、じょーだん。書いたら、見てあげる!でも、私辛口評価だから、言われてもへこまないでね!」  


「は、はーい」


 おとなしそうな感じだけど、辛口評価な城川さんが実は隠れギャルだったことを僕は後々知る。

 確かにギャルは辛口だ。


 この時は、なんとかこの企画が完成したことでハイテンションで、学校ライフをエンジョイした。ショートタームで。

 そういえば、最初僕、リア充なりたいとかなんとかいってたけど、この時はすっかり忘れていた。

 こんなも悪くないかなー。

 ちなみに、僕らが作ったゲームに関してはググらないでね。いたっ、なぐらないで下さい。

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