あれから1年と数ヶ月がすぎた
最後に記事を書いたのが、昨年の2月なんだけど、実はその少し前から我が家はドタバタが続いており、今の気分は「あれから一年半が過ぎた」という状況である。
今というのは、2021年4月。息子は、支援学校小学部4年生になった。高学年である。
猫の地球儀的なアレでもあるし、セカンドインパクト後のアレな感じでもある。
あ、シン・エヴァはまだ見てないので、ネタバレはしないでくださいね。
この一年半の間に我が家に起こったことを書き出しておきたい。
個人的なことと、世間の状況と両方が、嫌な具合に絡み合ってしまい、身動きがとれないでいる。
2019年11月。息子は前歯を折った。永久歯である。原因は分からない。根っこの部分、歯根破折というらしい。
その日の昼間、以前からグラグラしていた乳歯が取れたのを自慢気に母親に見せたらしい。その後、夜に僕が仕上げ磨きをしようとしたら、前歯がグラグラしていると得意気に教えてくれて、でもそれは永久歯で、「その歯はグラグラしちゃ駄目なんだよー」ということで、翌日近所の司会に連れて行ってレントゲンをとってもらったところ、折れている、と。抜歯になるだろう、と。
妻が食い下がって、東京医科歯科大の小児歯科を紹介してもらった。
そこでも「折れている位置が悪い」と言われたが、なんとか温存できないかということで、治療が始まった。といっても、基本はレジンかボンドで固定して治癒を待ち、フェーズごとに方針を判断するというものだ。
12月の診察では、医科歯科大でも抜歯かもと言われたが、抗生剤を飲んだら幸か不幸かよさげな感じになり、そのまま維持継続になった。
しかし、先行き不透明な状況が続く心労で、3月には妻が通院の付き添いができない状態になった。
その頃には、すでに新型コロナの流行が顕在化しており、大学病院は徐々にコロナ患者収容のため通常の外来が受付にくい状態になっていった。
そして4月の非常事態宣言。
僕は2020年4月以降、ほぼ自宅にてテレワークで作業になった。
家族全員が疲弊していた。------ いや、考えてみると、2019年の12月に、夫婦そろってだるくてしょうがない(子供が生まれてしばらくの慢性疲労症候群的な感じ)時期があった。あれがもしかしたら、ひとあし早いコロナ感染だったのかもしれない。いや、それは推測にすぎないので、やめておこう。
とにかく疲弊していた。通院が大変というわかりやすい原因だけでなく、COVID-19、新型コロナ感染症という見えないながらも少しずつ身の回りを締め付ける敵におしつぶされそうになっていた。
息子は以前、真珠腫性中耳炎の手術を受けていた。その時の主治医の先生が別の病院に移ったので、後任の先生に引き継いでもらったのだが、この先生がどうもいまいちで、ちゃんと耳の中を見てくれない(妻、談)。結局元の先生の移動した先(隣の隣の市)まで行くことになった。
そして中耳炎が再発した。
手術が必要と言われた。しかしコロナのせいで、すぐには手術できない。
手術は11月になった。一週間の入院。付き添いが可能。
頑張った。本人も頑張ったけれど、両親も頑張った。
結局真珠腫性中耳炎ではなく、普通の中耳炎のひどいのだった。耳がふさがらないような整形もしてくれた。きれいになった。
9月頃。妻は疲弊し、僕は疲弊し。どうしようもなくなり、妻が公的支援を探してくれた。移動支援、相談支援、行動援護。使えるものは使った。
時間が過ぎていった。
年があけて、2021年1月。僕の祖父が他界した。98歳だった。大往生といえよう。
3月10日。息子の仕上げ磨きをしようとしたら、前歯の固定が一か所外れているのに気づいた。
翌日11日、妻が医科歯科大に連れて行って受診した。
再度、同じ場所が折れていた。今度は水平方向に位置がずれているらしい。
一年と三ヶ月頑張った。だが今度ばかりは駄目なようだ。
もうひとつ。耳のこと。11月の手術直後は耳の穴も大きくなっていたのだが、次第にせまくなり、滲出液が出るようになった。病院に連れて行った(片道2時間)。耳を掃除して点耳薬を出してもらった。寝る前に点耳した。やっぱり滲出液や血が混じった汚れが出るようになった。病院に連れて行った(片道2時間)。耳の穴が塞がらないようなチューブ状のものをいれてくれた。一週間か二週間ごとに見せてくれと言われた。
どうしてこのような再発のしかたをするのか、医師もわからないと言っていた。
あまりにも通院が多いので、通院介助を利用してみた。大学病院の眼科に連れていき、診察を受けて、その後学校まで送る。ちょっとややこしい依頼だったが、事業者は承けてくれた。
病院から電話がかかってきた。個人情報の観点から、未成年の患者の場合、保護者以外の付き添いの人に説明はできないと言われた。
腑に落ちなかったので色々調べたのだが、どうやらその病院の内規が根拠らしく、法的には未成年であってもヘルパーが診察結果を聞くことには問題ないというのが結論のようだった。
我々は疲弊した。
息子の学校の送迎バスについて。
昨年度、息子のバスの中での素行が問題になった。ベルトを外したり、歩き回ったりしたらしい。その度にベルトを頑丈なものにしたりといった対策は(主にバス会社が)してくれたのだが、むしろそれに反抗するようになり、悪いサイクルに入ってしまっていた。
新年度になり、バスが変わった。初日はとても楽しそうに、そしておとなしくバスに座っていた。しかし二日目から、やはりベルトを外したり、荷物を投げたり、お友達を叩いたりした。
翌週の面談でバス担当の教員から、他の子供が怖がっているのでバスに乗せられない。親が送ってきてくれ。
もうなんでも良いやと思った。
朝、電車と徒歩で、学校まで連れて行った。途中で座り込んで、一時間動かなかった。3日連続それが起こった。午前中、仕事にならなくなった。
学校からは「親子通学届」を出すように言われた。それはさすがにひどいと思ったので、「親子通学指示書」を出すのが筋だとつっぱねた。ついでに学校からの指示なのだから、付き添いは役務とみなしてその工数の見積書を出した。
妻は連絡帳に、我が家の切実な状況を事細かに記載して提出した。
登校時、主任教諭に呼ばれた。親がバスに同乗できるように(これは僕が最初提案して、即却下された案だ)校長とかけあってみるとのことだった。ちなみに学校という組織がよく分からなかったので聞いてみたところ、管理職に相当するのは副校長と校長だけらしい。
とりあえずその案を受け入れ、校長の回答待ちというのがGW前の状況だ。
この件で妻は学校に大きな不信感を持った。僕はもはやどうでもいいと思っている(破滅主義なので)。
我が家は疲弊した。
息子の怪我→コロナ→中耳炎で入院→コロナ→再度怪我→コロナ→中耳炎再発?→コロナ→バスから追い出され→コロナ。
妻は心労でほとんど日中の活動ができなくなった。
僕は仕事の時間がとれず、仕事遅れる→締切りギリギリで突貫工事するの繰り返し。
あれから一年半がたった。
我が家は疲弊していた。
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