第3話 始まり

疲れた体や心の癒しになるのは通勤中の車の中にある

好きな音楽を聴いていつもの変わらない風景を眺めるのは良い癒しになり

気持ちのリセットが出来る

聴く音楽のジャンルはその日の仕事内容によって変わるので何枚ものCDが積んであり今夜は静か目の曲を流した

一時間程の通勤距離を走り終えて帰宅し、風呂に入り晩酌の時間だ

いつも仕事で遅くなるのでテレビはニュースぐらいしか観ない

今夜も政治や事件の暗い話題がメインになり、心温まる話題など何処にも無い

人の不幸は蜜の味なんだろうな

いつも遅くなるけど妻が晩酌に付き合ってくれる

そんないつもの夜に携帯を見ていた妻が少し興奮した声で話しかけてきた

「××チャンネルに換えて、斉藤さんの家が火事になっているの!」

ローカル番組のチャンネルに換えてみるとライブで燃える家の様子が映し出されていた

この所住んでいる近くで火災が連続して起こっていて何処かに放火魔が潜んでいると噂になっていた

皆用心して家の周りに燃えるような物を置かないようにしたり、町内で夜の見回りをするなどしていたのだけど、今夜もまた火事が起きてしまったようだ

野次馬根性で妻と一緒に行ってみると何台もの消防車と救急車が来ていて

悲痛な叫び声と全てを跡形も無く燃やしてしまう炎が…

後のニュースを見ると、どうやら家族の一人が遺体となって発見されたと報道されていた



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