第47話  子宮と卵巣の摘出


子宮の摘出のことを放射線科の大好きなドクターに相談する。


「それはね、やったほうが良いわよ」というので


「でも怖いんです。子宮を取ったら男になるって、ひげが生えてくるって聞いたから」

と言うと豪快にがっはっはと笑い


「ひげなんて生えないって、だって私は生えてないわよ」


「え?先生もしたんですか?」


「そう、私もね子宮摘出手術してるのよ、何十年も前にね」


ドクターSは素敵な女性だ。ひげだってもちろん生えてない。

この一言で私は手術を決心した。


6月21日 10時に病院入りする。一日入院して夕方から下剤を飲み始める。

お腹を完璧に空っぽにするために4リットル飲む。まずい下剤4リットルは本当に辛い。ジュースは飲めると言われたのでジュースを飲みながら下剤を飲み続けた。


脱水になるので4時頃から水分補給の点滴をつけている。血液を薄くする注射もする。これはかなり痛かった。

下剤はあまりにもまずく、すごい量だ。飲んでも飲んでも減らない気がする。電話で夫と息子と話をする。


「ママだいじょうぶ?」


「だいじょうぶだよ!夜ご飯何食べたの?」


「あのね、マック!へへへ」


電話を通して聞く声が恋しい、早く元気になりたい。

そのためにがんばるのだ。


夫も「だいじょうぶだよ、明日行くからね。君はファイターだよ、そのこと忘れないで」と言ってくれた。


翌日の22日 朝1番で手術。 7回目の手術だ。


目が覚めてからお馴染みの吐き気、何回もの激しい吐き気が本当に辛い。

手術は子宮摘出手術。それから卵巣切除手術。 これは内視鏡手術だ。お腹に4箇所穴が開いている。目が覚めると網でできたような下着をつけていた。


夫と息子がまた大きな花束を持ってきてくれたのだが、目を開けられなかった。

夜1度血圧が上が79下が49になり、肩をゆすられ、大きな声で名前を呼ばれ起こされた。 お願いだから眠らせてと思った。


手術の次の日ランチを食べることが出来た。カテーテルもはずしてもらう。はじめて歩くこともできた。


食べたら退院とわかっていたので、お昼に出たグリルドチーズサンドを無理に口に押し込んだ。 夜はチキンレッグ、これもいやいや食べた。早く家に帰りたかった。そしてやっと帰ってもいいと言われる。


病院は懲り懲りだ。早く帰りたい。愛する家族の待つ家に。

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