第37話 サバイバーになった日
手術、抗がん剤、放射線治療といわゆる標準治療がやっと終わった。3月にハワイに来て7か月以上たっていた。
ちょうど良いタイミングでピンクリボンのレースフォーキュアというイベントがあった。ピンクリボンとは(乳がん早期発見して死亡率を減らそう)という運動だ。
乳がん撲滅のための募金集めのために行われるランニングとウォーキングレースだ。その1マイル(、抗がん剤、放射線治療といわゆる標準治療がやっと終わった。3月にハワイに来て7か月以上たっていた。
ちょうど良いタイミングでピンクリボンのレースフォーキュアというイベントがあった。ピンクリボンとは(乳がん早期発見して死亡率を減らそう)という運動だ。
乳がん撲滅のための募金集めのために行われるランニングとウォーキングレースだ。その1マイル(1.6キロ)ウオーキングに参加した。
5時に起き、ワイキキの会場へ。参加費を払いTシャツと帽子を受け取る。Tシャツは乳がん患者はピンク色。サポートする人は白いシャツだ。 白いシャツの人たちは、ゼッケンに色々な思いが書いてある。
(母のために)(大事な友だちのために)たくさんのメッセージ。読んでいるうちに目頭が熱くなる。
驚いたことにものすごい人数のピンクのシャツの女性達がいた。これだけの人が皆乳がんと闘ったのだ。
若い人、年配の人。 髪が長い人、短い人。
私はウイッグを外して、いがぐり頭にピンク色のシャツとおそろいの帽子を直にかぶった。
そしてピンクシャツの何倍もの白いシャツの人達。これだけの人が気にかけサポートしてくれている。その圧倒的な人数を見て感動した。
こんなにも沢山の人。 私はちっとも1人じゃなかった。 そしてピンクのシャツを着て歩く私はものすごく特別な気持ちがした。両側には、もちろん白いシャツの夫と息子が一緒に歩いてくれている。
この日、私ははじめて(元乳がん患者)から(サバイバー)になった。
たった1マイルだけど足がまだ痛かったのでゆっくりゆっくり歩いた。ゴールをして、首にレイをかけてもらい、サバイバー全員で写真を撮った。
はじめてがんと戦った自分を誇りに思えることが出来た瞬間だった。
泣いてばかり転んでばかりいた私が、はじめて立ち上がって歩くことが出来たのだ。それは夫と息子のサポート無しでは出来ないことだったけれど、気持ちはすっと前向きになっていた。
こうやって歩いて行こう、ずっと。この瞬間にそう思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます