第5話 新人賞は踏み台です
小説に限らずプロデビューを目指すために、新人賞に応募して見事受賞!
ところがインタビューでは「応募してたの忘れてました」と
ケロッとした表情で余裕顔。
大物ぶってんのか、てめえ~~っ!!!
というわけではありません(笑)
小説を書く人間には二種類ある。
アマチュアで書くひと。プロで書くひと。
プロで書く人には二種類ある。
プロとして書いているひと。プロになろうとして書いているひと、だ。
どうやったらプロになれるのか?
その方法はいろいろ聞いたが、最低限の条件として
作品を生み出す、ということだけは変わらない。
そしてその作品を生み出すのがとても大変である、というのは
みなさんご存じだろう。
そしてそれを誰かに読んでもらうというのがとても大変ということもよく知っているだろうし、その作品を「面白い」といってもらえるには針の穴にナックルボールを通すぐらいの難事業に思えるくらいだ。
そいつを仕事としてやっているもの。
それがプロ作家だ。
なりたいなあ、なれるかな?
実は僕、知人のプロの作家さんからなり方を聞いたことあるんです。またかつて、ファンメールを出したら、かの著名な森博嗣先生からも同じ回答をいただきました。
これぞ一番確実で究極の答えです!
それは!
デビューできるまで書き続ける。
幸い作家に年齢制限はありません。副業で行っている作家さんは珍しくないですし、年齢の下限も上限も天井知らずです。
ね? パーフェクトな答えでしょ? あなたが諦めさえしなければ、ですが。
そんな馬鹿なヤツいないって?
いるんです。それが今現在プロで活躍している人々であり、今プロになろうと書き続けている人々なのです。
プロになろうというひとはいろんなタイプがありますが、とにかく大量に書きます。そもそも書くプロになりたいから当然ですよね。
そのためいろんな賞に合わせて書いたり、書いた作品に合った賞に送ったりと1年365日つねに自転車操業で作品を生み出しまくりの状態です。一刻も早くプロになりたいのですから。
そうやって多数送っていれば、多少忘れてしまうものもあるし、自信がなくて期待できないまま脳内からフェードアウトする作品もあるでしょう。
ちなみに今、若者に特に人気の西尾維新はデビュー前には編集部に毎週(!)一本400字原稿用紙350枚以上の長編(!!)を送っていたというから、ほとんど呪いの応募原稿です(笑)
またハードボイルド作家で著名な北方謙三はデビューの前に自分の身長より高いボツ原稿用紙の束を書いたと自慢しているそうです。
これらは極端な例にしても、仮にもプロの作家になろうというなら、これに準ずるくらいのことはしていて当然、どころか喜々としてやってしまう人間です。
原稿を書くのは苦しいが、書かないのはもっと苦しいという人種です。
僕が観察するに、プロ作家とは「なる」んじゃなくて、「なってしまう」ものなのではないか、と思うのです。
つねに書かなくてはならないものを抱えていて、それでちゃんとプロとして利益も出して新しい依頼につなげるという現代ではとても難しいこと。
それでも、やるしかないから。
そんなことを自然体で感じてしまう人間がプロ作家。
そう思うのです。
とても自分には無理だぜ、といろんな意味で思うのです。
ではでは~♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます