第7話 ラノベって面白い?
まず初めにお断りしておきましょう。
筆者は中年のオッサンです。このサイトで読んだり書いたりしている学生さんたちからすれば、両親と同じくらいかそれ以上になるかも知れないほどの年齢です。
一応、いくつかのヒットしたラノベを読みました。
その大半の感想は「よくわからない……?」でした。
ガチで。
いや、内容は理解できました。けどちっとも小説を読んだという気がしない。
歳のせいだろうか?
やはりラノベは従来の小説とはまた別の新種の文芸かもしれないぞ。
世界初のラノベをご存じか?
所説あるが、ずばり「すれいやーず!」こそがラノベの始祖だと僕は感じました。
これまでのジュブナイルや若者向けの小説とはまったく違ったものだった。
発表された当時、その斬新さにみんなが興奮したものだった。
そう。僕もかつてはラノベに夢中になっていた若者だったのだ。
ラノベの凄さ。それは表現手法の新しさにあった。
ちゅどーーーん! と書いてあれば、当時の僕らの脳内では生き生きとアニメ調でそのシーンがイメージできたのだった。
まさに「僕らのための僕らによる小説」こそがラノベだった。ドラゴンマガジンの創刊時の豪華な執筆メンバーへの期待度と、これまでにまったくなかった新しいコンセプトの若者向けのヴィジュアルを前面に押し出したスーパークールな雑誌は、友人間で熱い注目を集め、いかに早く読破するかを競いあったものだった。
そんな中でドラマガ新人賞によって生まれたのが、「すれいやーず!」だった。このインパクトに比べればビートルズなんざ目じゃねえぜ、ってな感じだ。
当時はまだラノベという言葉はなかったが、ラノベという言葉にふさわしい作品は当時では「すれいやーず!」だと僕は思っている。同時代に角川スニーカーズもあったが僕の周囲ではイマイチだったし、「すれいやーず!」を擁するドラマガの前には明らかな差をつけられていた。
ところがだ。
10年ほど前、友人の部屋で懐かし青春の「すれいやーず!」を発見した。懐古心から数ページ読んで愕然とした。
読めない。ぜんぜん読めない。
というか、日本語の文章として気持ち良く読めない。
僕は錯乱しそうだった。かつてあんなに貪るように読んでいた本が、年齢を重ねたせいで読めなくなることなんてあるのだろうか。
髭の中に白髪を発見した時のようにショックだった。
ならば現代ならどうだろう?
そこで最近人気があるというラノベ作品を読んでみた。
西尾維新とかはOK。(このひとはラノベ作家じゃないとあとで知ったが)あと涼宮ハルヒの谷川流もセーフ。
よし、この辺は違和感なく小説として読める。
ちょっと危ないが「とある魔術」もセーフ。良し良し。「灼眼のシャナ」はギリギリ。しかし、あとは記すのは控えるが、ほとんど多くのラノベはオジサンにはキツイのだ。読んでてツラい。
不思議だ。
ラノベの文章は読みやすさが身上だ。「ハイスクールD×D」など徹底的に文章が計算されており、すぱすぱずばずばと勢いよく読めるようにしてある。ほとんどマンガと同じくらいの速度で読めそうなくらいだ。
もしかしたら、このスピード感がオジサンにはツラいのかも知れない。小説はもっとのんびり構えていこうぜ、と思っているのに、いやいやこっちはマンガがライバルですからといわんばかりにすっ飛ばされると、こっちの足腰がへろへろになる。
ラノベを調査のために読んだ時、なるべくヒットしたものを選んだのだけど、正直なぜこんなものを喜んで読めるのだ? という文章の作品がなかったわけでもない。
しかし若い頃だからこその速度感があるのかもしれない。僕には物足りなくても若さゆえのスピード感でしか味わえないものがあるのかもしれない。
とはいえ、ラノベを楽しみで読む、のは厳しいという事実は変わりない。
それでなにか困るわけではないけれど、失われた時は決して戻ってこないのだという寂寞感があるにはある。
とはいえ、人間生きてりゃなにが起こるかわからない、ということをこれまでの人生で学んだことも確かだ。
この先、どっぷりハマってしまうラノベに出会わないなんて、誰にもわかりゃしないんだ。なんなら自分で書いたっていいんだしね!
ではでは~♪
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