第4章 隠された湖5

今のままだとハワンドには難しいだろう。


けれど、一般的にわかるようなことではないから、言えるわけがない。




「子供の頃に練習した記憶はあるんだ。でも、出来たことはなかったと思う。何か魔法が使える方法を知らないか?」



「なくはないけど・・・。」




ハワンドが知らないということは、知られていないことだろうか。


これに関しては口止めされた記憶はない。




「何か知ってるなら教えてくれ。俺はもっと強くならなければいけないんだ。」




なぜそこまでして強さを求めるのだろう。


仕方ないか・・・。




「簡単ではないよ?それでも聞きたい?」



「聞かせてくれ。どんな方法でもいい。」




どんな方法でも・・・か・・・。




「まずはハワンドの属性を知る必要がある。いくつかある場合はその中で最も得意とするもの。得意属性だね。」



「得意属性か。調べる方法はあるのか・・・?もしかしたらギルドでわかるかもしれない。次の町のギルドで聞いてみるか。得意属性がわかったらどうするんだ?」




確かにギルドなら調べることが出来そうだ。


俺も見ることは出来るけれど、これは普通は出来ないことのため、何も言わないでおく。


「これはルーナにも当てはまるんだけど。ハワンドもルーナも、魔力は高いほうなんだよ。」




俺の言葉にハワンドが驚いた顔をした。


自分の魔力が高いことを知らなかったのだろうか。




「魔力が高い?」



「高いよ。ルーナはそれで制御が難しいんだろうね。」




ハワンドの場合、魔力が高くて制御が難しいだけではないらしい。


何が原因かはよく見てみないとわからないが。




「それで・・・得意属性がわかったあとはどうしたらいいんだ?」



「自分の得意属性と同じ属性の竜と契約したらいいんだよ。」




その竜との出会いが難しいことはハワンドもよく知っているだろう。


だからこそ最初に簡単ではないと言ったのだ。




「竜と契約か・・・。でも竜がどこにいるのか・・・。いや、俺の属性が先か。俺にもまだまだ知らないことがあったんだな。」




ルーナはメリアに教えてもらい、最初よりは上達しているようだった。




「ケシル、俺は竜と出会うことが出来ると思うか?」



「こればかりは会いたいと思って会えるものでもないからね。」




だよなぁとため息をつくハワンド。


竜は警戒心が強いから人前に姿は現さないだろう。

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