第4章 隠された湖7

外の行きかう人を眺めていると、ルーナが呟いた。




「ハワンドさんの得意属性って何かなぁ。」



「なんだろうね。ルーナが水属性だから、水以外だと楽かもしれないね。」




ハワンドの属性が気になるルーナの疑問に、メリアが答える。


確かに水以外の属性なら、俺たちと別行動したときにルーナも楽になるかもしれない。


ただ、それはハワンドが魔法を難なく使えたらの話になる。




「どうして?」



「同じ水よりも他の属性ならルーナが出来ないことをしてもらえるじゃない。」




ルーナがやっとわかったという顔をしているのがわかる。


表情が変わって、思っていることがわかりやすいと思う。


それからルーナの魔法に関する質問に答えていき、うんうん頷きながら聞いている姿は初々しく感じて、新鮮な気分だった。


お昼近くになってようやくハワンドが俺たちの待つカフェに入ってきた。


店員と何かを話し、こっちに歩いてきた。




「待たせたな。時間かかっちまった。かなり待たせたからお昼は俺がおごるよ。ルーナは自分で稼げるようになるまでは全部俺が出すからいつも通りってことだな。」



「待った感じはしないからいいのに。」



「いいからお兄さんにおごらせろ。この先長い付き合いになるかもしれないしな。」



仕方ない今回はおごられてやるか・・・。


引く気が全くない様子のハワンドに俺たちはおごってもらうことにした。




「時間かかるってことは調べるのも大変なのかな?」



「いろいろやらされたよ。ケシルとメリアはやったことあるのか?」




俺らはやる必要はない。


使える属性に関しては全てわかっている。


自らわかり、何不自由なく使いこなせるのに、調べる必要はどこにもない。


それに俺とメリアは竜との契約は出来ないから。




「俺とメリアは調べたことはないよ。普通に使えるから今の所必要性を感じてないからね。ところで属性は何だったの?」



「風だと言われたよ。わかったところで使えないんだけどな。」




ルーナがずっと気にしていたから聞いてみたけれど、風ならルーナと属性が異なる。


竜との出会いがあればいいんだけどな。


風竜か・・・。




「ハワンドさん。私と一緒に練習しよう。練習したら使えるようになるかもしれないよ。」




ハワンドは困惑した顔をしてルーナに頷き、一緒に練習することを決めた。


午後はルーナが初めて大きな街に来たこともあり、街の中を見て回ることにした。


もしかしたら珍しいものが置いてあるかもしれない。


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